浅草駅徒歩圏内の下町立地にあって、クラシカルな正統派日本家屋とくれば、「待ってました!」と言いたくなる魅惑のマッチング! 映画に出てきそうな雰囲気たっぷりの、シビれる和の空間です。
昭和30年代、大工だったお祖父様が建てられて、3世代に渡り60年以上の歴史を重ねてきた家。ご先祖様に失礼がないようにと今も大切に維持されていて、単に古いだけの家と違うことは一目で分かります。
とはいえ、築年数や戸建ならではの特性はもちろんあって、ネジ式の窓は気密性が低かったり、戸建の1階はマンションに比べたら冷え込むわけで。そうした特性も慈しんでこその味わい深い空間です。
1階は居間と台所と水回りがメイン。居間からは広縁を介して季節を彩る庭が見え、冬場に活躍必須の掘りごたつも完備。2階に比べ日当たりは控えめですが、台所と浴室には意外にも天窓があり光が注ぎます。
ちょっと面白いのは玄関横の書斎的な小部屋で、応接室や事務所に使うなら、玄関と居間の二方向から出入りができ、来客時にも都合のよいつくり。住居兼用でこの小部屋だけ事務所に使う形は相談に乗れます。
2階はシンプルに和室二間続きで、この家のよさが集約されたような場所。今ではなかなか見かけないような繊細な細工がそこかしこにあり、和のデザインがもつ美しさに、誇らしい気持ちすら芽生えてきます。
ベッドではなく布団の生活ができれば、日中は二間繋げて第2の居間にしてもいいですし、着物や書や茶や活花など和の趣味がある人は、その世界観にどっぷりと浸かれるたまらない空間だと思います。
空間以外の特徴は、大家さん自ら笑って仰る通り「おじちゃん付き賃貸」であること! というのは、敷地奥の離れに大家さんが住みながら、敷地手前の母屋であるこの家を貸すため、通路として庭を通らせてもらうなど、日常的に顔を合わせる関係は避けられません。
そのかわりというわけではないですが、母屋と離れの間にある外部空間は最近調理台を設置したので、空いているときは使っていいですし、ご近所に影響なければBBQや外の食事も楽しんでもらえます。大家さんも餅つき行事などに使うので、巻き込み合うのもいいかもしれません。
すてきな家を想う気持ちは大家さんも借り手もきっと一緒! この感覚の共有をきっかけに、お互いに心地よい距離感を確かめながら、下町らしい顔の見える暮らしが始まるとうれしいです。
隅田川やスカイツリーのすぐそば、近所には散歩にぴったりの大きな公園があり、浅草も徒歩圏内と、江戸東京らしさも満喫できそうです。
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