【グアムロケ2日目】
※イパオビーチ・現地時間AM11:15】


 グアムロケも2日目。

 太陽の下で前島と柏田のツーショットが撮影されている。

 これが終われば待ちに待ったオフ。

 2人とも全力で取り組んでいる。

天野勇二

しかし、危険の気配はまるでないな。


 天野は残念そうに呟いた。

 グアムは平穏そのものだ。


川口由紀恵

海外ロケのほうが案外平和なものですよ。むしろ国内のほうが気を使いますね。

天野勇二

つまらんな。
グアムのギャングとも一戦交えてみたかったのだが。

川口由紀恵

物騒なことを仰らないでください。
もう撮影が終わりますよ。


 川口の言う通り、2人の撮影がようやくクランクアップした。

 

 前島も柏田も飛び跳ねるように川口の下へやって来る。


前島悠子

マネージャー!
あとは帰りの時間までオフですよね!

川口由紀恵

ええ、2人ともお疲れ様。
良く頑張ったわね。

前島悠子

やったぁ! 師匠!
行きましょう!

天野勇二

どこに行くんだ?

前島悠子

買い物ですよ!
買い物!
グアムに来たら買い物しかありませんよ!


 柏田がそれをさえぎるように口を挟んだ。


柏田麻紀

天野さん、一緒にビーチで泳ぎませんか!?

天野勇二

ビーチか、それいいな。

前島悠子

し、師匠!
師匠は私のSPなんです!
買い物に付き合ってくださいよ!


 天野は面倒くさそうに言った。


天野勇二

俺様は女の買い物に付き合うのが嫌いなんだ。
ビーチで過ごしたいな。


 前島は天野の腕を掴み、無理やり引っ張った。


前島悠子

たまには弟子にも優しくしてください!
行きましょう!!!



【グアムロケ2日目】
※グアム・プレミア・アウトレット・現地時間PM2:40】


 しょうがなく天野は前島に連れられて、ショッピングモールへ向かった。

 財布役として川口も同行だ。


前島悠子

ねぇ、まきりん!
これ皆に買っていこうよ!

柏田麻紀

うん。こっちも可愛いね。

前島悠子

本当だぁ!
全色欲しいなぁ……。


 2人は化粧品やマニキュアなどを、ぽんぽん購入していく。


天野勇二

(チッ、まずいな……)


 天野は周囲を警戒していた。
 ショッピングモールの中は日本人で溢れている。
 面倒ごとが起きそうだなと感じた。

???

……ねぇ!
伊達ってば!
あれ見てよ!

伊達

なんだ加藤。
集中力が途切れるから大声を出すな。


 ひとりの小太りな男が気づいた。
 前島たちを指さしている。


加藤

あれ! あれってさ!
ゆうこちゃんと、
まきりんじゃない!?

伊達

はぁ……?
まきりんたちがグアムにいるワケない……うおっ!
ほ、ほんとだ! やべぇ!
話しかけようぜ!


 2人組が駆けてくる。
 天野はすかさず壁役となり、2人組の前に立ちはだかった。

天野勇二

悪いな。
貴重なオフなんだ。
遠慮してくれ。

伊達

な、なんだてめぇ!!!
邪魔だ! どけよ!


 天野は舌打ちして相手を睨みつけた。

 見た限り高校生ぐらいの年頃だ。
 片方の男は平々凡々の顔立ち。
 もう片方は小太りのメガネ。
 恐らく修学旅行で訪れているのだろう。

天野勇二

ほう……。
ガキのくせに生意気な口を叩くじゃねぇか……!


 天野は全身から殺気を解き放った。

 飢えた肉食獣のような気配。

 高校生の2人は瞬時に青ざめた。


伊達

そ、そそそそそそのぉ……
ぼぼぼくたちはあ……
彼女たちのファンでしてぇ……


 天野は即座に男の手首を掴んだ。
 乱暴に逆側へと捻り上げる。
 男が「ひいい!」と悲鳴をあげた。

天野勇二

俺様はSPだ。
俺様のターゲットに近づくやつは全員潰すぞ。
グアムに来てまで骨を折りたくはあるまい。
大人しくグアムの街でも観光してろ。


 男は涙目でコクコク頷いた。

 小太りの男は恐怖のあまり失禁しているようだ。

 それも無理はない。

 天野の放つ殺気は、下手な極道より怖いのだ。

天野勇二

わかったな?
わかったならば、消えろ。

伊達

は、はい!
すんませんでした!


 2人組は脱兎の如く逃げ去った。



 その様子を眺めていた柏田は、うっとりと乙女の声をあげた。

柏田麻紀

天野さんは頼りになりますね。
やっぱり初カレシは天野さんがいいなぁ。

前島悠子

残念でしたー。
まきりんは恋愛禁止条例で恋愛禁止ですぅー。

柏田麻紀

ゆうこちゃんだけズルい。
私も卒業しよっかなぁ。


 その言葉を聴き、川口が動揺しながら尋ねる。


川口由紀恵

ま、麻紀ちゃん?
今のは冗談よね?

柏田麻紀

うふふ。
どっちかなー?

川口由紀恵

麻紀ちゃん!
お願い!
あなたはまだダメ!
まだ卒業しないで!


 川口が泣きついている。


 天野はそれを見てため息を吐くばかりだった。


【グアムロケ2日目】
※タモンビーチ・現地時間PM3:40


 前島たちの買い物が終わった。
 荷物を一旦ホテルに預け、天野たちは「タモンビーチ」へ向かった。

 ビーチでは前島と柏田が一般客に混じって、ボードで遊んでいる。

 天野は『フルーツ』のジュースを片手に持ち、のんびりグアムの空を見上げていた。

天野勇二

いい風だ……。
こんな休日も悪くないな。


 常夏の陽気と風が心地よい。

 空を眺め鼻歌を奏でていると、携帯電話が鳴った。

 涼太からの着信だ。

天野勇二

……おう、涼太か。

佐伯涼太

どうしたの?
今日はお昼食べないの?

天野勇二

今、グアムに来ていてな。

佐伯涼太

グアム!?


 涼太の声が大きくなった。

 そういえば、涼太には結局グアムに行くと伝えていなかった。


佐伯涼太

な、な、なんでグアムになんかいるのよ!?

天野勇二

頼まれたんだよ。

佐伯涼太

頼まれたぁ?
なにをさ?
誰によ?

天野勇二

前島に頼まれて……
おっと、
噂をすれば本人が来たぞ。


 携帯で話している天野を見つけて、前島が嬉しそうにやってきた。


前島悠子

師匠?
誰と話してるんですか?

天野勇二

前島、涼太からだ。
代わるか?

前島悠子

涼太さん!
はい! 代わります!


 天野は前島に携帯電話を手渡した。


前島悠子

あ、涼太さーん。
前島ですよー。


 何か涼太が喚いている声が聴こえる。


前島悠子

そうですよ。
涼太さんにお土産買っていきますね。


 前島は天野に電話を戻した。


天野勇二

そういうワケだ。

佐伯涼太

どういうワケよぉ!?
ちゃんと説明してくれないかな!
かな!?

天野勇二

だから、またボディガードを頼まれたんだよ。

佐伯涼太

えぇっ!? 前島さんに?

天野勇二

ああ、そうだ。
正確にいえば、前島と柏田に頼まれたんだ。

佐伯涼太

ま、ま、ま、ま、
ままままきりん!!!


まきりんも一緒なの!?
グアムにいるの!?
僕はまきりん推しだよ!
なんで僕を誘ってくれなかったのさ!!!

天野勇二

いや、涼太も呼ぶかと訊いたんだが、2人とも俺だけでいいって言うからよ。

佐伯涼太

そんな!?
ウソでしょ!?

天野勇二

あ、おい、前島。


 海辺ではしゃぐ柏田のビキニの片方がずれて、左側の胸が露出している。


前島悠子

なんですか師匠?

天野勇二

柏田の水着がずれて片乳が出てるぞ。
注意してこい。


 前島が柏田の姿を見てぎょっとした。

 豊満な乳房がポロリしている。


前島悠子

まきりーん!
おっぱい出てるよ!
早くしまって!

柏田麻紀

……えっ?
きゃあ!!!
ほ、本当だ!

 
 慌てて片乳を押し込む。

柏田麻紀

……どう?
もう大丈夫かな?

前島悠子

うん! ばっちり!


 天野はその光景を苦笑しながら眺めていた。

天野勇二

(全く騒がしいヤツらだ)


 グアムの心地よい風と太陽を浴び、天野は涼太に語りかけた。


天野勇二

いやぁ、涼太よ。
グアムはいいぞ。
心の洗濯とはまさにこのことだな。
お前も良かったら来いよ。

佐伯涼太

そりゃ行きたいっての!
なんだよその余裕!?


 涼太が「ぎゃーぎゃー」喚いている。

 こちらもかなりやかましい。

 やはり誘わなくて正解だったな、と思いながら言った。

天野勇二

じゃあな。
電話代が高いから切るぞ。


 電話を切ると、少々厄介な連中が柏田に絡んでいるのが見えた。
 恐らく地元の不良だろう。
 少々油断したな、と反省しながらビーチサンダルを脱ぎ捨て、柏田の下へ走った。

天野勇二

ちょっと待て。
俺の連れだ。
悪いが引っ込んでくれ。


 天野は英語で語りかけた。

 相手は3人。
 肌は浅黒く体格は良い。
 ハーフパンツの水着姿。
 上半身はタトゥーだらけだ。
 1人の男の尻ポケットには拳銃がある。
 柏田は男たちに囲まれ、すっかり怯えていた。

 1人の外国人がニヤニヤしながら英語で言った。

外国人A

お前に用はない。
引っ込んでろクソジャップのイエローモンキーが。



 突然、天野は男の股間を蹴り上げた。


外国人A

グアァッ!?


 男たちはいきなりの暴力を放った天野に驚き、身構えた。
 その様子を天野は鼻で笑い飛ばす。

天野勇二

お前ら、何考えてるんだ?
そんな言葉使いしたら殴られるに決まってんだろ?
日本人が英語を知らないと思って舐めるなよ。
クソ共が。


 汚い英語での挑発。
 舌打ちしながら柏田に声をかける。

天野勇二

柏田よ、俺の背後にいろ。
やれやれ、グアムにまで来て乱闘か。


 柏田は怯えて天野の背中に隠れる。

 股間を蹴られた男は、倒れながら「ファックファック」と、やかましく喚いている。

天野勇二

さて……。


 天野が素早く突進した。

 狙いは拳銃を持った男。

 右手で目を潰し、左手で喉への貫手ぬきて

 男は喉元と目を押さえ、思わず前かがみになる。

 その首を正面から抱え込むと、フロントチョークで絞め上げながら男の動きを封じ込めた。

 そのまま尻ポケットに手を伸ばす。


 あっさりと拳銃を奪い取り、男を前蹴りで吹き飛ばした。

天野勇二

ほう、安い銃だ。


 天野は拳銃を見つめ、極悪の笑みを浮かべた。

 男たちは必死に両手を広げている。

 天野に「撃つな」とジェスチャーしているのだ。

天野勇二

お前らの銃だぞ?
馬鹿なイエローモンキーでも撃ち殺すための銃だろ?このレイシスト共が。


 英語で男たちに怒鳴る。
 拳銃を突きつける。
 伏せるように促した。


天野勇二

ジャップだからって甘く見るなよ。
このクソッタレどもが。


 天野は英語でののしりながら拳銃をスライドさせ、弾薬を全て取り出し海へ投げ捨てた。


 そして空に向けて、一発撃った。



 パン!



 命を簡単に奪う発砲音が響く。
 
 男たちは恐怖に震え上がった。

 天野は拳銃を投げ捨てると、両手をボキボキ鳴らしながら男たちに飛びかかった。

天野勇二

おらぁ!


 1人の頭を掴み、側頭部への膝蹴り。

 その一撃であえなく昏倒。

 残りは目と首元を押さえて呻く男と、股間を押さえている男のみだ。

 もう勝負はついていた。

天野勇二

物足りないがこの辺にしておこう。
場所を変えるぞ。

柏田麻紀

は、はい!


 天野は柏田の手を取り、前島に声をかけた。


天野勇二

前島、ちょっとトラブルになった。帰るぞ。

前島悠子

はい! 見てました!
戦略的撤退の準備はできてます!

天野勇二

できた弟子だ。行くぞ。

前島悠子

はい!

【グアムロケ2日目】
※アウトリガー・グアムリゾート・現地時間PM5:10


 天野たちは急いでホテルに戻った。

 ホテルの客しか入れないプライベートプールへ向かう。

 念のためガードマンに不良たちの特徴を伝え、中に入れないよう警告した。

 そこに川口がやって来た。

川口由紀恵

天野様。
何かトラブルですか?

天野勇二

ちょっと地元のチンピラに絡まれてな。
舐めたこと言われたんで、うっかり潰してしまった。
申し訳ない。


 悪びれた様子もなく謝っている。

 川口は苦笑しながら言った。


川口由紀恵

前島と柏田が無事なら構いません。

天野勇二

ああ、それは大丈夫だ。
まったく、美人ってのは厄介な生物だ。
どんな国にいても、厄介な連中に絡まれる。


 天野がため息を吐いていると、前島が慌ててやって来た。


前島悠子

師匠、ちょっといいですか?

天野勇二

なんだ。

前島悠子

まきりんが師匠に会いたがってます。


 天野がプールに向かうと、青ざめて自らの肩を抱く柏田の姿があった。


天野勇二

どうした柏田?
怖かったか?


 柏田はこくんと頷いた。
 そして、そっと天野に抱きついた。


 前島が声にならない悲鳴をあげている。


天野勇二

そうか……。
だがもう大丈夫だ。
安心しろ。

柏田麻紀

はい……。
天野さん……。
すみません……。


 柏田は腕の中で微かに震えている。


前島悠子

ま、まきりん……。
ちょっと抱きつく時間、
長くない……?


 恐る恐る声をかけられても、柏田は離れようとしない。


天野勇二

間もなく日が沈む。
グアムのサンセットを見て帰ろう。

柏田麻紀

はい……。


 柏田は天野に抱かれたままだ。

 

 前島はそわそわと落ち着きがない。

 

 天野の周りをうろちょろしている。


前島悠子

まきりん……。
もう、離れても、
いいんじゃない……?


 柏田は何も答えない。

 完全に無視している。

 頬を赤くさせている。

柏田麻紀

天野さん……。
しばらくこうして頂いてもいいですか?

天野勇二

ああ、構わないぞ。


 グアムの美しいサンセットが天野たちを包み込む。

 

 オレンジ色に染まる世界。


 水平線の彼方に今日が沈んでいく。


 天野は絶景に見惚れ、柏田はその横顔に見惚れ、前島は不満気に頬を膨らませ、後方では川口が苦笑しながら3人を眺めている。


 こうして天野たちのバカンスは終わりを告げた。





佐伯涼太

……それはそれは。
随分と楽しい旅行だったみたいだねぇ……。


 学生食堂の2階テラス席。

 天野たちの土産話を聞き、涼太は案の定不機嫌になっていた。


天野勇二

スネるなよ。
土産だって買ってきたじゃないか。

佐伯涼太

土産っていってもさぁ。
マジでこれだけなの?


 テーブルの上には無骨な黒い機械。

 小型のスタンガンだ。

 威力が強すぎるため、日本で購入することはできない。


天野勇二

持ち込むのに苦労したぜ。
存分に使え。


 涼太はがっくりと肩を落とした。

 前島が励ますように言った。


前島悠子

涼太さん、私からはチョコですよ。

佐伯涼太

あはは……。
チョコかぁ、ありがとう。
ところでさぁ、まきりんからはないのかな?

前島悠子

まきりんからはないです。


 またがっくりと肩を落とす。

 天野は不満そうに声をあげた。


天野勇二

なんだ、不満なのか?
こいつは日本じゃ手に入らないんだぜ。
これで少しは『稲妻キック』も強くなる。


 黒い機械のスイッチを押す。
 「ジババッ」と過激な音が鳴り響く。
 熊だって裸足で逃げ出すほどの威力を持つあるスタンガンだ。

佐伯涼太

何かグアムっぽいものが良かったなぁ……。
というか、僕もグアムに行きたかったなぁ……。
ねぇ前島さん、次の海外ロケの予定はないの?

前島悠子

ありますよ。

佐伯涼太

えっ!? マジで!?
じゃあ今度は僕をSPとして雇ってよ!

前島悠子

うーん……。
次はアジアをめぐるワールドツアーなんです……。
かなり長くなりますよ。
オフの時間もないし、ちょっとお呼びできませんね。


 涼太は再び肩を落とした。

 もう肩が地面を突き破ってマントルに達するのではないか、というほど落としている。


前島悠子

あ、涼太さん、これはどうですか?
グアムでの生写真ですよ。


 前島が涼太を励ますため、鞄から何枚かの写真を取り出した。


佐伯涼太

えぇ! ホントに!
見たい見たい!


 生写真を見て、涼太は歓声をあげた。

佐伯涼太

ああ!!!
まきりんの生写真だ!
しかも水着じゃん!
これ貰ってもいいのかな?

前島悠子

いいですよ。

佐伯涼太

やった!


 デレデレしながら写真を漁る。



佐伯涼太

……あれ。


 

 その中の1枚を見て、涼太の動きが止まった。


佐伯涼太

……ゆ、ゆゆゆ勇二……?
こ、これはなにかな?


 夕陽に照らされた天野と柏田のツーショットだ。

 

 柏田は天野に抱かれ、幸せそうな笑顔を浮かべている。


天野勇二

ああ、それか。
綺麗だろ。夕陽が。

佐伯涼太

そこじゃないよ!
なんでまきりんと抱き合ってんのさ!?


 前島がため息を吐きながら言った。


前島悠子

まきりん、それ何枚も印刷して家に飾ってるんです。
師匠、罪作りすぎです。

佐伯涼太

えっ……。
なにそれ……!
ま、まさかさ、まきりんも勇二の『毒牙』にかかったの……?


 前島が不満そうにコクンと頷く。


 涼太は跳ね上がって叫んだ。

佐伯涼太

勇二ぃぃ!!!
今日という今日は決着をつけよう!
立て!
まきりんをかけて勝負だ!


 空手の形を構えた。

 天野はにやにや笑いながら立ち上がった。


天野勇二

ほう? 組手か。
お前とは久しぶりだな。
いいぜ、ちょうどこいつの威力を試したかったんだ。


 天野はスタンガンを手にとった。

 グアムからの土産品だ。

 熊だって裸足で逃げ出す高威力のスタンガン。

 涼太が慌てて声をあげた。


佐伯涼太

ゆ、勇二さぁん……。
それは、さすがに……。
卑怯じゃないかなぁ……。


 天野は極悪の笑みを浮かべ、ゆっくり涼太に向い直った。


天野勇二

卑怯だと?
それは天才クソ野郎への褒め言葉だな。

佐伯涼太

いや、待って!
ちょっと待って!
待っててば勇二!


やめて! ギブギブ!
僕はユーのフレンド!
ギブミーマイフレンド!
友達にスタンガンを向けるのはやめて!
もうイヤだって!
もうこのパターンはイヤだっての!!!
って、うわ、やめ……


ぎゃあああああ!


 テラスに絶叫が響き渡る。


 前島は嬉しそうにいつもの穏やかな日常を眺めていた。






(おしまい)


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つばこ

ご愛読いただきありがとうございます。
何かひとつでも心に残るものがあれば幸いです。
 
ごめんよ涼太……。
君に恨みはないんだ……。
ただ、私は君が叫んで終わる感じが好きなんだ……。
その内、活躍する機会もあるから許しておくれ(てへぺろ
 
さて、次回のクソ野郎は『彼女に上手にさよならを伝える方法』で登場した、ひとりの同級生の依頼を受けるシーンから始まります。
天野くんの天才クソ野郎っぷりが楽しめるエピソードになる……と思うので、お楽しみいただければ幸いです。
 
それでは今週土曜日、
『彼が上手にベビーシッターする方法』
にてお会いしましょう!
 
つばこでしたヽ(*´∀`*)ノ.+゚

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コメント 273件

  • phenyl

    伊達&加藤笑笑

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  • Do印

    ただの平和回だった

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  • ねここ

    涼太がひたすら不憫(笑)
    なんかまきりん、ゆうこちゃんと三角関係展開になっとる。
    まさかの川口さんとくっつくなんて以外な展開…ないな(笑)

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  • なつの二の舞

    伊達たちがほんとにいたw
    つばこさんネタいつから考えてたんですか...w

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  • ゆんこ

    いいわァ

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