磁気治療器の販売預託商法を展開したジャパンライフ(東京、破産手続き中)をめぐる巨額詐欺事件で、詐欺罪に問われた同社元会長山口隆祥被告(79)の公判が6日、東京地裁(浅香竜太裁判長)であり、検察側は「常習的な犯行で手口も巧妙。悪質だ」として懲役10年を求刑した。

 弁護側は最終弁論で寛大な処分を求め、結審した。判決は来年1月28日。

 検察側は論告で、「顧客を犠牲にして会社の延命と財産の確保を図ろうとした」と指摘。被害者には高齢者が多く、「老後資金を失うなどして嘆き悲しんでいる」と非難した。

 山口被告は最終意見陳述で、「多くの人にご迷惑を掛け申し訳ない。だまして品物を売ろうと会社をつくったわけではない」と述べた。

 起訴状によると、山口被告は会社の資金繰り悪化で配当金の支払いや元本返済をできる見込みがないことを隠し、2017年8〜12月、顧客20人から契約金として計約1億6560万円をだまし取ったとされる。

 ジャパンライフは数百万円の磁気ネックレスなどを販売。売買契約と同時に購入者から商品を預かり別の顧客に貸し出す手法で、購入者は配当金を得られ、元本も保証するとうたっていた。しかし消費者庁による業務停止命令を受けて資金繰りに窮し、17年12月に事実上倒産した。警視庁などの調べでは、被害総額は約2100億円に上る。