パソコンで使える無料のAndroidエミュレーター一覧[まとめ]スマホアプリがWindowsなどで動く[おすすめ情報]

2019 年 10 月 24 日

【エミュレーター(emulator)とは】

広義には、特定の機能・動作を、本来のものと同じように疑似的に動かすソフトウェア。

狭義には、特にパソコン、スマートフォンなどのOSについていい、あるOS上(A)で特定のOS(B)をあたかもソフトウェアのように動し、Bの環境でしか動作しないアプリなどを普通に使えるようになる。

昨今、有名なものはWindows上でAndroidを動かす下記のもの。

エミュと略されることもある。

【Androidエミュレーターとは】

スマホOSであるAndroidをWindowsやMacといったデスクトップOSで動かすためのソフトウェア。

以前はアプリの開発・運営から敬遠されることもあったが、現在ではゲームアプリの公式サイトがNox対応を謳うなど、Androidアプリを動かす環境のひとつとして徐々に認知されつつある。

【更新情報】全体を更新 Genymotion情報を復帰

おすすめ

以下に紹介するものは、継続的に開発が進められ、人気ゲーム・アプリにエミュレーター自体が積極的に対応している。

nVidia GeForceのドライバのような感じで、特定のゲームがきちんと動くように更新を続けている。

NoxPlayer

最終更新日:2020年6月19日
現在バージョン:V7.0.0.2(Android 7ベース)、V6.6.1.0(Android 5ベース)
対応OS:Windows(Win XP SP3/Vista/Win 7/Win 8/Win 8.1/Win10)、Mac
対応CPU:Intel、AMD
日本語対応:OK
開発元:Nox Digital Entertainment(香港:法人)
対応Androidバージョン:4.4.2、5.1.1、7.1.2(オプション)
UI:独自(Androidベース)

【画像】NoxPlayerのホーム画面

【全体の使い方の説明】

今、一番おすすめできる完全無料のAndroidエミュ。

くわしくはこちら

日本語版が正式にリリースされている、中国製(香港)のエミュレーター。日本語版公式ブログもある。

おそらく、無料で使えるもののなかでは最も安定していて、動作も軽快。特にゲームアプリの動作には定評がある。

一番のよさは、とにかく導入が簡単なこと。普通にアプリをインストールすれば、そのまますぐに使える。

画面の向きがアプリによって自動で切り替わるだけでなく、横画面と縦画面を1クリックで再起動の必要なく変更できる。

継続的に開発が進められているのも高評価。

マウス、キーボードでの操作を自動化するマクロ(スクリプト)機能まであるため、それを使いこなせる人は各種作業の大幅な効率化が可能。

さらに、マウス、キーボードの操作を記録するロガー(キーロガーなど)にも対応しているので、一般ユーザーだけでなくスマホアプリやスマホ向けWebサービスの開発者・プログラマーにもおすすめ。

対応Androidバージョン

現行バージョンである6.x系と7.x系では、デフォルトのAndroidバージョンが異なるだけで中身は同じ。

6.x系はAndroid 5ベース、7.x系はAndroid 7ベースとなっている。

それぞれ、こちらでダウンロード可能

Noxでは、簡単に対応エミュレーターを切り替えることができるので、6.x系をすでに使っているのなら今の段階で無理に7.x系に移行する意味はない。

切り替え方法は、ツールバーの「マルチウインドウ」から「エミュレーターの追加>新しいエミュレーター Android 5.x.x/7.x.x」を選択してインストールする。

# 大半のアプリはAndroid 5でも動くので無理に変更する必要はない。それどころかバージョンを上げると重くなるデメリットも。

その他の特長

  • Google Play対応
  • タッチ入力をキーボードでエミュレーション(割り当て)できる
  • マルチタッチ対応
  • ゲームパッド対応(XboxコントローラーなどXInput対応のもの:PS4のディアルショックも)
  • 可変画面サイズ
  • マルチウィンドウ(マルチインスタンス)対応
  • スクリーンの動画撮影対応
  • バックアップ・復元機能
  • PCとのファイル共有方法
  • コマンドプロンプトからの動作設定・実行
  • スクリーンショット撮影機能
  • スキン機能
  • Nox自体のクリーンアップ機能(無駄なファイルを削除し、空き容量を増やす)

必要スペック要件

# 実際には、以下のスペックでは重くてまともに動作しない。
# 最低でも、メモリ4GB以上、Intel Core-i3以上、GeForce GT700系以上は必要だと考えよう。

公式サイト

CPU:Intel/AMDのデュアルコア
グラフィック:OpenGL 2.0以上
メモリ:1.5GB
ストレージ:インストール用に1GB、利用に1.5GB

Bluestacks

現在バージョン:4.210
対応OS:Windows、Mac
日本語対応:OK
UI:独自
ベース:独自
アプリの自動アップデート:対応
開発元:Bluestack Systems, Inc.(米国:法人)
対応Androidバージョン:7.1.2(Nougat)
リリースノート

【画像】BlueStacksのホーム画面

【全体の説明:まとめ】

通常のアプリとして単純にインストールするだけですぐ使える。エミュレーター以前にパソコンのことがよくわからない人でも、Androidの知識があれば扱えるレベルなので、初心者におすすめ。

くわしくはこちら

Noxと同じく、継続的に開発がすすめられ、かつ安定して動作する数少ないエミュのひとつ。

人気ゲームアプリに対して積極的に個別対応しており、設定画面でゲームごとに設定を変更することもできる。

【画像】BlueStacksの設定画面

以前から設定がシンプルでわかりやすいのが特長だが、反面、設定できる項目が他のエミュレーター(特にNox)と比べて少ない。

いろいろな機能を使いたい場合は、他のNoxやMEmuをおすすめする。

ネットワークの遅延率の低さが求められるゲームで、リソースの配分をAIによって最適化している。

マルチウィンドウ、マルチインスタンス、マルチアカウント対応。つまり、複数のアプリ(ゲーム)を簡単に同時並行で使うことが可能。

64ビットAndroidアプリ対応。これは、BlueStacksの強みのひとつ。

ポイント制度があり、BlueStacksにログインするだけでたまっていく。賞品などの応募に使うことができる。

クライアントのアップデート情報は、公式ブログよりもリリースノートのページのほうがわかりやすい。

なお、その各バージョンのリリース情報が記されたページから、クライアントのバックバージョンをダウンロードすることができる。

日本語版と英語版のリリースノートの表示を見比べればわかるが、英語版のクライアントのほうが先行している。実際に内容が異なるかどうかは不明。

# 以前は無料版で、広告目的のアプリが毎日自動インストールされるというとんでもない仕様だったが、メジャーバージョンが「3」になってから廃止され、今ではNoxと同様に広告アプリの表示がひとつされるだけとなり、快適になった。

その他の特長

  • リアルのゲームパッドに対応。これによりバーチャルパッドを使わなくても、アプリ側が対応していればすぐに既存のゲームパッドでプレイできるようになった(バージョン4.160以降)
  • デスクトップOSのHDDなどストレージに直接アクセス可能
  • 64ビット版のAndroidにも対応
  • リアルタイムにアプリ内のテキストを翻訳する機能(公式ブログ
  • 韓国サムスンと提携し、Galaxy Storeに正式対応

【注意】

以前のバージョンではADB(Android Debug Bridge)に関する脆弱性があったので、できるだけ早く最新版にアップデートしたほうがいい。
解説BlueStacks公式[英語]

このBlueStacks、以前からどうも誇大広告が気になる……

BlueStacks 4の必要スペック条件

# Noxと同じく、実際には以下のスペックでは重くてまともに動作しない。
# 最低でも、メモリ4GB以上、Intel Core-i3以上、GeForce GT700系以上は必要だと考えよう。

公式サイト

必要動作環境
OS: Microsoft Windows 7以上
プロセッサ: Intel あるいは AMDプロセッサ
RAM: RAM 2GB以上(ディスク容量ではありません)
HDD: 4GB以上のディスク容量
PCの管理者である必要があります
Microsoftあるいはチップセットベンダーから提供されている最新のグラフィックドライバ
BlueStacks 4は必要動作環境でも動作しますが、より快適なプレイ体験のためには推奨動作環境をおすすめいたします。

推奨動作環境
OS: Microsoft Windows 10以上
プロセッサ: Intel あるいは AMDのマルチコアプロセッサ。BIOSからバーチャライゼーションが有効化されていること。Single Thread PassMark score > 1000。
グラフィックス: Intel/Nvidia/ATI。オンボードあるいはディスクリートコントローラ。PassMark score >= 750。
RAM: 6GB以上
HDD: SSD (または Fusion/Hybrid Drives)
インターネット: ゲームにアクセス可能なブロードバンド通信
Microsoftあるいはチップセットベンダーから提供されている最新のグラフィックドライバ

* PassMark scoreは、こちらのサイトで検索して確認

MEmu

最終更新日:2020年7月6日
現在バージョン:7.2.2
対応Androidバージョン:
デフォルト – 5.1 (Loillipop)
  オプション – 4.4 (Kitkat)、7.1 (Marshmallow)
開発元:Microvirt(上海:法人)

ゲーム利用を意識してつくられた比較的新しいエミュレーター。

対応Androidバージョンも豊富だが、Noxと同じく手動で別途インストールする必要がある。

UIも含め、全体的にNoxと似ている印象。

なお、他のエミュレーターより高速に動作すると謳っているが、体感ではあまり差を感じない。

特徴

  • 現在も活発に開発がつづけられている
  • 一部の有名ゲームに最適化することもしている(PUBG Mobileなど)
  • 高速動作
  • さまざまな環境に対応:ハードウェア、OS
  • マウス、キーボード、ゲームパッドに標準対応
  • マルチインスタンス(ソフトウェアの複数同時起動と、それぞれ別アカウントにすることが可能)
  • マクロ(スクリプト)機能による処理の自動化
  • デスクトップOS側のストレージにアクセス可能
  • 別ディスプレイでの表示
  • 主要なエミュレーターでは珍しくWindows XPに正式対応

必要スペック条件

(以前より、条件が少し上がった)

x86/x86_64 Processor (Intel or AMD CPU)
WinXP SP3 / Win7 / Win8 / Win8.1 / Win10
Windows DirectX 11 / Graphic driver with OpenGL 2.0
Hardware Virtualization Technology (Intel VT-x/AMD-V) shall be enabled in BIOS
Minimum 2GB of system memory
Minimum 2GB of hard disk free space

【推奨】
CPU: Intel i5-8400
RAM: 16GB
Graphic: Nvidia GeForce GTX 1050
OS: Windows 10

LDPlayer

最終更新日:2020年7月2日
対応OS:Windows
現在バージョン:
Android 7.1 – 4.0.30
Android 5.1 – 3.9.7
対応Androidバージョン:
5.1 (Loillipop)
  7.1 (Marshmallow)
日本語対応:OK
ベース:VirtualBox
開発元:XUANZHI INTERNATIONAL CO.,LIMITED
リリース履歴・以前のバージョン

【画像】LDPlayerのロゴ画像

日本語の公式情報は2019年ごろに登場したが、海外では以前から知られていたAndroidエミュレーター。

基本的にはNoxやEMuと同じタイプのもので、ゲーム利用をその目的としている。

開発元は会社名からして中国か台湾系の企業と考えられるが、公式サイトに情報があまりなく、くわしいことはわからない。

日本語版がリリースされてまだ日が浅いためか、全体的に情報不足の印象。

特徴

  • 現在も活発に開発がつづけられている
  • 一部の有名ゲームに最適化することもしている(PUBG Mobileなど)
  • 高速動作
  • マウス、キーボード、ゲームパッドに標準対応
  • マルチインスタンス(ソフトウェアの複数同時起動と、それぞれ別アカウントにすることが可能)
  • マクロ(スクリプト)機能による処理の自動化
  • 操作を記録してそれを再現するマクロを自動生成する記録機能
  • ひとつの操作をそれぞれのインスタンスに同じように反映させる「マルチ同期機能」搭載

GameLoop

日本語対応:OK
開発元:Tencent
リリース日:2018年

【画像】公式サイトより

中国最大級のネット系企業で、傘下にあのEpic GamesやクラロワのSupercellを持ち、今やゲーム企業としても世界的規模になったテンセントが公式にリリースするAndroidエミュレーター。

それもあって、ゲームアプリに積極的に対応している。

Androidエミュレーターの開発元としては、数あるものの中でもちろん最大手。

公式は「月間アクティブユーザーが5000万人いる」と謳っている。

専用のアプリストアに対応しているため、Google Play Storeに依存することなくアプリ(.apkファイル)を直接ダウンロード・インストールでき、いちいちGoogle Playの該当ページへ跳ぶ必要がなくて手軽なのが、他のエミュレーターにはない大きなメリット。

多くの海外製有名ゲームには対応しており、一部はゲーム提供者側が認める公式アプリとしてリリースされている

他のAndroidエミュレーターより、日本のAndAppに近い印象か。

このエミュレーター単独でチート対策を導入しているのが他と決定的に異なるところ。ゲームアプリの提供に力を入れていることがよくわかる。

セキュリティ面でも強化されており、トロイの木馬への対策が施されている。

大企業が積極的に開発を行っており、公式アプリも提供されているくらいなので、今後最も伸びるAndroidエミュレーターかも。

ただ、全体的に情報不足の感があり、公式サイトの内容も限られているため、わかりづらい部分が多いのが難点。

ApkOnline

上記のものとはまったく方向性が異なるサービス。

クラウド上でAndroidエミュレーターを動かし、それを動画として配信することで、ブラウザや専用拡張機能を使って操作する。

要するに、クラウド=サーバー上にAndroidの環境を構築し、どこからでも同じ状態で利用できるようにするもの。

仕組みは最近注目されているクラウドゲームと同じで、ローカルにアプリ・ゲームをインストールする必要がなく、またやっていることは動画の再生とタッチやクリックなど簡単な入力操作の送信だけなので、基本的にローカルの実行環境(マシンのスペック)に依存することがない。

全体的に、非常に手軽ということ。

運営側があらかじめ用意したアプリはもちろん、自分で.apkファイルをクラウドへアップロードしてインストールすることも可能。

ここまで高機能ながら、料金は基本無料

ただし、残念ながら広告が表示され、1分間操作がないと自動的にシステムがダウンしてしまい、もちろんサポートは受けられない。

毎月5ドルの料金を支払えば、広告非表示、15分までの未操作OK、サポートありの恩恵を受けられる。

有名なGenymotionもクラウドに移行したので、ひょっとしたら今後、Androidエミュレーターとしてはこちらが主流になるかも。

* Androidアプリに、ユーザーがインストールしたアプリの一覧を抽出する同名のものがあるが、それとは別のサービス。

特徴

  • SDカードのエミュレーション
  • バックグラウンドでの音声の再生
  • 加速度センサー
  • バッテリーの状態など電源周りのエミュレーション・変更

その他(おすすめ以外)

以下は、あまりおすすめできないエミュレーター。

開発が止まっていたり、ソフトウェア単体で完結していなかったりと、今とはなっては開発向けにもやや使いづらい。

ただ、古いアプリ、特にAndroidの.apkファイルを持っていてそれを動かしたい場合にはかえって有効かも。

Andy

対応OS:Windows、Mac
UI:Androidオリジナル
ベース:VirtualBox
最終更新日:2018年4月4日
現在バージョン:47.226.1076.7
対応Androidバージョン:Android N(7.x: Nougat)
開発元:AndyOS Inc.(法人:米国)

BluestacksやGenymotionよりも多機能であることを謳っている。

実際のスマートフォンをコントローラ(ゲームパッド)として使えたり、センサー、カメラ、マイクに対応していたりと確かに機能が豊富。

「常に最新版Androidが使えることを保証する」と謳っている。

デスクトップOS(PC)側のブラウザから直接AndyへAndroidアプリをインストールすることも可能。

仮想環境の外にあるデスクトップOS側のローカルファイルにアクセスすることができる。

XboxやPC向けのXInput対応ゲームパッドやPlayStationコントローラ(PS4のデュアルショック3)が標準で使える。

マルチタッチ対応。

マルチアカウント、マルチインスタンス対応。

一時、開発が止まっていたものの、多くの出資を受け、2018年ごろになって本格的に再開され、公式サイトも更新されていた。

――が、2019年現在、1年以上新バージョンがリリースされていない状態が続いている。

必要スペック要件

Dual core AMD or Intel CPU with Virutalization support
3Gb of RAM; Andy uses less than 1Gb while running apps
At least 10Gb of free disk space
GPU with OpenGL 2.1 support
Windows 7 SP1 / Windows 8.1 / Ubuntu 14.04+ / OSX 10.8+

KoPlayer

(提供終了)
最終更新日:2018年11月26日
現在バージョン:2.0.0
開発元:KOPLAYER Inc.(中国)

KOPLAYER Inc.という中国の企業が開発したものだったが、公式サイト(http://www.koplayer.com/)は閉じられ、現在はなぜかCentOSのページが表示される。

開発元の会社がどうなったかは不明(そもそも、本当に法人だったのかすらわからない)。

現在は、サードパーティがおそらく勝手に配布しているファイルをダウンロードするしかないようだ。

アドウェアや場合によってはウイルスがついている場合もあるので注意しよう(自己責任で)。

【エミュレーターの情報】

エミュレーター自体は、ゲーム利用に特化してつくられた。

公式サイトが珍しく、インドネシア語やタイ語にも対応している。

ユーザー向けのアフィリエイトサービスもやっていた(http://union.koplayer.com/)。

HTML5や動画配信にも対応した「KOPLAYER-BOX」もリリースしていたが、こちらは2016年で開発が止まっている(なぜかアプリの最終更新日が2019年となっていたが、実際には2018年のバージョン2.0.0から変化はない)。

機能

  • 複数アカウント対応
  • 別ディスプレイでの表示
  • キーボードエミュレーション
  • 録画・シェア機能
  • Google Play標準対応

Android-x86

最終更新日:2020年05月20日
対応OS:PC向けx86環境(32ビット/64ビット)
日本語対応:OK
開発元:オープンソース・コミュニティ
対応Androidバージョン:すべて – ~Pie(9.x)

これはエミュレーターではなく、x86プロセッサに対応したパソコン用ハードウェア環境向けの純粋なOS。

公式のAndroid open source projectの一環で、正式にはpatch hosting for android x86 supportという名称のプロジェクト。

そのため、開発が継続的に続けられている。

あくまで単体のOSであるため、他のエミュレーターのようにWindowsなど既存OS上で動かすには、VirtualBoxのような仮想マシンを自分で用意する必要がある。

パソコンに直接インストールするのも手間がかかるため、全体的に敷居が高い。

一方で、アプリごとのマルチウィンドウに対応していたり、単体で動かせば古いマシンでも十分快適であったりと、独自のよさもある。

Phoenix OS(鳳凰システム)

最終更新日:2019年08月28日
対応OS:PC向けx86環境(64ビット)
日本語対応:OK?
開発元:北京超卓科技
対応Androidバージョン:7.1、5.1
リリースノート

【画像】Phoenix OSのデスクトップ画面(公式サイトより)

これはエミュレーターではなく、x86プロセッサに対応したパソコン用ハードウェア環境向けの純粋なOS。

下記のAndroid-x86が純粋な(プレーンの)Androidをベースにしているのに対し、こちらはゲーム利用のためにゲームパッドやマウス・キーボードのキーエミュレーション(キーマッピング)に対応しているなど、遊びやすさを追求している。

ちょうど、NoxやBlueStacksをそのままデスクトップOSにしたようなイメージ。

Android-x86とは異なり、最新のAndroidには対応しておらず、ゲーム系Androidエミュレーターと同様にバックバージョン(7.1と5.1)をベースにしている。

同一アプリを複製し、それぞれ別のアプリとしてマルチウィンドウで同時に動かすことが可能というユニークな機能も。

自動実行するアプリを防ぐ機能もあり、セキュリティを高め、省電力の役にも立つ。

大画面で使いやすいようにつくられたWebブラウザである「Stardust Browser」を搭載している。

起動メディアをつくるためのWindows環境向けのインストーラーも用意されており、USBメモリやハードディスクへ簡単にインストールすることが可能。

ただし、まだ不安定な部分があり、最新版Chromeが動かなかったりUnity製ゲームがクラッシュしたりする不具合が残っている。

残念ながら、2019年8月の段階で事実上、開発が止まっている。

PrimeOS

最終更新日:2019年02月08日
対応OS:PC向けx86環境(32/64ビット)
日本語対応:OK?
開発元:Floydwiz Technologies Private Limited(インド・ニューデリー)
対応Androidバージョン:7.1.2(Nougat)

【画像】PrimeOSのイメージ図(公式サイトより)

Android-x86をベースとした、上記Phoenix OSと同じ方向性のシステム。

Windows環境ならば、PrimeOSの起動ディスクをつくらずに直接ストレージにインストールする機能がある。

残念ながら、2019年2月の段階で事実上、開発が止まっている。

また、全体的に情報不足の感があり、今から使うのなら上記のPhoenix OSのほうがおすすめ。

くわしい情報については公式サイトより、xda-developersのほうが多い。

Android Emulator(Android Studio)

最終更新日:開発継続中
対応OS:Windows(64ビット)、Mac、Linux
対応CPU:Intel、AMD
日本語対応:OK
開発元:Google
対応Androidバージョン:すべて(Android 10まで)

その名のとおり、本家Googleが提供する開発キット(SDK)に含まれる純正のAndroidエミュレーター

あくまで開発者向けのもののため、けっして初心者が扱いやすいものではなく、最低でも統合開発環境であるAndroid Studioを扱う基礎知識が必要。

ただしその分、常に最新のAndroid機能を使うことができ、細かい部分までカスタマイズ可能。

以前は非常に重くて不評だったが、IntelやAMD製CPUの仮想化(virtulization)に対応したため、現在では他のエミュレーターと遜色ない速度は出る。

* Android Studio自体がWindows 10の32ビット版に対応しなくなったので、エミュレーターも動かないと思われる。

System Requirements

Windows
Microsoft® Windows® 7/8/10 (32- or 64-bit)
3 GB RAM minimum, 8 GB RAM recommended; plus 1 GB for the Android Emulator
2 GB of available disk space minimum,
4 GB Recommended (500 MB for IDE + 1.5 GB for Android SDK and emulator system image)
1280 x 800 minimum screen resolution

Mac
Mac® OS X® 10.10 (Yosemite) or higher, up to 10.13 (macOS High Sierra)
3 GB RAM minimum, 8 GB RAM recommended; plus 1 GB for the Android Emulator
2 GB of available disk space minimum,
4 GB Recommended (500 MB for IDE + 1.5 GB for Android SDK and emulator system image)
1280 x 800 minimum screen resolution

Remix OS

最終更新日:2016年11月25日
対応OS:PC向けx86環境(32ビット/64ビット)
日本語対応:OK
開発元:Jide(北京技德系统技术有限公司 中国:北京)
ライセンス:オープンソース(GPL v2)

エミュレーターではなく、Android-x86をベースとしたパソコン向けデスクトップOS。

開発元が「ビジネス向けに注力する」として、一般向けの提供はすでに終了している。

現在はJide OSという、Android-x86かRemix OSをベースにしたと思われるパソコン向けOSを提供している模様。

有志が、仮想マシンのVMWare向けのイメージを公開してくれている

Remix OS Player


(提供終了)
最終更新日:2016年12月26日
現在バージョン:1.0.110
対応Androidバージョン:6.0 (Marshmallow)
日本語対応:OK
開発元:Jide(北京技德系统技术有限公司 中国:北京)

上記Remix OSをエミュレーターとして使えるようにしたもの。

ゲーム利用を目的に開発されていたがすでに開発は止まっており、Remix OS Playerそのものの公式サイトも閉じられている。

そのため、今から手に入れたければ、OSDNのサイトで配布されているものを手に入れるしかない。

特徴

  • エミュレーター内部で複数アプリの同時起動が可能
  • カスタマイズ性の高さ
  • 開発者向けにもおすすめ:Android Studioとの親和性が高い
  • 簡単なインストール
  • まだバグが多い

Genymotion for fun

対応OS:Windows、Linux、Mac
UI:Androidオリジナル
ベース:VirtualBox

昔からあるサードパーティ製Andoroidエミュレーター。

ただし、サービスのメインは業務用のクラウド対応版に移行しており、こちらはもちろん基本有料。

現在は、個人の非商用目的のバージョンが「Genymotion for fun」として提供されているのみ。

余計な機能を取っ払っている分、起動・動作ともに高速だが、先行きがまったくわからないため、まったくおすすめできない。

公式サイトでもほとんど言及がなく、自分で手探りで使うしかない。

現状、Google Playを手動でインストールしなければならず、またその手順がややこしいので注意。

また、外部ソフトウェアであるVirtualBoxに依存するため、ソフトウェア単体で完結していない。

以前は開発者向けに好評だったが、今となってはやや全般的に扱いづらい部分も。

Google Playのインストール方法

実は、GenymotionはARMエミュレータではなく独自にAndroidをエミュレートしている。だから、環境によっては高速に動作する。

しかし、そのために一部のアプリが動かない。

元々、無料版だけ提供されていたときにはARMエミュレータもGoogle Playも入っていたのだが、有料版を出す際、Googleの規約に抵触していたらしく、のちに削除された。

そこで、有志が下記のサイトで公開してくれているARMエミュレータ「Genymotion-ARM-Translation_v1.1.zip」をGenymotionの仮想デバイスにインストールする。

XDA Developers

このサイトはモバイル関連のプログラミングについてのサイト。上記のものは個人がつくったものだが、採用実績が豊富なようなので安心して使える。

ダウンロードしたファイルを起動した仮想デバイスのウィンドウにドラッグ&ドロップすればいい。

その後、再移動が必要になるが、この際、Genymotionのバージョンによっては、仮想デバイスのウィンドウを閉じてもVirtualBoxのプロセスが残ってしまうことがある。タスクマネージャで「VirtualBox.exe」を直接終了させるしかない。

次に、Google Playのアプリ・ファイルを同じページから仮想デバイスのAndroidバージョンに合わせてダウンロードする。

ARMエミュレータと同じように、起動した仮想デバイスにドラッグ&ドロップする。

もう一度再起動すると、Google Playがインストールされている。

Windroy

対応OS:Windows、Linux、Mac
UI:Androidオリジナル
ベース:独自
開発元:Socketeq ※リンク切れ http://www.socketeq.com/

軽快に動くといわれているが、まだ発展途上の感が強い。

Google Playに非対応のため、.apkファイルを自分でエミュレーター用のフォルダに入れなければならない。

公式サイトにアクセスできず、すでに開発が止まっている可能性がある。

そのため、今から手に入れたければ、第三者のサイトで配布されているものを手に入れるしかない(公認のものかどうかは不明)。

YouWave

最終更新日:2017年6月19日
バージョン:Home 5.9 LOLLIPOP
対応OS:Windows 10~XP
UI:Androidオリジナル
ベース:Virtual Box
対応Androidバージョン:4.0.4

低スペックのマシンでも動くことを謳っている。Windows XPにも正式対応。

無償版ではAndroidがバージョン4.0.4までしか対応しておらず、しかもアドウェア(広告表示のためのソフトウェア)がついてくる。

これといって特長がなく、しかもアドウェア付きなのであえて使うべき理由はまったくない。

必要スペック条件

Intel Pentium 1.6GHz CPU, 2.0GB DRAM, 500MB disk space,

AMIDuOS

対応OS:Windows 8.1~7(32ビット/64ビット)
対応Androidバージョン:4.x、5.x
開発元:AMI(American Megatrends Inc.) http://www.amiduos.com/ *リンク切れ
価格:有料 1200円

名前が読みづらいが、「AMI DuOS」のこと。

BIOSで有名なAMIがかつて開発したエミュレーター。

元々が5年以上前の古いもので、とっくの昔に開発が終了している。

エミュレーターとして基本的な機能しかなく、Google Playや日本語入力システムを自分でインストールする必要がある。

現在Web上で配布されているものは、大半が各サイトが勝手に行っていると思われるが、元は有料のエミュレーターなので今どのような扱いなのか――そもそもまともに動くのかはっきりとしない。

今となっては、これをあえて使うべき理由はまったくない。

共通の注意事項

一部のアプリ、特にゲームがチート対策(不正対策)なのかエミュレーターからは使えなくしているので、導入してもあまり意味がない場合もある。

労力を考えると、素直に格安タブレットでも買って、そちらを使ったほうが建設的だともいえる。

  • 開発が実質的に止まっているものも多い。できるだけ継続的にバージョンアップされているものを使おう。
  • なぜか提供者が中国系企業であることが多い。個人情報の取り扱いなどに不安がある場合は、Googleの捨てアカウントをつくったほうがいい。
  • ライセンス上の問題でGoogle Playは手動でインストールしなければならない場合がある。
  • 大手や有名企業が提供していることはめったにない。どこまで信用できるか未知数の部分があるため、エミュレーターで使うGoogleのアカウントは、やはり捨てアカウントを利用したほうがいい場合もある。
  • ゲームのアプリは、チート対策なのか動かないものもある
  • VirtualBox系のエミュは、Andoroid SDKのものとほとんど同じ。安定しているが、環境によっては処理も起動も遅い。
  • 各公式サイトでさまざまなアプリ(特にゲーム)を紹介しているが、ほとんどの場合、エミュレーターがそれらに正式対応しているわけでも、各アプリの提供者が正式に許可しているわけでもない。

Androidエミュレーターの安全性:合法? 違法?

もちろん、基本的に安全で「合法」。

そうでなければ、インテルなどの大企業がAndroidエミュレーターの開発企業に出資するわけがない。

そもそもエミュレーターとは、特定OSなどのシステムを別の環境で動かすためのソフトウェアや機能のことを指し、何も特別なものではなく、
Mac上でWindowsを動かすのと同じこと。

スマートフォン向けネイティブアプリなどの開発の現場では普通に使われており、むしろ、なくてはならないもの(エミュレーターなしでの開発は厳しい)。

だからこそ上記のとおり、Android向けの開発環境であるAndroid StudioにはGoogle公式のエミュレーターが普通に含まれている。

ただし、ゲーム向けのAndroidエミュレーターの中には自動実行の機能があるものも存在するので、ゲームやアプリの運営者側が認めていない行為、いわゆるチート行為(不正行為)に利用しようと思えばできてしまう問題はある。

しかし、これはエミュレーターに限った話ではなく、要は各ソフトウェアや機能の使い方の問題、つまりユーザー側のモラルの問題なので、「エミュレーターだから」という言い方はおかしいだろう。

ブラウザの機能が豊富だからといって「ブラウザが悪い」というのはおかしいのと同じレベルのことだと考えられる。

スマートフォン本体でもroot化やjailbreakをすれば、やろうと思えばできてしまうのだから。