はじめに
文系の皆さんがAI人材になるためのノウハウを投稿していきます。今回はAIの作り方を学んでいきます。「そもそもAIはどんなものか」について知りたい方は「AI作成の流れ」を把握、「AI企画」をスムーズに進行させるためにをご参照ください。
予測系AIはどのように作られるのか
予測系AIは次のようなステップで作ることになります。それぞれ順に見ていきます。
企画
- AIプランニング
- 目的変数/説明変数の定義
データ作成
- 学習データ準備
- データ前処理
学習
- AIモデル構築
- AIモデル精度検証
予測
- AIモデル実行
- 運用·再学習
#4では予測について解説していきます。
「予測」の方法を理解する
AIモデル実行
AIモデルの精度の検証が終わったら、晴れてAIモデルを実行することになります。学習時に利用した説明変数の項目をCSVなどのデータとして用意し、未来の目的変数を予測します。
運用·再学習
構築できたAIモデルは、システムに組み込むなどして運用していきます。運用していくにあたって、AIモデルの予測精度が落ちていかないかを定期的にチェックし、もし予測精度が著しく落ちた場合は、再学習させます。学習データが古くなっていくと、最新の状況に合わなくなってくることがありますので、直近のデータを学習データとして用意します。
以前に学習させた古いデータと新しいデータを差し替えてAIに再度学習させ、AIモデルの再出力を行ないます。また、新しいデータによる学習でも精度が上がらない場合は、説明変数の見直しも行ないます。
|補足|「AI構築環境」が発達して何が変わったのか?
予測系AIモデルの作り方を、「GUIベースのAI構築環境」を例に解説してきました。「GUIベースのAI構築環境」のようなAI構築環境が発達して何が変わったのでしょうか。「スクラッチでAIを作る」手順を見ながら、その変化を知っておきましょう 。
「スクラッチのAI構築環境で作る」場合の対応範囲
「スクラッチでAIを作る」には、次のようなことをほぼゼロから自分で行なわなければいけませんでした。
- AI用の開発環境の用意
- AI用コードを書く
- 本番公開用インフラ構築と運用
もちろん利用できるライプラリなどは以前からもありましたが、AIを本番に公開するまでの道のりの中で、とても広範囲なことを行なわなければいけず、高い専門性と広い知識をもたないと対応が難しいものでした。
「コードベースのAI構築環境」を利用することにより、構築環境内での各種操作によって、スクラッチで作る場合に必要だった作業を減らすことができ、AI用のコードを書くことに時間を投じることができるようになりました。
「コードベースのAI構築環境で作る」場合の対応範囲
- AI用コードを書く
- AI構築環境内での各種操作
また、「GUIベースのAI構築環境」の登場によって、「コードベースのAI構築環境」で行なっていた「AI用のコードを書く」作業が不要となりました。代わりにGUIを使って、ドラッグ&ドロップやクリックによって作業を行なうようになったのです。
「GUIベースのAI構築環境で作る」場合の対応範囲
- GUIを操作する
- AI構築環境内での各種操作
このように、AI構築環境は以前までは理系AI人材(データサイエンティストやAIエンジニア)が行なっていた、AIのアルゴリズムの選定や比較検証といった作業や、AI構築や運用のためのシステム構築などを簡単に行なえるようにしたり、時には完全に自動化したりしてくれるようになりました。ゼロからスクラッチでAIを構築することが少なくなり、AIを「作る」作業が多くの人にとって、よりカジュアルなものになってきているのです。また、「GUIベースのAI構築環境」は必ずしも理系AI人材でなくても扱えるようになってきており、文系AI人材のみでAIモデルを作ることも今後はより増えてくることになり
そうです。
ライブラリ
汎用性の高い複数のプログラムを再利用可能な形でひとまとまりにしたもの
まとめ
予測では古いデータと新しいデータを差し替えてAIに再度学習させ、AIモデルの再出力を行なうことを学びました。
以上で予測系AIの作り方は終わりです。これまで、
- AIプランニング
- 目的変数/説明変数の定義
- 学習データ準備
- データ前処理
- AIモデル構築
- AIモデル精度検証
- AIモデル実行
- 運用・再学習
と、8つのステップを見てきました。これで予測系AIの作り方の全容を理解いただけたことになります。実際にどんなデータを使って、どのような手順で学習させるのかの理解が進んだのではないでしょうか。AIモデルの作り方については、モヤモヤした霧のようなものが晴れているならとても嬉しいです。
次回からは識別系AIの作り方について解説していきます。「予測系AI」「識別系AI」「会話系AI」「実行系AI」については、以下の記事でより詳しく解説していきます。