スマホを購入したものの、一番最初に行う設定(初期設定)でつまずいていませんか。
docomo、au、SoftBankなどのショップでは初期設定が完了するまで店員が付きっきりで教えてくれますが、ここでは自分一人でもできるようにAndroidスマホとiPhoneの初期設定方法と、なぜそのような設定が必要なのかを解説していきます。
まずはここで解説している4つの設定を済ませ、スマホで通話やメールができるようにしましょう。
【目次】
1. スマホ購入時に必要な初期設定とは
2. Googleアカウント、Apple IDの登録
3. 携帯電話会社のID・パスワードの登録
4. メールの設定
5. アドレス帳の移行
6. セキュリティ対策
7. まとめ
1. スマホ購入時に必要な初期設定とは
AndroidスマホとiPhoneどちらにもいえますが、新しいスマホで電話やメールを利用できるようにするには、購入後に初期設定を行う必要があります。ここではスマホを購入して一番最初に電源を入れたときに始まる初期設定について解説していきます。
なお、スマホ購入時に貰えるガイドブックに初期設定の分かりやすい手順が掲載されており、各携帯電話会社のショップではガイドブックに沿って店員が初期設定のやり方をサポートしてくれます。
「この記事とガイドブックを読んだけどどうしても初期設定が終わらない」という場合は、ショップを訪ねるのが初期設定を完了する一番の近道かもしれません。
1-1. スマホを使うのに必要な4つの初期設定 [Android/iPhone]
初期設定と一括りでいっても、スマホ購入後すぐにやっておくべき設定と、あとでやっても構わない設定があります。
<最初にやっておくべき初期設定>
- Googleアカウント、Apple IDの登録
- 携帯電話会社のID・パスワードの登録
- メールの設定
- アドレス帳の移行
<あとでもできる初期設定>
- Wi-Fi設定
- 機種独自の設定 など
上記1~4の最初にやっておくべき初期設定が完了すれば、以前使用していたケータイやスマホと同じように新しいスマホで電話やメールができるようになります。まずは4つの初期設定を終わらせてしまいましょう。
1-2. 起動直後に行う初期設定 [Android/iPhone]
スマホの初期設定の流れは基本的に以下の通りです。スマホ購入後1回目の電源オン時に初期設定画面が出てきますので、その指示に従って操作しましょう。このときの初期設定作業の中に、スマホを使うのに最低限必要な設定が含まれています(Wi-Fi設定や機種独自の設定もこのときに設定可能です)。
初めてスマホの電源を入れると初期設定画面が出てきますが、基本的にそのときの設定はあとで変更することも可能ですので、操作に慎重にならなくても大丈夫です。
なお、初期設定画面はAndroidスマホとiPhoneで違うのはもちろん、Androidスマホの機種によってもそれぞれ画面が異なります。ここではAndroidスマホの「GALAXY S5」を例に説明していきます。
<初回起動時の初期設定の流れ一例>
1. 言語選択
一番最初に言語選択画面が出てきます。
2. Wi-Fi設定
インターネットを利用するのにWi-Fi(ケーブルなしで接続できる高速インターネット通信)を利用するかどうかの設定画面です。自宅にインターネット回線があり、WiFiルーターがある場合は、設定しておくと便利です。
3.Googleアカウント登録、ログイン
Googleアカウントを持っている場合はログインし、持っていない場合はここで登録をします。Googleアカウントが必要な理由は「2-1. Googleアカウントとは」で解説します。
4. 機種独自の設定
機種ごとに用意されているサービスを利用するかどうかの設定です。今すぐ登録しなくても問題ありません。
2. Googleアカウント、Apple IDの登録
スマホを活用するにあたり、Androidスマホの場合はGoogleアカウントが、iPhoneの場合はApple IDの登録が必要になります。
2-1. Googleアカウントとは [Android]
Androidの開発元であるGoogleが提供している各種サービス(Gmailや、Android用アプリの販売場所Google Playからのアプリのダウンロードなど)を利用するために必要なログインシステムです。Googleアカウントはメールアドレス(xxxxx@gmail.com)の形をとっており、使用する際にはパスワードが必要になります。
メールのやりとりをxxxxx@docomo.ne.jpといったキャリアのメールアドレスで行うとしても、Androidスマホの各種サービスを利用する際に必要になるので、Googleアカウントは取得しておく必要があります。Googleアカウント(xxxxx@gmail.com)の設定は慎重に行い、アカウント及びパスワードは忘れないように気をつけてください。
なお、Googleアカウントはパソコンでも登録可能(Google アカウントの作成 – Google Accounts)なので、購入前に登録しておくと初期設定がスムーズになります。
また、以前もAndroidスマホを使っていたり、パソコンでGmailを利用しているなど、すでにGoogleアカウントを持っている場合は、そのアカウントを使うことができます。
<初期設定時:Googleアカウント登録方法>
1. 初期設定中にGoogleアカウントの有無が問いかけられます。持っている場合は「はい」を選択して既存のGoogleアカウントを登録し、持っていない場合は「いいえ」を選択して新しいGoogleアカウントを作成します。
2. Googleアカウント名はGmailアドレスと兼用になります(例:xxxxx@gmail.com)。パスワードは英語や数字、記号を混ぜた他人に推測されにくいものにしましょう。
3.「バックアップと復元」にはチェックを入れておくことを推奨します。ここにチェックを入れておくと、Gmailの連絡先などGoogleアカウントのデータをGoogleのサーバーにバックアップ(保存)できます。「通信」はチェックを入れなくても大丈夫です。
4. Google+の利用やクレジットカード情報の登録については「今は設定しない」「後で行う」の選択でも構いません。
2-2. Apple IDとは [iPhone]
iPhoneの開発元であるAppleが提供している各種サービス(iTunesで音楽の購入、App Storeでアプリのダウンロードや購入など)を利用するのに必要なログインシステムです。
Apple IDは現在使用しているメールアドレスか、新規で作るiCloudアドレス(無料でもらえるメールアドレス)を設定します。現在使用しているメールアドレスを登録する場合は、キャリアメールアドレス(@docomo.ne.jpなど)を使わないことを推奨します。
ずっと同じ携帯電話会社を利用し続けるのなら問題ありませんが、もし他の携帯電話会社に乗り換えてしまうと、前のメールアドレスが使えなくなってしまい、Apple IDを変更する手間がかかってしまうためです。
ですので、もしキャリアメールアドレスしかないのであれば、Gmailなどの無料メールでアドレスを新規作成しておくか、iCloudアドレスでApple IDを設定しましょう。
なお、Apple IDはパソコンからでも新規登録することができます。iPhoneを購入前に「My Apple ID」(Apple IDの作成、管理ページ)で取得しておくと購入後の初期設定の手続きがスムーズに運びます。
<初期設定時:Apple ID登録方法>
1.Apple IDの設定画面が出てきたら、既にApple IDがある場合は「Apple IDでサインイン」を、持っていない場合は「無料のApple IDを作成」を選択します。
なお「この手順をスキップ」を選択することでApple IDの登録作業を後回しにすることもできますが、必ずやらなくてはならない手続きですので、できれば初期設定の段階で登録しておきましょう。
2.「Apple IDでサインイン」を選択したら、Apple IDとパスワードを入力したら、利用規約に同意、iCloudを使用、iPhoneを探すを使用、の項目を選択しましょう。
3.「無料のApple IDを作成」を選択したら、誕生日(13歳未満は取得不可)、名前を入力後、取得したいiCloud.comのメールアドレスを入力します。このメールアドレスがApple IDとなり、Apple製品を使用する際に使うものになるので慎重に作成しましょう。
4. パスワードの設定、パスワードを忘れたとき用の秘密の質問(全3問)とレスキュー(本人確認やパスワードのリセットに使用する、Apple IDとは別のメールアドレス)、利用規約に同意と設定していけば完了です。
なお、秘密の質問ではペットの名前などSNSで公開している情報を使うのは避けましょう。誰もが見ることのできる情報を答えに設定してしまうとパスワードを悪用される恐れがあります。
「iPhoneの利用開始設定(アクティベーション)|NTTドコモ」に手順の詳細がありますので、不明な点が出てきた際は、そちらをご一読ください。
3. 携帯電話会社のID・パスワードの登録
docomo | au | SoftBank | |
---|---|---|---|
ID名称 | docomo ID | au ID | MY SoftBankパスワード |
サービス内容 | 利用料金確認・各種設定内容の確認変更・ドコモクラウド・おさいふケータイなど | 利用料金確認・各種設定内容の確認変更・au WALLET・auスマートパスなど | 利用料金確認・各種設定内容の確認変更・得するモールなど |
設定方法 | 一回目の起動時に行われる設定画面から | スマホのアプリ一覧画面にある「au ID設定アプリ」から | 新機種購入時に発行される |
AndroidスマホとiPhoneのどちらも、各携帯電話会社のID、パスワードの登録を行います。
これはdocomo、au、SoftBankの各社が提供している様々なサービスを利用するために必要なもので、ケータイで今まで使っていたメールアドレス(@docomo.ne.jp、@ezweb.ne.jp、@softbank.ne.jp)を使いたい場合や、料金確認、各種設定変更などを行うのにも必要になります。
3-1. docomo/docomo ID [Android/iPhone]
Androidスマホの場合は、初期設定が終わった次の画面で「ドコモサービス」の設定画面に移る機種があります。そこでドコモのメールアドレスをdocomo IDとして登録を行います。詳しい設定方法はスマホ購入時にもらえる「スマホサポートガイド」と「docomo IDポータルサイト」に載っています。
iPhoneの場合はドコモメールを利用する際にdocomo IDが必要になります。詳しい設定方法はスマホ購入時にもらえる「iPhone・iPadスタートアップガイド」をご確認ください。
3-2. au/au ID [Android/iPhone]
Androidスマホの場合は、「お客さまサポート」から「au ID設定」を選択するとたどり着く「au ID設定・保存画面」で行います。本人確認の暗証番号は契約時に設定された4ケタの数字になります。
「機種別 操作・設定ガイド」に機種ごとの設定方法が載っていますので、そちらで確認しましょう。
iPhoneの場合は、まず「auお客さまサポート」アプリが必要になります。詳しい手順と注意点は「au IDの取得(iPhoneから)-au IDをお持ちでない方-」に載っていますので、そちらをご確認ください。
3-3. SoftBank/MY SoftBank パスワード [Android/iPhone]
docomoやauと違って、SoftBankのMY SoftBankを利用するためのパスワードは契約時にSoftBankから発行されますので、AndroidスマホもiPhoneも特別な設定はありません。
4. メールの設定
ケータイとは違いスマホにはメールアプリ(機能)が複数あります。初めてスマホを購入した人が戸惑いがちなところですので、まずはメールの種類を把握しておきましょう。
また、メールアドレスを引き継ぐ方法を掲載していますので、機種変更した人はそちらをご確認ください。
4-1. メールの種類 [Android/iPhone]
AndroidスマホとiPhoneのそれぞれに用意されているメールの種類を紹介します。
<Androidスマホのメール>
※docomoのAndroidスマホの場合。
1. ドコモメール
docomoのメールアドレス「@docomo.ne.jp」が使えるメールアプリ。ケータイから使っていたメールアドレスは、このアプリで使うことができます。
2. Gmail
Googleのメールサービスアプリです。Googleアカウントの「@gmail.com」アドレスが使えます。また、Yahoo!、Hotmail、iCloudなどその他のウェブメールやPOPアカウントを管理することも可能です。
3. SMS(ショートメッセージ)
携帯電話番号を宛先に使ったメールを送受信できます。メールアドレスを知らない相手と連絡をするのに便利です。
<iPhoneのメール>
大まかに分けると「メッセージ」アプリと「メール」アプリの2種類ですが、メッセージアプリの方は下記1~3のサービスを使い分けられるようになっています。
1. MMS
従来と同じケータイのメールアドレスを使って送受信できます。なお、auのiPhoneは「@ezweb.ne.jp」をMMSかEメールのどちらで使うか選択可能で、docomoのiPhoneはMMS非対応です(「@docomo.ne.jp」を使いたい場合はEメールを使用します)。
2. Eメール
GmailなどのWebメールや自宅のパソコンで使用しているメールアドレスを送受信するときに使います。
3. iMessage
携帯電話番号もしくはApple IDを宛先にした、Apple製品同士でやりとりできるApple独自のメッセージサービスです。SMSとの違いは絵文字と添付ファイル、さらには録音した音声まで送受信できます。
4. SMS(ショートメッセージ)
携帯電話番号を宛先に使ったメールを送受信できます。メールアドレスを知らない相手と連絡をするのに便利。設定不要で使えます。
4-2. 機種変更前のメールアドレスを引き継ぐ方法 [Android/iPhone]
新規でメールアドレスを登録する手順は、スマホ購入時にもらえるガイドブックに詳しくありますので、ここでは機種変更前に使っていたメールアドレス(@docomo.ne.jp、@ezweb.ne.jp、@softbank.ne.jp)を引き継ぐための設定方法をまとめておきます。
docomoからau、auからSoftBankといったように携帯電話会社を乗り換えた場合は、基本的にこれらのメールアドレスは引き継げません。
docomo
⇒Androidスマホの場合
注意点:スマホの初期設定時に行われるdocomo IDの設定画面で、従来のメールアドレスをdocomo IDに設定しましょう。今までのメールアドレスを使うのに必要な「ドコモメール」アプリは、ホーム画面にある「ドコモメール」からダウンロードできます。
⇒iPhoneの場合
注意点:以前のメールアドレスを流用する際は、手順7の「メールアドレスで登録する」項目で既存のメールアドレスをチェックしましょう。
au
⇒Androidスマホの場合(INDEXメニュー:メールを設定する→EZメールの初期設定)
注意点:au電話から機種変更の場合、初期設定を行ったら、以前使用していたメールアドレスが使えるようになっています。
⇒iPhoneの場合(メールアプリで送受信したい場合)
注意点:機種変更時は、特別な設定をしなくてもメッセージアプリで以前使用していたメールアドレスが使えるようになっています。リンク先の手順はそのメールアドレスをメールアプリで送受信したい場合の設定方法ですが、メッセージアプリでも絵文字や添付ファイルの送受信ができるので、特に変更しなくてもいいでしょう。
SoftBank
⇒Androidスマホの場合
機種変更の場合、初期設定以外に特別な設定は必要ありません。機種変更前のメールアドレスの送受信は「SoftBankメール」アプリを使います。
⇒iPhoneの場合
注意点:今までのメールアドレスを引き継ぐのに特別な設定は必要ありません。そのままMMSで使えるようになっています。
5. アドレス帳の移行
機種変更でスマホを購入したら、今までのケータイやスマホで登録してあるアドレス帳のデータを移行させる必要があります。初めてスマホを使う人は難しそうだと思うかもしれませんが、実は思っているよりも簡単です。
しかも、この移行方法はアドレス帳以外に写真などのデータも移すことができたり、データのバックアップにも応用できますので、スマホを利用する上で覚えてきたい操作方法です。
5-1. ケータイ→Androidスマホ、Androidスマホ→Androidスマホへの移行
一番簡単なのはmicroSDカードと各携帯電話会社のバックアップアプリを利用する方法です。「ケータイ→Androidスマホ」の場合では、変更前のケータイのmicroSDメニュー画面からアドレス帳のバックアップを行い、変更後のスマホに最初から入っているバックアップアプリからアドレス帳を復元させましょう。
docomo/ドコモバックアップ、SDカードバックアップ
au/auバックアップアプリ
SoftBank/あんしんバックアップ
5-2. iPhone→Androidスマホ、Androidスマホ→iPhoneへの移行
5-2-1. バックアップアプリを利用する
ここではスマホ間のデータ移行に便利なバックアップアプリ「JSバックアップ」を紹介します。このアプリはiPhone→Androidスマホ、iPhone→iPhone、Androidスマホ→iPhone、Androidスマホ→Androidスマホと、スマホの機種や携帯電話会社の乗り換えを気にせずにアドレス帳のデータの移行を行えるのが特徴です。
使い方はそれほど難しくはなく、変更前と変更後の機種にそれぞれアプリをダウンロードしてQRコードを使ってアドレス帳のデータを移行させるだけです。
文典:JSバックアップ
5-2-2. Googleアカウントで電話帳を管理している場合
電話帳をGoogleアカウントで管理しているのであれば、iPhoneであっても同期するだけで電話帳を移行することができます。同期の詳しい手順はGmailヘルプ、Apple 端末との連絡先の同期にありますので、そちらをご確認ください。
5-3. ケータイ→iPhoneへの移行
自分でアドレス帳を移行する場合は、パソコンとmicroSDカードを読み込むためのリーダー/ライターが必要な上、操作もパソコンやスマホの扱いに不慣れな人にとっては難しいかもしれません。
パソコンを用意できない人や操作に自信がない人は、各携帯電話会社のショップへ相談しにいきましょう。SoftBankであればアドレス帳などのデータを移行させる専用機器が店頭にあります。また、基本的にスタッフからアドレス帳を移すためのアドバイスを受けることができるはずです(個人情報の取扱があるため、スタッフが直接設定を行うことはありません)。
microSDカードを使った移行方法
⇒docomoの場合
⇒auの場合
⇒SoftBankの場合
6. セキュリティ対策
新しくスマホを購入して、電話とメールが使えるまでの設定が一通り完了したら、次に行いたいのがセキュリティ対策です。Android、iPhoneどちらであっても、まずスクリーンロックの設定を行うことを強く推奨します。
また、コンピューターウイルスという言葉を一度は耳にしたことがあると思いますが、これはパソコンだけに限った問題ではなく、特にAndroidスマホにおいて悪意あるソフトウェア(マルウェア)は非常に多く、スマホもセキュリティ対策をしておく必要があるのです。
マルウェアに感染してしまうと、大切なアドレス帳やメールなどの個人情報が盗まれたり、遠隔操作で盗聴されたり、画像を見られてしまうなどの可能性があります。
その他にもさまざなトラブルがありますので、サイト内記事「スマホのウイルスまとめ|被害の深刻さはPCよりはるかに上」「被害に遭う前に!スマホユーザーが今すべきセキュリティ対策」でスマホのセキュリティについて学んでおきましょう。
7. まとめ
この記事で説明した通りに初期設定を行えば、とりあえずスマホを使える状態になっているはずです。まずは普段よく使うであろう電話とメールの設定を完了しておき、慣れてきたら次のステップとしてGoogle PlayやApp Storeでアプリを入手してスマホをカスタマイズしてみましょう。
なお、初期設定で登録したGoogleアカウントをはじめとする各種アカウント、ID、パスワードは、個人情報の根幹です。取り扱いは慎重にしておきましょう。