人気の動画を見られるアプリを入れたら、迷惑メールが急激に増えた…。身に覚えがあるなら、もしかするとあなたの使っているスマートフォンは、不正アプリによって個人情報が盗まれたかもしれません。
年々、スマートフォンを狙った犯罪は増加する一方。その中でも特にAndroid端末を狙った不正アプリには注意が必要です。
とはいえ、スマートフォンを狙う不正アプリの脅威を阻止する方法がないわけではありません。信頼できるセキュリティアプリをインストールすることで、スマホは安心して利用できるようになります。
ここではセキュリティアプリの機能と間違いのない選び方を解説していきます。おすすめのセキュリティアプリも掲載していますので、まだインストールしていない方は、その中からどれか1つを選んで使ってみることを推奨します。
あわせて、「iPhoneにセキュリティアプリって必要なの?」と疑問を抱いているiPhoneユーザーに向けて、iPhoneのセキュリティアプリについても解説していきます。
1.不正アプリが増殖中の今、セキュリティアプリは必須!
1-1.スマホを狙っている脅威
人気ゲームや便利ツールなどの魅力的なコンテンツに見せかけた悪意あるスマートフォンアプリ(以下、不正アプリ)によって、スマートフォンの電話帳に登録した個人情報(氏名、電話番号、メールアドレス)が盗まれる被害が多発した時期がありました。
この不正アプリによって個人情報が漏洩してしまうと、あなた自身だけでなく、電話帳に登録された知人がスパムメールの標的にされてしまう恐れがあります。
また、スマホを使ってインターネットを利用している限り、Android、iPhone問わず次のような被害に遭う可能性も。
ワンクリック請求
直接アクセスしたり、メールに記載されたURLをクリックするなどして表示したページに、偽りの取引契約画面が出て、一方的に多額の料金支払いを求める詐欺。
フィッシング詐欺
実在の金融機関やクレジットカード会社、ショッピングサイトなどそっくりに作った偽のWebサイトに誘導、暗証番号などの重要な情報を盗み出そうとする
このような様々な脅威を回避する対応策として、セキュリティアプリは効果的です。セキュリティアプリを入れ、最新の状態に保っておけば、不正アプリのインストールや悪意のあるサイトとの接触を事前に食い止められる場合があります。
1-2.Androidの不正アプリは数千万も存在
AndroidユーザーとiPhoneユーザーとでは、不正アプリの危険性が高いのは断然Androidユーザーです。Android端末を狙った不正アプリは約千万存在し、現在も増えています。
なぜAndroidの不正アプリが増え続けているのかというと、それはAndroidアプリの開発の自由さと、「Google Play(Android公式アプリ公開サイト)」の審査の甘さ、安全審査のない非公式サイトの存在が挙げられます。
一方、iPhoneはAndroidに比べて安全性が高いといわれています。iOSのアプリの全てはAppleが厳しい審査を行ない、公式アプリ入手サイト「App Store」には不正なものが登録される可能性は低いからです。通常、iPhoneユーザーがアプリを入手する方法はApp Storeしかないため、iPhoneユーザーを狙った不正アプリは現在ごく少数しかありません。
1-3.【Android/iPhone】セキュリティアプリの機能詳細
機能 | 内容 |
不正アプリ対策(マルウェア・情報漏洩対策) | |
ダウンロードのブロック | GooglePlayからアプリをダウンロードするときに不正アプリを検出してブロック。また、ダウンロードをする前にアプリの安全性をアナウンスしてくれる機能も |
リアルタイム検索 | アプリインストール直後に、自動的にアプリをスキャン |
手動検索 | 本体およびメモリーカード内のファイルを選択して、手動でスキャン |
SDカードスキャン | SDカード内のファイルをスキャンできる |
パターンアップデート | マルウェア検索に必要なパターンマッチング用ファイルをアップデートする |
不正アプリクリーナー | 通常のアンインストールでは削除できない不正アプリを削除する |
アプリ権限チェック | インストールされたアプリが、端末のどんな機能や情報にアクセス、送信するかをチェック |
Web脅威対策(セーフブラウジング) | |
不正Webサイトへのアクセスブロック | Webサイトの安全性を判定して、不正なWebサイトへのアクセスを遮断 |
有害サイト規制 | 未成年に有害なサイトのアクセスを規制 |
パスワード設定 | 有害サイト規制にパスワードを設定 |
迷惑SMS(ショートメッセージ)/迷惑着信対策 | |
着信 | 迷惑電話の着信を拒否 |
SMS | 迷惑SMSの受信を拒否 |
盗難/紛失対策 | |
リモートロック | 離れた場所にある端末内のデータをロック |
リモートデータ消去 | 離れた場所にある端末内のデータを消去 |
リモートアラーム | 離れた場所にある端末のアラーム音を鳴らす |
端末の捜索 | GPS機能を使って端末の位置を地図上に表示 |
SIMカード保護 | 端末をロックしてSIMカードの悪用を防止 |
その他 | |
その多機能 | Facebookのプライバシー設定の安全性判定。端末の最適化(バッテリー消費量を抑える、メモリ最適化など)。バックアップ機能 |
セキュリティアプリに搭載されている代表的な機能です。Android向けのセキュリティアプリには不正アプリ対策、Web上の脅威への対策、迷惑SMS/迷惑着信対策、盗難/紛失対策といった機能が揃っています。
iPhoneには不正アプリをリアルタイムで検出・削除する機能が入ったセキュリティアプリは出ていません。おもに盗難/紛失対策やバックアップ機能を搭載したセキュリティアプリが流通しています。
2.【Android/iPhone】間違いないセキュリティアプリの選び方
2-1.実績のあるアプリを選ぶ
すでにパソコンのセキュリティソフトを継続してリリースしている、実績のある会社のソフトを選ぶべきでしょう。外見はセキュリティアプリですが、実体は個人情報を盗み取る不正アプリだったケースがありました。
2-2.信頼できるサイトからダウンロードする
Android端末のアプリは公式サイトのGoogle Playからダウンロードすることを推奨します。非公式のアプリダウンロードサイトには不正アプリが多く潜んでいて、有名なセキュリティアプリを模した「偽アプリ」を間違ってダウンロードしてしまう可能性も。
偽アプリのほぼ全てが不正アプリなので、Google Playやメーカーのオフィシャルサイトからセキュリティアプリを手に入れましょう。
2-3.無料体験期間を利用する
有名なセキュリティアプリの中には、1ヶ月程度の無料体験期間が設けられているものがあります。いきなりセキュリティアプリを使ってみるのに抵抗があったり、どのアプリを選んでいいか迷っているのなら、無料体験期間を利用してみましょう。無料期間中でも不正アプリを発見・駆除できるので、自分のスマホがマルウェアに感染していないかを調べることもできます。
3.【Android】おすすめセキュリティアプリ
実績のあるセキュリティソフトメーカーから提供されていて、Google Playから入手できるセキュリティアプリを紹介します。アプリの提供価格は様々なパターンがありますが、有料版の方が機能が豊富でサポート体制が整っています。
モバイル セキュリティソフト名 | 体験版日数 |
---|---|
ノートン 360(※) | 30日間 |
カスペルスキー インターネットセキュリティ | 30日間 |
マカフィーモバイルセキュリティ | 14日間 |
ウイルスバスター モバイル | 30日間 |
※ 体験版のご利用にはGoogleアカウントにお支払い方法が追加されている必要があります。ノートン以外の製品についてはそれぞれの会社の手順に従ってください。
4.【iPhone】セキュリティアプリが無くても安全?
4-1.iPhoneにセキュリティアプリが少ない理由
マルウェアをリアルタイムで検出・削除するセキュリティプリは、iPhoneにはほとんど存在しません。iPhoneにこういったアプリがない理由は2つあります。
不正アプリが拡散しない環境をAppleが作っている
iPhoneユーザーがアプリを入手するルートは、基本的にAppleが提供している「App Store」しかありません。そこでは非常に厳しい審査が行なわれており、マルウェアが入ったアプリが公開される可能性が極めて低いからです。
iOSの構造上、リアルタイムスキャンは困難
iPhoneに搭載されているiOSの構造上、リアルタイムでシステム全体をスキャンするアプリを提供するのが困難なため。iOSの構造が変わらない限り、システム常駐型のセキュリティアプリが提供されることはないでしょう。
4-2.iPhone向けセキュリティアプリの機能
主なiPhone版セキュリティアプリに搭載されている機能は次の通りです。
- Web脅威対策/不正Webサイトへのアクセスをブロック
- 盗難/紛失対策
- バックアップ
不正アプリの危険性が少ないとはいえ、iPhoneユーザーもネットに接続している限り、フィッシング詐欺などの悪意ある不正Webサイトにアクセスしてしまう危険性があるため、Web脅威対策機能を搭載したセキュリティアプリを利用するのもありでしょう。
主なiOS向けセキュリティアプリ
4-3.様々な脅威からiPhoneを守る方法
4-3-1.不正Webサイト対策はSafariの機能を使う
iPhoneにデフォルトで入っているモバイルブラウザ「Safari」のセキュリティ設定を変更することで、インターネット上の危険を軽減できます。
「詐欺Webサイトの警告」をオンにする
フィッシング詐欺の疑いのあるWebサイトにアクセスすると警告が表示されます。
Cookieをブロックを「常にブロック」を選択する
Cookieが有効だと、Webサイトで入力したID、パスワードを使ってログインした情報が保存されます。裏を返せば犯罪者にこれらの情報を盗まれる危険性があるわけですが、この設定にすることで対処可能です。
ただし、毎回IDやパスワードを入力する手間は発生します。
設定方法はAppleサポートページでご確認ください。
4-3-2.盗難/紛失対策は「iPhoneを探す」を使う
「iPhoneを探す」アプリの設定をオンにしておけば、iPhoneを無くしても、現在の位置を確認して、データを保護できます。
5.まとめ
セキュリティアプリを導入しておけば、スマートフォンを安心して使うことができます。Android端末を狙った不正アプリは、これからさらに数が増えていくことが懸念されていますので、Androidユーザーは特に、セキュリティ対策に迫られることでしょう。
スマートフォンに保存されている電話帳の情報が盗まれると、その被害は自分だけではなく知人や仕事の関係者にまで及びます。この記事で紹介したセキュリティアプリを使って、セキュリティ対策を万全にしておきましょう。