はじめに

文系の皆さんがAI人材になるためのノウハウを投稿していきます。今回は「AIでできることを」を一緒に考えていきたくさんのアイディアを集めていきます。様々な視点から量産されたアイディアの中には金の卵が含まれているかもしれません。それでは、AIでできることややるべきことを挙げてみまししょう

AI企画の「解像度を上げる5W1H」

感性と論理の両面のアプローチがAI企画にとって重要であるとお話をしてきましたが、AI企画を深掘りして、計画の解像度を上げるための具体的なステップを続いて紹介していきます。AI企画を詳細化する大きなステップは5W1Hで表すことができます。

AI企画を量産しとにかくアイデアを出した段階においては、それらのAI企画はまだまだ解像度が低い状態です。この5W1Hを具体化することによって、AI企画をぼんやりとしたものでなく、解像度が高い状態にすることができます。解像度が高くなればなるほど、関係者の理解も進んだり、プロジェクトのリスクや不確実性を浮かび上がらせることもできるようになります。

  1. WHO:誰のためのAI?
    ・顧客
    ・取引先
    ・従業員
  2. WHY:なぜAIが必要?
    ・マイナスを減らす(不満、コスト、作業時間)
    ・プラスを増やす(利便性,売り上げ、仕事の付加価値)
  3. WHICH:どのタイプのAI?
    ・AIの8タイプのどれか?
  4. WHAT:どんなAI?
    ・AIの名称
    ・AIができること
    ・AIによって解決されること
  5. HOW:どう分業する?
    ・人中心
    ・AI中心
  6. WHEN:いつまでにどう用意する?
    ・構築積みサービスを利用する
    ・AIを自作で作る

WHO:誰のためのAI?

AI企画の解像度を上げる際に、まず「誰のためのAI?」から定義していきます。企業視点でいくと、まず大きな枠組みとして「顧客」「取引先」「従業員」の3つのうちだれを対象としたAIにするのかを定めます。

  • 顧客のため
  • 取引先のため
  • 従業員のため

to C(Customer / 顧客)、to B(Business/ ビジネスの取引先)、to E(Employee/ 従業員)とも言い換えることができますが、これら企業が抱えるステークホルダー(利害関係者)の誰を対象とするかを決めましょう。

to C, to B, to Eのイメージ図

顧客「取引先」「従業員」のいずれかの対象に絞ったとして、さらに対象をフォーカスしていきます。たとえば「顧客」を対象としたならば、顧客の中でも特にどういった人にAIによる価値を提供したいのか、どの人の課題や不便を解決したいのか?を明確にしていきます。「コールセンターに問い合わせをしてくださる昔からのお客様」や「商品を買うのに迷っているお客様」などのレベルで想定しておくのもよいでしょう。

「取引先」であれば、「新規の取引先企業」や「取引先の中の取り扱い上位20%の企業」など、重要な企業ヘフォーカスをするのもよいでしょう。

また、「従業員」のためのAIを企画する場合は、「誰のためのAIなのか」をよりていねいに考えましょう。従業員のためのAIを導入した場合、AIとの共働きの考え方をお伝えしたように、AIによって人の働き方が大きく変わることがあります。特に代行型AIは、現従業員の仕事の一部もしくはすべてを担うことがありますので、その点も想定した上でプランニングを進めましょう。

また、公共施設や学校、その他企業以外のためのAI企画の場合でも、各組織の関係者のうち、誰を対象にAIを提供するのかを起点としてプランニングを始めましょう。

WHY:なぜAIが必要?

企業の場合の「顧客」「取引先」「従業員」の大きな区分やさらに詳細な対象者のフォーカス、もしくは企業以外の場合の対象者の選定を行なった後は、「なぜAIが必要?」を考えていきます。

「誰のために」×「なぜ?なんのために」AIを使うのか?

というように、かけ合わせて考えるのがよいです。すると、「なぜ」がはっきりしてきます。

  • 顧客の不満を減らすために
  • 顧客の便利を増やすために
  • 取引先企業のコストを下げるために
  • 取引先企業とのビジネスの売上を増やすために
  • 従業員の作業時間を減らすために
  • 従業員の仕事の付加価値を上げるために

また、「マイナスを減らす」「プラスを増やす」という現状に対する変化の考え方では当てはまらないような、たとえば「新しいものをゼロから作りあげる」といったような発想で企画するのもよいでしょう。

誰のために、「なぜ?なんのために」AIを使うのかを企画していくわけですが、そもそも課題を解決するために、「AIでないとダメなのか?」も再度考えておきましょう。AIよリも優れた解決法があるかもしれません。AIありきで考えすぎずに、たとえばルールベースのプログラミングのほうが簡単でアウトプットも優れているのであれば、そちらを採用すべきでしょう。マイナスを減らすであれ、プラスを増やすであれ、期待される変化量が小さければ、AIの出せる価値が小さいということになります。AIの導入によって変化量が大きくなるお題を探しましょう。もしAIを導入しても変化量が小さいと判断される企画であれば、企画段階で実施を見送ることも必要です。AIを入れることを目的化せずに、「なぜAIが必要か?本当に必要なのか?」を自間自答しながら企画を練っていきましょう。

大きな社会課題や企業課題、多くの人の不便を解消するために、AIが活用できることがわかれば、そのAI企画はたくさんの支持を集め、実現に向けて多くの人から背中を押されるでしょう。ですので、できるだけ大きな変化量を生み出せるAIを企画するくいうことを心がけてください。企業や社会の中での課題の大きさや優先度を加味して、AIという新しいテクノロジーを使うことで解決すべき内容の精査を行ないましょう。企業内や社会の中での重要度·緊急度が高い課題で、かつ生み出せる変化量が大きいテーマを探し出してください。

まとめ

いかがったでしょうか。次回もAIの解像度をあげる5W1Hについて解説していきます。「AI企画の流れ」について知りたい方は以下の記事でより詳しく解説しています。