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【FPが教える】退職金を有効に運用するための心構え

セカンドライフの重要な資金となる退職金。1人で考えてしまうと情報が足りなかったり、間違っていたり。でも、どこへ相談してよいのか悩んでしまいます。

今回は、定年退職後、退職金を上手に活用するための相談先について解説します。

「増やす」から「キープする」に考え方を転換する

定年退職を迎えた時に、一般的に以下の3つの資産が手元に残ります。

  • 現役時代に積み立てた貯蓄(現預金のほか、保険、株式、債券など金融商品全般含む)
  • 退職時に手にする退職金
  • ローンを払い終えたマイホーム

まず、定年退職後の資産運用の考え方は、現在の資産を可能な限りキープするという方向で考えましょう。
現役時代は資金の”出入り”が常にある状態ですが、定年退職後は基本的に”入り”はありません。

一方的に資金が出ていくばかりという状態を経験することになります。

そこで焦って資金を増やそうとハイリターンの投資などにうっかり手を出してしまわないように注意すべきです。

実際に、老後の不安に付け込まれ、蓄えていた資産を怪しい投資話に乗せられてだまし取られてしまう方も少なくありません。

心にゆとりを持つためにも、50代から資金計画を立て、貯められるものは貯めておきましょう。

老後の資産運用は安全第一に頼れる相談先を確保する

退職後の資産運用の基本は、とにかく安全第一。

とはいえ、資産をまったく動かさないで預金のままにしておいても現在の金利環境下では、増えず切り崩すしかないため、減る一方になります。

安全に運用して、資産が目減りしていくのを遅らせたいものです。

その際重要になるのが、信頼できる資産運用のパートナーです。

相談先は公的な窓口から民間の資産運用アドバイザーまで様々ですが、その中からいくつか相談先をご紹介します。

年金のことは年金事務所へ

かつては社会保険事務所と呼ばれていました。社会保険庁の廃止にともない現名称に改められたもので、各種年金業務のほか、一般の年金相談にも対応しています。相談料は無料です。

税金のことは税理士事務所へ

税務相談のほか、相続関係、不動産の運用に関する相談などにも対応。

退職後は確定申告をしなければならないケースや、した方がよいケースもあります。

税理士事務所のほか、住まいを管轄する税務署や、各地の税理士会連合会なども頼りになります。

資産運用のことは金融機関へ

資産運用先の選定は、金融機関の窓口で相談することもできます。

銀行、証券会社、信用金庫などがありますが、いずれにしても相談先を決めるためには信用が大事!

リタイアしてから始めるのではなく、いまから信頼して老後を託せるパートナー探しをしておきましょう。

お金に関する決断は、最終的には自分が責任を負うという心づもりが大切ですが、自分一人で考えるには情報が少なすぎます。

資産運用や資金計画は、選択肢をたくさん持っている人や機関にアドバイスを受けるのが有効です。

知らない選択肢の中に解決策があるかもしれません。

マイホームの運用は3つのケースで考える

ローンを払い終えたマイホームを持っている場合、運用についての大きな決断をする時が来るでしょう。

具体的に、マイホームの運用には次の3つのケースが考えられます。

住み続ける

子供などに相続できる場合、最後まで住み続けるのがやはりいいでしょう。

ただし、歳を重ねた時のことを考えるとバリアフリー対策を考えておきたいところ。

リフォーム資金をなるべく抑えたいので、自治体などで実施しているバリアフリー化の補助政策を調べておきましょう。

他人に貸す

自宅を賃貸物件として運用し、その家賃収入を有料老人ホーム等の利用料に回すという考え方です。

賃貸物件として高利回りが期待できる物件なら、有力な選択肢の一つと言えます。

売却する

賃貸よりも売却のニーズが高そうな場合、思い切って売却し、現金化するのも選択肢の一つ。

自宅として住んでいる住居を売却した場合、その後も家賃など住居費は必要となるため、3000万円までは特別控除が適用され売却益に税金がかかりません(賃貸に出した物件では使えない制度)。

まとめ

退職後の資産運用は、「増やす」より、「キープする」が基本。

しかし、リタイア時に老後資金に不安があると浮き足立ってしまうもの。

そうならないためにも、資金計画は早めに立てておきましょう。

今回ご紹介した内容を参考にしながら、安心なセカンドライフを目指してください。

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