前島悠子

うどんうどーん♪
さぬき、いなにわ、みなかみ♪
うどんうどんうどーん♪





 お盆に好物の『たぬきうどん』を載せて。



 軽快な『うどんの歌』を口ずさみながら。



 前島悠子まえしまゆうこがいつものテラスにやって来た。



 テラスには天野と涼太、そしてモリアーティの姿があった。



前島悠子

あぁぁー!
定食ていしょくちゃん』だ!



 前島が嬉しそうに叫んだ。


 うどんをテーブルに置き、満面の笑顔でモリアーティに手を伸ばす。


前島悠子

定食ちゃん!
会いたかった!
お姉ちゃん会いたかったよ!
元気してた!?


 無理やり抱き上げて頬をこすりつける。


 モリアーティは不服そうな表情だ。


 きっと前島の化粧メイクの匂いが好みではないのだろう。


 じたばたともがいている。


 その様子を見て天野が言った。


天野勇二

おい弟子よ……。
前にも注意したが、その『定食ちゃん』という呼び方をやめろ。
モリアーティのことをクソダサい名前で呼ぶんじゃない。

前島悠子

別にダサくありませんよ。
可愛い名前じゃないですか。
よく学食に来るんだから『定食ちゃん』でいいんです。
むしろ師匠以外の学生はみんなそう呼んでますよ。


 暴れるモリアーティをテーブルに解放。


 モリアーティは「むすっ」とした表情を浮かべていたが、前島が鞄から『チューブ状のおやつ』を取り出したのを見て、ころっと態度を変えた。


 甘えるような声で鳴く。


モリアーティ

ナーオ……。
ナァーオ。

前島悠子

はいはい。
定食ちゃんのおやつですからねぇ。
たっぷり食べるんだよぉ。
定食ちゃんはきゃわゆぃなぁ。

モリアーティ

フニャ……。
ウニャウニャ……。


 尻尾を垂直に立てながら『おやつ』を頬張っている。


 天野は呆れたように言った。


天野勇二

チッ……。
本当にくだらねぇ名前だ。
センスの欠片も感じられない。
いったいどこの誰がそんな呼び方を広めたのか。
説教してやりたいものだな。


 涼太が「ビクッ」と肩を揺らす。


 前島はそれに気づかず頬を膨らませた。


前島悠子

いやいや……。
前から思ってましたけど、師匠の『ネーミングセンス』もどうかと思いますよ?
なんですか『モリアーティ』って。
こんなに可愛いふわんふわんの女の子なのに『モリアーティ』って。

天野勇二

何がダメなんだ。
モリアーティっぽいじゃないか。
コイツも気に入っているはずだぞ。

前島悠子

絶対に気に入ってませんよ。
そもそも、モリアーティって『ホームズ』に出てくる「教授」のことですよね?
めっちゃ悪役じゃないですか。
しかも「うちの大学教授」を連想しちゃうんですよねぇ……。
ちっともいいイメージがありませんよ。


 前島がげんなりした表情で呟く。


 天野は素直に頷き、「それも一理いちりあるな」と感じた。


 天野が通う大学の教授は、殺人犯だったり、不倫していたり、裏口入学を斡旋していたりと。


 驚くほどのクズが多い。


天野勇二

だがなぁ……。
俺は『モリアーティ』が一番しっくりくるんだ。
それ以外の名前がピンとこない。

前島悠子

そんなの私だって同じです。
『定食ちゃん』がしっくりきますよ。

天野勇二

せめて本名で呼ぶのはどうだ。
コイツには瑠璃るりという立派な名前があるぜ。

前島悠子

……本名?
なんで師匠が本名を知ってるんですか?

天野勇二

飼い主と知り合いになってな。
これがなかなかファンキーなばあさんなんだ。
自宅をとんでもない『猫屋敷』に改造しやがって……。


 天野がそこまで言った時。


 テラスの階段を上がる足音が響いた。


 誰かがテラスにやって来る。


 天野が何気なく入り口を眺めると、



二階堂一成

……天野くんに佐伯くん。
久しぶりだね。



 弁護士の二階堂にかいどうが現れた。


 西園寺祥子さいおんじしょうこに雇われている顧問弁護士だ。


 天野は両手を広げると、偉そうに言い放った。


天野勇二

二階堂さんか。
すまないな。
わざわざ大学までご足労いただくとは。

二階堂一成

気にすることはない。
これは今の僕にとって、最も重要な仕事だからね。

佐伯涼太

どうも二階堂さん。
祥子さんと瑠璃ちゃんはお元気ですか?

二階堂一成

どちらも元気にやっているよ。
祥子さんは足のリハビリも始めてね。
これも君たちのおかげと言えるだろう。


 前島は瞳をぱちくりとさせながら、天野たちと二階堂の会話を見つめた。


 いったい何者だろう。


 見たことのある顔ではない。


 困惑する前島を見て、天野が言った。


天野勇二

こちらは俺様の弟子……というか、大学の後輩だ。
前島よ、弁護士の二階堂さんだ。
ちゃんと自己紹介しろ。

前島悠子

……あっ、はい!
はじめまして!
私は前島悠子と申します!
師匠の弟子をやってます!


 前島が慌てて頭を下げる。


 二階堂はその姿を見て眉をひそめた。


二階堂一成

……前島悠子?
君はもしかして、タレントの前島さん……?

前島悠子

はい!
そうです!
私のことご存知なんですか!?

二階堂一成

あ、ああ……。
息子がファンでね。
いや驚いた。
この大学に通っていたのか。
これは息子にいい自慢ができそうだ。


 二階堂がどこか照れ臭そうに微笑む。


 それでも小首を傾げながら呟いた。


二階堂一成

……だけど『弟子』とはなんだい?
『師匠』というのは、天野くんのことを……。

天野勇二

細かいことを気にするな。
本題に入ろう。
『あの女』のことを調べてくれたのだろう?

二階堂一成

あ、ああ……。
そうだな。


 二階堂は鞄から何枚かの資料を取り出した。


 ちらりと前島を眺める。


二階堂一成

……これは彼女に聞かせてもいいのか?

天野勇二

問題ない。
アイツは俺の本性を知っている。
むしろ聞かせたほうが都合がいいね。

二階堂一成

そうか……。
まぁ、君がそう言うなら構わないが。


 こほんと軽く咳払いして。


 二階堂は天野に語り始めた。


二階堂一成

『柊千紗』の過去を調べた。
なかなか壮絶そうぜつな人生を送っている女性だったよ。
上京したのは10代後半。
どうも家族を亡くしてしまったようでね。
水商売を転々とした後、西園寺さんに拾われたようだ。


 天野は軽く頷きながら資料を眺めた。


天野勇二

ふぅん……。
交通事故で一家離散か……。
地元にも行ってみたのか?

二階堂一成

ああ、そうだ。
当時の知人に話を聞いてみたよ。

だけど、彼女の評判は驚くほどバラバラなんだ。
とても優しいと評価している人間もいれば、心底毛嫌いしている人間もいる。
おまけに美人局つつもたせ『援助交際』をしていた噂まで耳にしてね。
正直どんな人物なのか、まるで掴めなかったね。

天野勇二

『カメレオン』のような女だな。
無数の顔を使い分けていたのか、それとも単純に本性を隠していたのか……。
現時点では読めんな。

あなたが世話になった西園寺の『愛人』だった過去もある。
恐らく会ったことがあるだろう?
顔を覚えていなかったのか?


 二階堂は苦しげに言葉を吐いた。


二階堂一成

君も男だから理解してほしいんだが……。
西園寺さんは昔から女遊びが激しくてね。
愛人は1人ではなかったし、どれも派手な女性ばかりだったんだ。
今の柊千紗とはまるで面影が違った。
さすがに気づけなかったね。

天野勇二

そうか……。
だが、向こうは違ったはずだ。
あなたのことも覚えていただろう。

二階堂一成

間違いなく覚えていただろう。
小暮こぐれくんも『どこかで会ったような気がする』と言っていたからね。
もしかすると、祥子さんに接近したことがあるのかもしれない。

天野勇二

なぜ西園寺との『愛人契約』が解消されたのか。
それも調べてくれたか?

二階堂一成

もちろんだ。
当時の資料を確認したんだが………。



 前島は小首を傾げながら、天野と二階堂の会話を眺めた。


 2人は真剣な表情で『柊千紗』という女性について話し込んでいる。


 いったいどんな人物なのだろう。


 小声で涼太に声をかける。


前島悠子

……あの、涼太さん。
ちょっといいですかね。

佐伯涼太

うん?
どったの?

前島悠子

師匠と二階堂さん……。
誰のことを話しているんですか?

佐伯涼太

ああ、ちょっとやばめのガールとエンカウントしちゃってね。
面倒なことになりそうだから、弁護士さんと同盟どうめいを組むことにしたんだよ。

前島悠子

同盟?
やばめのガール?
なんですかそれ?

佐伯涼太

話せば長くなるんだけどね。
前島さんも関わる話になるかもしれないから、軽く説明しておこうか。



 涼太は簡単にこれまでの経緯いきさつを語って聞かせた。


 天野がモリアーティから『エメラルドキャッツアイ』を受け取ったこと。


 首輪に仕込まれていた手紙のこと。


 柊千紗と出会い、飼い主である西園寺祥子を見つけ出したこと。


 宝石をめぐるゴタゴタのこと。


 そして、柊千紗を罠にハメたが、逮捕にはいたらなかったことまで。



前島悠子

………えっ?
ど、どういうことですか?
逮捕されなかったんですか?
だって殺人未遂さつじんみすいですよね?


 前島が仰天して尋ねる。


 涼太は肩をすくめながら頷いた。


佐伯涼太

そうなのよ。
明らかな殺人未遂だったのに、警察は柊さんの身柄を拘束こうそくしてくれなかったの。
『事件』にすることを嫌がったんだね。
僕たちが隠し撮りした『証拠』に事件性を見出さなかった、とも言えるかな。

前島悠子

はぁぁ!?
なんですかそれ!?
師匠をナイフで刺したのに!
現行犯で『私人逮捕しじんたいほ』もできる状況じゃないですか!

佐伯涼太

だよねぇ?
どう考えてもおかしいよね?
しかも速攻かつ不意打ちで刺してきたんだよ。
同じような手段でハメた犯罪者は何人かいるけど、あそこまで躊躇ちゅうちょなく殺してくる人は初めて見たね。

前島悠子

すんごい凶悪犯じゃないですか。
しかも『前科』まであるのに。
どうして逮捕に至らなかったんですか?

佐伯涼太

いくつか理由があるよ。
一番の理由は、僕たちの『日頃の行いが悪かった』ってことだろうねぇ……。


 涼太はげんなりとため息を吐いた。


 さめざめと言葉を続ける。


佐伯涼太

どうも警察はガチで『天才クソ野郎』を嫌ってるみたいでさ。
もしかすると『半グレ』だと思ってるのかも。
柊さんの犯行よりも、僕たちの『隠し撮り』のほうが違法性が高いって判断したんだ。

前島悠子

『隠し撮り』が?
これまでは証拠になってたじゃないですか。
何がダメだったんですか?

佐伯涼太

まず『場所』が悪かったね。
アパートの庭からの隠し撮り。
不法侵入してることになるから、証拠能力が弱くなっちゃうんだ。

しかも『第三者』を用意してなかった。
そもそも柊さんは地味で無害そのものって感じの女性。
警察は僕たちが『柊さんをおとしいれようとしている』って判断したんだよ。


 前島も深いため息を吐いた。


 確かに天野たちの素行そこうは悪すぎる。


 10代の頃には補導歴ほどうれきがあり。


 殺人犯として指名手配されたこともあり。


 何度も暴力沙汰ぼうりょくざたを起こしていて。


 犯罪者なんてほとんど『半殺し』にして警察に突き出している。


 そんな連中が「殺されかけた」と言って一般人を突き出しても、まともに扱ってもらえるはずがないのだ。


佐伯涼太

今思うと、ちょっとばかり詰めが甘かったねぇ……。
僕も勇二もあそこで『殺人未遂』の場面が撮れるとは期待してなかったんだ。
それに柊さんが『現在進行形の事件の犯人ではない』ことも大きかったね。

前島悠子

なるほど……。
もし世間を賑わせている事件の犯人であれば、話は別だったかもしれないんですね。

佐伯涼太

そういうことだね。
僕たちが彼女を『凶悪犯』だと想定していても、警察はそんなこと考えちゃいない。
勇二も軽傷だったし、大騒ぎするほどのことじゃないって考えるのも無理はないんだ。
それでも『刑事事件』にはしてくれると思ったんだけどなぁ。

前島悠子

その後、柊さんはどうなったんですか?
師匠と涼太さんがこっそりお仕置きしたんですか?


 涼太は苦い表情で首を横に振った。


佐伯涼太

そんなヒマはなかったよ。
柊さんはすぐさま逃亡しちゃってさ。
今は完全に行方不明なの。

前島悠子

ゆ、行方不明!?
それっていいんですか!?
執行猶予中なのに!

佐伯涼太

もちろん良くないよ。
ただ、保護観察ほごかんさつ付きの執行猶予じゃなかったからね。
別に失踪しっそうしても罪に問われることはないんだ。


 涼太は深く息を吐いた。


 いつの間にか天野と二階堂の会話が終わっており、涼太と前島を渋い表情で眺めている。


 涼太は2人に訴えるように言った。


佐伯涼太

正直さ、僕は怖いよ。
あれだけの女性がこれで諦めるとは思えない。

僕たちは『柊千紗』という凶悪犯を刺激したのかもしれない。

何より祥子さんの『宝石』が狙われるんじゃないか……。
それが一番心配だよ。


 天野は険しい表情で頷いた。


天野勇二

あの女は『私の宝石を諦めたくない』と告げていた。
ばあさんの宝石は自分のものだと、本気で思い込んでいるんだ。
イカれたサイコパスだよ。
今回のたくらみは潰してやったが、次があると想定して準備すべきだろうな。

二階堂一成

ああ、その通りだ。
最大限の警戒態勢を整える。
祥子さんの資産をあんな女に渡せるものか。


 拳を握りながら二階堂が呟く。


 しばしの間、テラスを重苦しい沈黙が包んだ。


 天野はタバコに火をつけながらヘラヘラと唇を歪めた。


天野勇二

まぁ、訪れてもいない未来を恐れても仕方ない。
今はクズ女の計画を阻止そしできたこと。
それを喜ぶべきだろう。

佐伯涼太

そうだね。
勇二が首を突っ込まなければ、祥子さんはマジで危なかったかもしれない。
グッジョブだったよね。

二階堂一成

次は僕が祥子さんをお守りする場面だ。
僕の目が黒い内には、どんなやからにも手を出させない。
それでも何かあった時には、天野くんたちの協力を得られることができれば幸いだ。

天野勇二

構わないぜ。
俺様は『学園の事件屋』だからな。
依頼はいつでも大歓迎だ。
報酬さえ用意してくれれば、それなりの働きを見せてやろう。


 天野が偉そうにタバコの煙を吐き出す。


 二階堂はその顔を頼もしげに見つめた。


 どこか気まずそうな咳払いをひとつ。


 そして、ゆっくり手を差し出した。


二階堂一成

天野くん……。
君には数々の無礼を働いた。
本当に申し訳なく思っている。

とにかく今は感謝しかない。
君がいなければ、祥子さんがどうなっていたのか。
想像するだけで恐ろしいよ。

天野勇二

いや、態度が悪かったのは俺のほうさ。
あなたに様々な厄介事やっかいことを押しつける形になってしまったが……。
ばあさんとモリアーティのこと。
よろしく頼んだぜ。


 2人が握手を交わす。


 二階堂は立ち上がると、どこか優しげな笑みを浮かべた。


二階堂一成

何か困ったことがあれば相談したまえ。
どうも君は『トラブルメーカー』のようだからね。
きっと力になれるだろう。
もちろん、そんな日は訪れないことを願っているが。


 そう告げて二階堂はテラスを去った。


 前島がモリアーティをあやしながら言った。


前島悠子

色々と心配事はありますけど……。
とりあえず良かったですね。
弁護士とのコネクションなんて、『天才クソ野郎』の良い武器になりそうじゃないですか。

天野勇二

そうだな。
いつか手に入れたいと考えていたコネのひとつだ。
うまく恩を売れたものだよ。
苦労したかいがあった。
やはり俺様にかかれば全てうまくいくんだな。


 天野は悪い笑みを浮かべながらタバコの煙を吐き出している。


 前島は一瞬、「もしかして……。弁護士とのコネを作るために、祥子さんを救おうとしたのかな?」と思ったが、まさかそんなことはないだろう。


 クソ野郎だって『善行』を積み重ねたい時がある。


 きっとそうだ。


 そんなことを思いながら言った。


前島悠子

不思議な話ですよね。
天才クソ野郎と、資産家のおばあさんと、弁護士さんと、凶悪犯の女性まで……。
1匹の猫からこんなえんが結ばれるなんて。

しかも、それによって飼い主を救ったんですよね。
とっても偉い猫ちゃんですよ。


 天野は苦笑しながらモリアーティを眺めた。


 前島の『おやつ』を平らげて満足したのだろう。


 今はテラスの床でのんびり毛づくろいをしている。


天野勇二

ああ、まったく大した猫だ。
まるでモリアーティの肉球の上で踊っていたかのような気分だよ。

きっとコイツは全てを見抜いていたんだ。
俺様に近づき、あえて『エメラルドキャッツアイ』を運んでみせる。
それが自分を拾ってくれた『飼い主』を救う行為になると理解していた……。


 天野はじっとモリアーティを見つめた。


 ふわふわの優雅な毛並みを蓄えた猫。


 それが天野の視線に気づき、じっと見つめ返す。


モリアーティ

…………


 ビー玉のような真ん丸の瞳。


 まるで何かを問いかけているかのようだ。


 天野は首を振りながら呟いた。


天野勇二

……いや、もしかすると……。

あれは『学園の事件屋』である俺様への『依頼』だった、ということなのか……?

依頼だからこそ、報酬として『エメラルド』を差し出した。
お前は初めから『天才クソ野郎』のことを認識していたのか……?

モリアーティ

…………


 モリアーティは何も答えない。


 黙って天野を見上げるだけだ。


天野勇二

……フフッ。
さすがにそれは考えすぎか。
猫がそこまで賢い生き物であるはずがない。


 天野が呆れたように呟いた時。


 前島が名案とばかりに声をあげた。


前島悠子

……そうだ!

私を瑠璃ちゃんのご自宅に招待してください!
なんかすんごい『猫屋敷』なんですよね!?
SNSで瑠璃ちゃんの可愛さと『猫屋敷』をアピールしますよ!

そうすれば、ちょっとだけ有名になるかもしれません!
テレビや雑誌で取り上げられたりするかも!

天野勇二

なるほど。
あえてメディアに露出させることにより、西園寺邸の認知度を高めるのか。
基本的に詐欺師や泥棒とは、世間的に有名な家を避ける傾向がある。
柊千紗への牽制となるワケだな。

前島悠子

そういうことです!
芸能人パワーをフル活用しましょう!
以前、猫雑誌のインタビューを受けたこともあるんです!
雑誌の編集者さんも紹介できますよ!

天野勇二

いいじゃないか。
悪くない記事になりそうだ。
テレビ番組のロケ現場としても使えないか?
なかなかセンスのいい庭があるんだ。

前島悠子

ロケでも使っていいんですか!?
それならやりましょう!
私には冠番組かんむりばんぐみだってありますから!



 2人が楽しげに計画を練り始めた。


 テラスに響くクソ師弟の喚声かんせい


 涼太はその様子を見ながらため息を吐いた。


佐伯涼太

まったくもう……。
祥子さんの許可も得ないで、あんな話なんかしちゃって……。
あとで怒られても知らないからね。


 苦笑しながらモリアーティに尋ねる。


佐伯涼太

君は本当にあれで良かったの?
住み家が『クソ師弟コンビ』に荒らされちゃうよ。
抗議するなら今のうちだからね。
本当に大丈夫?

モリアーティ

ニャーオ。

佐伯涼太

うわっ!
鳴いた!
めっちゃいいタイミングで鳴いた!
うぷぷ……。
さては君もちょっとした『天才クソ野郎』なのかな?


 楽しげにモリアーティの額を撫でる。


 モリアーティは瞳を細めながら、テラスではしゃいでいる天野たちの姿を眺めていた。








(おしまい)






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つばこ

ご愛読いただきありがとうございます。
何かひとつでも心に残るものがあれば幸いです。
 
謎の波○似(波平じゃないぞ)の女性こと、柊千紗ちゃん。
もう一度、天野くんと対峙することはあるのかな?
『トリックメイカー』とコンビを組んだりしたら恐ろしいことになりそうですね( *`ω´)グフフ
 
 
さて、それはそれとして次回から新しいエピソードが始まります!
妹の桃香ちゃんに胡桃ちゃんが『義妹』であることを告げようとする天野くん。
しかし、そんな時にとんでもない事件が発生してしまい……。
今回はちょっとほのぼの系(?)のエピソードだったので、久々に野蛮&残虐なバイオレンス天野くんに登場いただこうかな、と思ってます!
 
それでは次週土曜日、
『彼女を上手に救出する方法』
にてお会いしましょう。
 
つばこでした!ヾ(*´∀`*)ノ

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コメント 23件

  • たいちょう

    ほのぼの系…?

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  • 佐倉真実

    ほのぼの系…?

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  • ゆう

    読み返してたけどどうみてもほのぼの、、、系、、、?

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  • カボルイス世ハピ天クソ契約

    天野くんのコネがこれで芸能界、病院、警察、外務省、弁護士と中々に盤石になってきたな。笑
    まぁ所々あまりあてにはできない場面もあるけども…

    やるなー柊千紗。なんというか、躊躇がない。1番トリックメイカーが欲しいコマかもね。間違いなく今後絡んでくるだろうな…

    てか天野くん達そんな危険人物扱いされてんのな…
    とはいえこんなガッツリな証拠があったらかなり強い法的な力があるとは思うんだけど…見た目は地味でもとんでもない即決だったじゃん…見た目に騙されるなよ警察…

    次回はバイオレンスかぁ、今回ほのぼの…うん…まぁほのぼの…か…(¬∀¬;)
    バイオレンスな天野くん楽しみぃ!!!

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  • らおりん



    やはり警察はゴミ^^

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