お笑いコンビ「阿佐ヶ谷姉妹」が東京・阿佐ヶ谷での「六畳一間の2人暮らし」についてつづった『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』(幻冬舎)。発売から3ヶ月経ちましたが、4刷と重版が続いており好調です。
この本を読んで、実は渡辺江里子さん(姉)と木村美穂さん(妹)は、血がつながった本当の”姉妹”ではないと知った人も多いのではないでしょうか?
最近は、家族や夫婦以外のつながりや血縁以外の「家族のかたち」も注目されていますが、他人同士が一緒に住む上で大事なことは? 老後はどんなふうに考えてる? など、「家族ではないつながりの形」をテーマにお話を伺いました。
「安心しておばさんになってください」阿佐ヶ谷姉妹から将来が不安な貴女へ
阿佐ヶ谷姉妹が楽になるためにやっていること
——インタビューの第一回で「自分も楽になるために相手にも多くを求めない」というお話がありましたが、ほかに楽になるためにしていることはありますか?
美穂:自分に嘘をついて、あまりやりたくないことを無理してやると、やっぱりついていけないので、自分の気持ちに正直に、嘘がなくやっていたほうが楽しくできそうな気がしますけどね。
江里子:そうだと思います。この間も、ちょうどそれについて美穂さんと話し合ったんです。
自分が得意なことや好きなことは率先してできるけれど、苦手なことややらなければならないこと、嫌なことはどうしてもやっぱり私の性格上、後回しにしがちというか。「あわよくば、そちらにやってもらえないかな?」みたいに思ってしまうこともあって。「何とかやらずに済まないかしら?」と思うこともあるんです。
特に、共同生活をしていると、「相手がやってくれないかな?」と思っていると、いつまでたっても進まない。そのうち考えが発展して、「何で率先してやってくれないのかしら?」と思って相手にちょっとストレスや不満を感じる状況はよくないなと。
なので、そこに関しては、どっちが先にというか、「私が先だ」「こちらが先だ」ということではなくて、「一緒に」というのは難しいにしても、「私はここまでこのくらいはやるので、そちらもこのくらいやってください」分かりやすく伝えることから、進めるというのもひとつかなと思いました。そこが難しいんですけどね。「それが楽になる方法か?」と言ったら、またアレなんですけど。嫌なことを全部ひとりで抱えると辛いもんね。
美穂:遠回しに言うと分からないから、そういうこともはっきり相手に伝えよう、ってね。「私はこれをやりますから、お姉さんはこっちやってください」ということをはっきり言ったほうが、分かりやすいなということにこの前気づいたんです。「何でやらないのかな?」と思ってるとストレスが……。
——たまっちゃいますね。それは共同生活もそうですし、チームで仕事をするときにも言えることなのかもしれないですね。
「幸せだなあ」と感じる瞬間
——最後に、お二人が日常生活で「幸せだなあ」と感じる瞬間はどんな瞬間ですか?
美穂:……そうだなあ。早朝に起きなきゃいけないときに布団の感触を再認識して、足でズリズリしたりとか、布団をスリスリしているときに「布団っていいな」「ありがたいな」と思って、幸せですね。
江里子:美穂さん、寝るのが大好きだものね。それが幸せ?
美穂:幸せ、幸せ。布団が好き。ズリズリして。
——江里子さんはいかがですか?
江里子:私は本にもちょっと書いたかもしれないですけれど、それぞれ暮らしで、お隣同士になっても、自分がちょっと何か話をしたいこと、とりとめのない話ですけれど、どうでもいいご近所の話だったり、テレビの話だったり、そんなことをどちらかのうちに行って、楽な体勢でほうじ茶とかすすりながら話したり、笑ったりする。
そういうお相手がいるというのは、すごく幸せなことだなと思いますね。仲間というか。
美穂:やりたくないことでモメたときに、モヤモヤして伝わらないこととかが話し合いで伝わったときはうれしいです。「わかってもらえた!」みたいなときは、すごく幸せを感じますね。「通じた!」みたいな。
江里子:昨日か一昨日の話し合いのときもずいぶん麦茶飲んだわね。麦茶を囲んで話しましたね。テーブルで麦茶片手に。そんな感じですね。
——ありがとうございました。
(聞き手:ウートピ編集部・堀池沙知子、写真:宇高尚弘/HEADS)