今回は、スコッチウイスキーの定番、バランタインの12年ものを飲みます。

落ち着きのある12年熟成

_DSC4050_01バランタインは、1827年にジョージ・バランタインによる食料品店に端を発しています。
その後、19世紀中頃からモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたブレンデッドウイスキーが作られると、ジョージ・バランタインもブレンドを求めていき、1869年からブレンデッドウイスキーを販売し始めました。

同社の傑作と言えるのがバランタイン17年で、1937年に二代目マスターブレンダーのジョージ・ロバートソンの手によって発売されました。

イギリスの大手デパート、ハロッズは、この17年ものを「ザ・スコッチ」と称しました。

さて、今回飲む12年は、17年よりも後に作られたボトルで、長期熟成ながらもフレッシュで癖のある17年に比べると、落ち着きのあるブレンドになっています。

その名の通り、12年以上熟成されたモルト、グレーン原酒を40種類以上も使っているのが特徴となっています。

ウイスキーらしさを堪能できる12年もの

ストレート

軽くピートのスモーキーさが感じられた後、ラムレーズンの香りが広がり、リンゴ、ライム、カカオの香りが続きます。

味わいは、軽くアルコールの辛みがあるものの、続いてほろ苦さと共に酸味が広がっていきます。甘みも奥からほのかに感じられます。

ロック

ストレートよりもピートの香りが強くなり、ライムの爽やかな香りも強くなります。後からリンゴ、ラムレーズン、カカオ。

味わいは、苦みが先に来るものの、後から酸味が広がり、甘味が追いかけてきます。

水割り

スモーキーな香りとリンゴの香りが一緒にやってきて、奥からラムレーズンの香りがついてきます。

味わいは、多少の苦みがあるものの、全体的には甘味と酸味が一緒に広がっていきます。

ハイボール

レーズンとリンゴの香りが前に出て、スモーキーさは落ち着いた印章になります。

味わいは、甘味が先に訪れて酸味が包み込むように広がります。比較的甘さが勝った印象です。

まとめ

バランタイン12年は、スモーキーな香りとリンゴやレーズンのフルーティな香り、カカオのような渋い香りが混ざり合い、ウイスキーとはどういうお酒かを理解するのに適しているボトルと言えるでしょう。
様々な飲み方でも特に大きな不満を持つことはなく、かなり万能な逸品です。

これを飲んだ後で17年を飲むと、12年の方が却って熟成感があってバラエティ豊かではないかと思うかも知れません。
バランタイン17年は並行輸入品であれば5000円ほどで手に入りますし、ウイスキーの種類がそろっているバーであれば確実に置いていますので、そのときに飲んでみるのもいいでしょう。

  • メーカー:バランタイン(輸入元:サントリー)
  • 容量:700mL
  • アルコール度数:40度
  • 香り:スモーキーさの後にラムレーズン、リンゴ、ライム、カカオと続く。
  • 味わい:軽い苦みの後、酸味が広がり、あとから甘さもやってくる。
  • ストレート A: アルコールの辛みが少なく、比較的飲みやすい。
  • ロック B: 少々苦みが目立ち、ある程度加水されないと厳しい。
  • 水割り B: スモーキーさが残り、ウイスキーらしさを感じられる水割りを飲める。
  • ハイボール A: 甘味が増してスモーキーさが抑えられ、スイスイのめる印象。