天野勇二

前島よ、お前は一緒に見送りできないな。
確か午後の講義は必須だったはず。
行かないとまずいんじゃないか?


 前島はメモを見ると、「あっ」と声を出した。


前島悠子

そうでした!
午後の講義必須なんです!
しかも遅刻したら怒られちゃいます!

天野勇二

そうだろう?
早く行ってこい。

前島悠子

はい!
土井さん、御元気で!


 テラスから駆け下りる。

 そのまま講義室に向かう……のではなく、前島は一気に校門を駆け抜けた。

 大通りに出る。

 タクシーを捕まえて乗り込んだ。


前島悠子

銀座のど真ん中まで行ってください!


 そう叫ぶと同時に、変装用の帽子とサングラス、マスクを装着。

 運転手が驚いたように尋ねた。


運転手

あれ?
もしかして前島悠子さん?

前島悠子

違います。
そっくりさんです。
よく言われます。

運転手

そうなの?
似てるねぇ。


 タクシーは都内の渋滞を抜け、銀座へたどり着いた。

 勘定を払うとタクシーを飛び出し、とりあえず三越に飛び込んだ。


前島悠子

ううっ!
花屋がいっぱいあります!
どれですか!


 前島は天野から渡されたメモを睨みつけた。

 そこには、


 『銀座・デパート・花屋』


 としか書かれていない。


前島悠子

デパートも色々あるのに!
三越ですか!
松屋ですか!
何ですか!?


 前島は銀座を駆け回った。


 目当ての姿はプランタン銀座の花屋にあった。


前島悠子

いたぁ!!!


 花屋の店頭に美緒がいた。

 微笑を浮かべながら花を手入れしている。

 どんな花にも負けない絶世の美女だ。


前島悠子

美緒さん!!!


 美緒はぎょっとして前島を見つめた。

 帽子とサングラスとマスクを装着し、完全に顔を隠している。

 まるで不審者だ。


森崎美緒

え、え……?
どちら様ですか……?


 前島は変装道具をむしり取った。

 銀座にアイドルが現れる。


前島悠子

お久しぶりです!
前島悠子です!

森崎美緒

ゆ、悠子ちゃんじゃないですか!?
お久しぶりですね!


 美緒が嬉しそうに駆け寄る。

 だが、前島はキツイ目線で美緒を睨みつけた。


前島悠子

美緒さん、土井さんが東京を離れるそうです。
今日の新幹線で岐阜という遠方に引っ越すそうです。


 美緒は一瞬、驚きの表情を浮かべた。

 しかし、すぐに冷静な表情に戻る。


森崎美緒

……そうなんですか。
寂しくなりますね。

前島悠子

もう土井さんは東京駅に向かっています。
時間はありません。


 前島は美緒の手を掴んだ。


前島悠子

お見送りに行きましょう!
あなたにはその義務があります!


 美緒は困ったように前島の手を振り払った。


森崎美緒

もう、お別れした過去の人です。
私にはお見送りする義務も、かける言葉もありません。


 前島は愕然がくぜんとして、その言葉を受け止めた。


 天野から聞いてはいたが、過酷な現実を改めて突きつけられたような気がした。


 前島の記憶の中には、土井との新生活を夢見る美緒の姿しかない。


 今の美緒はまるで別人のようだ。


前島悠子

美緒さん、あなた、それ本気で言ってるんですか?

森崎美緒

はい……。
私には結婚を前提に、お付き合いしている人がいます。
健太さんは過去の人です。

前島悠子

だけど、美緒さん、あんなに幸せそうだったじゃないですか。
土井さんとの新しい生活を夢見ていたじゃないですか。
世界が美しい、幸せだって、嬉そうに言ってたじゃないですか。


 美緒は苦しそうに俯いた。


森崎美緒

でも、目が見えるようになったら、世界が変わってしまったんです。

前島悠子

世界は世界ですよ。
何も変わりませんよ。


 美緒はちょっとキツイ目で前島を睨みつけた。


森崎美緒

……変わらないですって?

悠子ちゃんにはわからないんです。
目が見えない生活が……。
だからそんな失礼なことが言えるんです。


 前島は心底驚いた。


 美緒は清純そのものだった。

 負の感情なんか抱くことがないと思っていた。

 それが今、自分をトゲのある視線で見つめている。


 美緒は鋭い瞳で語りかけた。


森崎美緒

私はずっと闇の中で生きてきました。
その辛さが悠子ちゃんにわかりますか?
わかる訳ありません。

自分の顔さえわからず、手探りでものを確かめるような生活。
何も確かなことはわからないんです。

自分がどんな姿をしているのか。
どんな表情をしているのか。
周囲の人たちは何を思って私を見ているのか……。


とても窮屈で、世界に居場所なんかありませんでした。


 前島は思わず言葉を失った。


 確かに想像もつかない生活だ。


森崎美緒

そして目が見えるようになった世界……。
私の想像とかけ離れているものが沢山ありました。

あれだけ美しいと信じていた『石』だって、汚らしく不格好な破片でしかなかったんです。
あんな汚いものを、私は美しいと信じていたんです。


 美緒はキツイ目で吐き捨てた。


森崎美緒

綺麗なもの、醜いもの。
それらを感じることはいけないことですか?
みんなそうじゃないんですか?
悠子ちゃんだって、当たり前にそうしているんじゃないんですか?


 前島は言葉を失った。


 美緒の言葉も、抱いてる感情も、十分に理解できる。


 前島は呟くように口を開いた。


前島悠子

……違う、違います……。

森崎美緒

違わないです。
私は今の生活に、今の決断に、満足しています。


 前島は強く美緒を睨みつけた。


 天野の言葉を思い出す。


 自らを鼓舞こぶするように叫んだ。


前島悠子

違いますよ!
目はそんなことを見分けるためにあるんじゃありません!
本当に大切なものは目に見えないものです!
土井さんの優しさですよ!

あなたに寄り添い支えようとした、土井さんの目に見えない優しさ……。

それが美緒さんにとって大切なことじゃなかったんですか!?


 美緒は言葉に詰まった。


 その表情を見て、前島は「美緒もそのことは理解している」と感じた。


森崎美緒

健太さんの優しさには、本当に感謝してます。

でも、私は健太さんから逃げたんです!

もう終わったことなんです!




 ドン!





 前島は鞄を床に思い切り叩きつけた。


 周囲の客や店員が遠巻きに眺めているが、そんなもの、どうでもよかった。


 震える口唇から、呪いのような声が漏れる。


前島悠子

あなた、最低の女ですね。

目が見えない時はとことん尽くしてもらったのに、見えるようになったらイケメンの金持ちに乗り換える……。
私も同じ 『クソ女』ですから、その気持ち、よく理解できますよ。

でもね、私は信じてるんです。
あなたは汚れたクソ女じゃないって……。


 前島は鞄の中から『ハサミ』を取り出した。


 両手で構える。


 切っ先を美緒に向けた。


森崎美緒

ゆ、悠子ちゃん……?
一体、何を……?


 前島はハサミを美緒に突きつける。


 そして、大声で問いかけた。


前島悠子

美緒さん、思い出してください。
あなたにとって土井さんは、光そのものだったんじゃないんですか?
あなたにはそれが醜くて、頭の悪い、魅力のカケラもない男にしか見えないんですか?


 ゆっくりと美緒に近づく。


前島悠子

師匠は言ってましたよ。
目が開く前のあなたは、美人なんかじゃなかったって。
ただのその辺にいるブサイクな女だって、師匠は言ってましたよ!

だから目が開く前のあなたには、誰も優しくしてくれなかったんです。
それでも土井さんは、あなたの素晴らしさを見つけたのに……!
それなのに、あなたは土井さんを、道端に落ちている汚い『石』と同じようにしか見えないんですか……!?
あなたの瞳は、そんなものしか見ることができないんですか!?

それなら、その瞳は、瞳は……!


 大げさにハサミを振り回す。


 まるで天才クソ野郎のジェスチャーのようだ。


 前島は叫んだ。




前島悠子

そんな瞳は『まがい物』なんだ!

土井さんの優しさが見えないなんて、あなたの瞳はまがい物だ!
まがい物の瞳に映る世界なんてクソッタレだ!
そんなまがい物の目なんか無いほうがいいんだ!

切り刻んでやる……!
私が切り刻んでやるよ!
もう一度闇の中に帰れ!


 美緒は前島の豹変ひょうへんぶりに驚き、腰を抜かしてよろよろと崩れ落ちた。


 前島の剣幕けんまくは物凄い迫力だった。


 凄まじいまでの殺気を放っている。


 そこにトップアイドルの面影はない。


森崎美緒

や、やめてください!
せっかく目が見えるようになったのに!
私から目を奪わないでください!
闇の中になんて、もう帰りたくありません!

前島悠子

そりゃ帰りたくないですよね!
美しいお姫様から、目の不自由なみすぼらしいブスに逆戻りですから!

目の潰れたあなたに、手を差し伸べる人なんかいやしない!
その時に土井さんを捨てたことを思い出しても遅いんですよ!


 怯える美緒に、前島は真っ直ぐハサミを突きつける。


前島悠子

闇の中の生活なんてね、私にはわかりませんよ。
でもね、土井さんみたいに優しくしてくれる人間も知りませんよ!

そもそも、なぜ神様があなたに光を与えたと思ってるの!?
神様はあなたにイケメンとのセレブな暮らしを恵んでやるために光を与えたんじゃない!
土井さんの優しさがあったから、神様はあなたに光を与えてくれたんだ!

土井さんがあなたの幸せを祈って、自分の人生を捧げたいと願って、幸せにすると誓って、必死に溜めた貯金をさし出したから、神様はあなたに光を与えてくれたんだ!

あなたが、美緒さんが……。


 前島はハサミを振りかぶりながら怒鳴った。


前島悠子

美緒さんがどこにいても、土井さんの背中を見失わないように!
例え天国に行っても、土井さんを探せるように!
そのために瞳はあるんだ!

大切な人の笑顔を、涙を、苦しみを、見守り助けるために瞳はあるんだ!

そのために神様はあなたに光を与えたのよ!
土井さんの背中を追いかけないで、醜さばかりを目にして逃げたあなたに瞳なんか必要ない!
まがい物の瞳なんか切り刻んでやる!


 前島の絶叫に驚き、周囲に人が集まってきた。


 野次馬が前島と美緒を囲む。


 さすがに警備員も危険な状況かと思い、前島におずおずと声をかけた。


警備員

あ、あのぉ……。
何かありましたか……?


 前島はすぐに営業用の純真無垢なスマイルを浮かべた。


前島悠子

あっ、どうも、アイドルの前島悠子です!
これロケなんですよぉ。
許可はとってありますので、どうぞ見学していってください!


 平然と純粋無垢な笑顔を浮かべる。

 警備員はそれにつられてデレデレと笑みを浮かべた。


警備員

なんだ、ロケなんですか。
事件かと思って驚きましたよぉ。
撮影許可出てたのかなぁ。

前島悠子

出てますよぉ。
ちゃんと確認してくださいねぇ、ウフフ♡
では続けますので、離れててくださいねぇ。

警備員

は、はい!
どうもすみませんねぇ。


 また前島は美緒にハサミを突きつける。


前島悠子

美緒さん!
何度も言いますよ!

まがい物の瞳なんてギタギタに切り刻んで、闇の中に叩き帰してやる!

土井さんというかけがえのない存在を失ったことを、死ぬまで後悔させてやるわ!


 周囲の人間たちは前島の『演技力』に脱帽した。


 もう営業用のスマイルは消えている。


 怒りに燃えるクソ女だ。


 演技ではなく、本気だと知っているのは美緒だけだ。


森崎美緒

そ、そんな……。
誰か……。
た、助けて……。


 美緒は真っ青となり、涙目で震えている。


 腰を抜かしてしまい立てない。


 助けを求めても、周囲の人間はロケだとしか思ってない。


前島悠子

目を閉じなさい!
今から闇の中に突き落としてやる!


 涙目で動けない美緒に、また前島の怒号が飛ぶ。


前島悠子

目を閉じろって言ってんのよ!
耳は初めからついてんでしょ!?
目を閉じないと、本当にハサミで突き刺すわよ!!

森崎美緒

や、やめて!


 美緒は瞳をかばい、必死に目を閉じた。


 前島はハサミをポケットにしまうと、ぎゅっと美緒の頭を抱きしめた。


 自らの身体で美緒を包み込む。


前島悠子

美緒さん……。

これが美緒さんの世界だったはずです。

この世界であなたは何を感じていましたか?


 先ほどの怒号とは違う。


 優しいささやきだ。


前島悠子

あなたは醜いお姫様でした。

そのあなたに誰が寄り添い、幸せを与えてくれたんですか?

たったひとりの、星の王子様だったはずです。


 震える美緒の頭を抱き、前島は優しく問いかける。


前島悠子

美緒さん、思い出してください。

あなたはきっと、土井さんの優しさが本物だと知っているはずです。

本当に大切なものは目に見えないものです。

闇の中で生きてきた美緒さんなら、本当に大切なものが、光がなくても見えるはずです。


 前島の瞳から涙がこぼれ落ちた。


 涙が美緒の髪をつたう。


 美緒の額を濡らす。


 何だか昔、同じようなことがあったような、そんな気がした。


前島悠子

師匠は言ってました。
人は一番眩しく輝く瞬間に、一番大切なものを見失うって。

どんな決断だって、それが美緒さんの幸せなら私は応援します。
恋に、男女関係に、正解なんてありません。
美緒さんが誰と歩いていけばいいのか、私にはわかりません。
今の決断こそが正しいのかもしれません。

だけど、もし、今の美緒さんの目が眩んでいて、大切なものを見失っているのであれば……。

美緒さんはきっと、いつか後悔するはずです。
私はそんな後悔をしてほしくありません。
美緒さんと土井さんが素敵だから、大切なものを見失って欲しくないんです。


 前島の言葉が胸に響く。


 涙と共に、美緒の心に流れていく。


前島悠子

お願いです。
美緒さん、思い出してください。

見えなくとも、あなたには見えていたはずです。
そして、見えるようになった今だからこそ、あの時見えなかったことも見えるはずです。

ほんの僅かな時間でしたが、私は美緒さんの友人でした。
友達だから、私はまだ、美緒さんが汚れてしまったなんて、決めつけたくはないんです……。


 前島の言葉と涙を受けて、美緒の脳裏で記憶のカケラが輝いた。



 昔、同じようなことがあった。


 それはまだ土井と交際している時。


 まだ光を手にする前の時。


 アパートでの出来事だった。













 その夜、土井と美緒は、美緒の部屋で他愛もない話をしていた。


 だが、美緒は土井の声に妙な音が交じっているのを感じて尋ねた。


森崎美緒

健太さん……?
もしかして、泣いてるんですか?


 土井は微かな嗚咽をあげていた。


 涙を必死に堪えているようだ。


土井健太

う、うん……。
おで、悲しくなっちゃって……。

森崎美緒

えっ?
どうして健太さんが悲しいんですか?
私、何か酷いことを言いましたか?


 闇の中で土井が首を振る音が聞こえる。


土井健太

ち、ちがうよ。
美緒さんは、ひどいこと言って、ない……。

森崎美緒

それならなぜ、泣いてらっしゃるのですか?


 美緒は不思議そうに尋ねた。


 今は目の見えない生活について訊かれたので、日常の過ごし方を話していただけだ。


 当時の美緒にとっては当たり前のこと。


 幼少時から過ごしていた、当たり前の過ごし方だった。


土井健太

たいへんだね……。

美緒さん、たいへんだな、って、おで、思って……。


 土井は優しく美緒を抱きしめた。


 美緒は土井の温もりをなぜか嬉しく感じた。


森崎美緒

うふふ。
おかしな健太さん。
当たり前のことを話しただけなのに。

土井健太

おで、いっぱい働く。
美緒さん、目が見えでゅように手術しよう。

森崎美緒

無理ですよ。
私は貧乏ですから手術代は出せません。

土井健太

おでが出す。
おでが出すから、美緒さん、手術を受けよう。


 土井は美緒を抱きしめ、滝のような涙を流していた。


 涙が美緒の髪をつたって頬を濡らす。


 美緒は土井に抱きつきながら苦笑した。


森崎美緒

悪いですよ。
そんなことお願いできません。

土井健太

いいんだ。
おでが出したいんだ。
おでが、そうしたいんだ。

森崎美緒

そんな、結構なお金です。
お言葉に甘える訳にはいきません。


 美緒も費用のことは知っていた。


 身寄りのない美緒にとって手術は現実的でなく、遠い世界の話だった。


土井健太

お願い。
おで、手術を受けてほしい。
お金はおでが出す。
おでに出させて。

森崎美緒

ダメですよ。
手術代はすごく高いんですよ。

土井健太

おで、貯金あでゅかだ。
そでで、出す。
おでが、そうしたいんだ。


 土井は涙をボロボロ流しながら、美緒に懇願していた。


森崎美緒

健太さん……でも……。

土井健太

いいんだ。
お願い。
おでに出させて。
手術を受けよう。
美緒さんはもっと、幸せになだなきゃダメだ。

森崎美緒

私は幸せですよ。
だって、健太さんがいてくれますから。

土井健太

うん……。
でも、もっと、幸せになってほしい。
だかだ、お願い。
手術を受けよう……。

森崎美緒

健太さん……。

ありがとうございます……。





















 どうして土井はあの時、泣いてくれたのか。






















 あの時はわからなかった。


 目が開く前はわからなかった。


 あの時流してくれた涙の意味を、心から理解することはできなかった。




 なぜ涙が温かく感じたのか。


 なぜ温もりが愛しいと思ったのか。


 なぜあの言葉が心に響いたのか。


 なぜ土井の存在そのものが光だと思えたのか。





 あの時、優しさを与えてくれる土井といつまでも過ごしたいと、一緒にいたいと、心から願ったのに。


 









森崎美緒

うっぐ、ひっく……。


 美緒は前島の腕の中で泣きじゃくっていた。


 前島は涙を流しながら、優しく美緒に語り掛けた。


前島悠子

美緒さん、行きましょう。

あなたは土井さんに会い、伝えるべき言葉があるはずです。

この機会を逃したら、もう土井さんにはきっと会えません。

私はまだ、美緒さんを信じています。

美緒さんが持っていた純真さが、こんなことで消えたりしないと、信じています。


 美緒は涙を流しながら、前島の腕の中で、闇の中で過ごしていたこれまでの人生を思い出した。


 辛く苦しかった日々。


 それが当たり前だった人生。


 独りぼっちだった闇の旅路。


 その終着点に、かけがえのない存在が立っていたことを、美緒は思い出した。






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つばこ

美緒は思い出した……!
美緒は思い出したぞぉぉ!(´;ω;`)
 
とはいえ、もし私が美緒の立場ならば、やっぱり貧乏なブサイクよりセレブなイケメンを選ぶでしょう。
でも、それは土井が与えてくれた『愛』を知らないからだと思うんです。
そこまで愛されたことなんかありませんよ。
だから、目に見えるイケメンや金に心が揺らいでしまうだろうなぁ、と考えています。
 
辛い時に与えてくれた『愛』や『恩』や『優しさ』や『温もり』は、まさしく目に見えないものです。
だからこそ、人は忘れてしまいがちです。
愛していたことも、愛されていたことも、悲しいぐらい忘れてしまうんです。
でもそれは、見た目の美しさや豊かな生活なんて凌駕してしまうほどの価値があるはずだと、信じてやみません(´・ω・`)
 
さて、星の王子様編も残り2話です!
いつもオススメやコメントありがとうございます!ヽ(*´∀`*)ノ.+゚

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コメント 327件

  • ぷよぷよ

    目が見えるようになったら自分から離れていくかもしれないのに、それでも手術代を出すって、本当に心の澄んだ人じゃないとできないよな…

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  • ゆうちょ

    そうだよね。
    自分にかけてくれた手術代を返したくらいで、
    土井さんの誠意が報われるなんて
    思わないでほしい。

    しかも自分が返したお金じゃないし。。

    誰と結ばれようと自由だけど、
    恩を仇で返しちゃいけない。

    誠意は誠意で返すんだよ。。

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  • cherry

    星の王子さまに
    「本当に大切なものは目に見えない」
    という言葉があります

    この言葉が、今まで以上に心に響きました

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  • 久々に涙が出ました(´;ω;`)
    小説・映画・ドラマで涙を流すなんて初めてでした。
    素敵なお話をありがとうございます(´;ω;`)
    これからも応援してます。

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  • ピカルディの3度

    前島ちゃん、アイドル生命かけて説得してるよね
    美緒さんは土井さんだけじゃなくて彼女の愛情の深さにも気付くべき
    何年も血も滲む努力重ねて築いた地位を失うリスク背負って説得するなんて、親友でもそう簡単にしてくれないものだと思う

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