見上げてごらん

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学研に通い始めて、一年以上が経ちました。

去年、支援級の見学に行った後、いろいろな意味で

「これはヤバイ」と焦り、すぐに突っ込んだ学研。

それから一日も休むことなく、毎日プリント頑張って

います。





冬になり、教室へ迎えにいく頃にはもう真っ暗。

いつもはなかなか手をつないでくれない娘も、

この寒さに、ぴったりくっついてきます。






「あ、ママ、見て。きれいだよ!」





藍色の空に、ぴかぴか光る大きな星。





「一番星だね。」






いつもなら、すかさずここで

「いちばんぼーしーみーつけたー!」と歌い出す娘

ですが、昨日はちょっと考えてから、





「みーあーげてーごらんー!よるのーほーしをー!」







あらいいわねえ。




ひかりちゃんの歌は、しみじみする。

先月ツキコとアンコールで演奏した「見上げてごらん

夜の星を」を、すごく気に入ってくれたんだよね。







あれ?





バス通りの向かいで、買い物帰りの白髪の方が立ち止

まって、こちらを見てる。ん?……ずっと見てる。




……ん?







私も立ち止まって、知り合いかと思って目を凝らして

いたら、その方が大きな声で、





「お嬢ちゃーん!懐かしくって涙がでてきちゃった。

もっと歌ってー!」






ひかりちゃん、得意気に声を張り上げて


「ささやかーなっしあわーせをーうーたあってるー」







コロナなんかなかった頃、小さな集まりがあれば

いつも歌っていました。

70代80代の人達が、すぐに声を合わせて歌えたのが

この曲だったっけ。コロナのせいで、みんなで歌を歌

うってことを忘れていたなあ。

来年は、私たち音楽療法士も、そろそろ動き出したい

ものです。







バス通りの向こうの表情は、暗くて見えなかったけど

ひかりちゃんはにこにこでした。






ほんの一瞬でも、私の娘が世の一隅を照らしたことが

嬉しくてたまりませんでした。