けものフレンズ+i

Last-modified: 2021-12-05 (日) 01:32:31

けものフレンズ+i(けものふれんずぷらすあい)とは、同人作家クイック賄派が執筆していた『けものフレンズ』(テレビアニメ)の二次創作シリーズの総称。



「+i」という符号はアニメ1期ファンから「愛」という意味があるとされる。
2021年6月27日、「二次創作から足を洗いたい」とのことで『けものフレンズ+i』の在庫を「全数廃棄する」とのツイートがあり、けものフレンズ+i』は未完となった。

なお、誤解されがちだが「けものフレンズ+i」という作品自体には特にヘイト要素はない。作者の主張とその内容の間に深刻な矛盾があるだけである。

クイック賄派の認識では、『けものフレンズ』(ゲームアプリ)は「irodoriけものフレンズ」の一部とされ、そこに『ケムリクサ』(自主制作版)から「わかばんちゃん」*1とともに「たつきのエッセンス」とされる諸要素が持ち込まれた作品が「irodoriけものフレンズ」であるとされている*2*3

そのため、作品に登場するキャラクターはアニメ1期に登場したキャラクターのほか、「irodoriけものフレンズの一部」と認定したネクソン版のキャラクターに限定すると明言していた。このような方針をとった理由としては、吉崎観音デザインのフレンズは「irodoriけものフレンズとは無関係」であるため使用しないとする考えがあった。

このような思想から、『けものフレンズ2』はテレビアニメ・コミカライズともども「無関係」として、その存在を認めていないほか、舞台版や『けものフレンズぱびりおん』などといった他コンテンツも「irodoriけものフレンズ」とは認めていない。

けものフレンズ2』の放送終了後、クイック賄派は過去のPixivに投稿した「13+i話「うなばら」(その1)」のキャプションに以下の文章を追記した。内容は『けものフレンズ2』およびその制作陣に対する激しい怒りの内容であったため、当時勢力を誇っていた『けものフレンズ2』アンチやKFPアンチからこの態度を激賞された。

-1+i話「おうち」魚拓)、13+i話「うなばら」(その1)魚拓)より
キャプション文の一部から抜粋

【追記】
作者はirodoriを100%支持します。
向こうがやったことはファンが大切にしてきた作品世界を悪意をもって踏みにじりファン同士の憎悪を煽る道具にするような、言語道断の行為です。あらゆる創作行為に対する侮辱であると思うし、反社会的な、明確な「悪」であると考えます。私はそのような行為をはっきりと明確な意志をもって否定し、軽蔑し、敵視します。
どうしてただ作品世界を好きだっただけの人たちが、作品世界に心を救われたファンの人たちが作品を嫌いになるまで傷つけられなければならないのか。
そんなことはもう二度と繰り返してはならないし、そのためにも向こうがやったことを絶対に許してはならないと思います。誰かを傷つけたり踏みにじったりするものに対して寛容は成立しません。きちんと否定しなければならないと思っています。
私はあの世界に救われた方々の心と、そしてあの世界の尊厳を守るために、この作品に自分の命と尊厳を捧げたいと思う。

当シリーズに登場するアニマルガールは(一期に登場した物を差し引いても)ほとんどが吉崎デザインの物である。ナミチスイコウモリもネクソン版ではなく吉崎がリファインしたEX版*4となっており、アカギツネ、アオツラカツオドリ、イエイヌ(シバイヌ)などネクソン版、アニメ双方と無縁のアニメルガールも存在する。
作者曰く「たーのしー」世界から引用された「ネクソン版フレンズ」はイヌワシのみ。また、最終エピソードである「18+1話 らぼ」に登場するチンパンジーのみネクソン版とは異なる作者の完全なオリジナルデザインとなっている*5

ネクソン版に登場したアニマルガールについてはイラストが小さいながらも書籍「けものフレンズ オフィシャルガイドブック プロジェクトの軌跡」で纏められている他に稼働している当時の攻略サイトも残っており、ネクソン版とリファイン版のデザインの差異を確認する事は難しくなく、なぜ敢えて作者が「irodori版に連なる『たーのしー』世界」であると認定したネクソン版ではなく「irodori版から要素を引用しただけの無関係な世界」である吉崎によるリファイン版を採用したのかは謎である。

余談だが、本作に登場するフレンズは前述のナミチスイコウモリ、イヌワシ、チンパンジー以外全て「けものフレンズBD付オフィシャルガイドブック」に収録されているフレンズ*6である。

クイック賄派は『けものフレンズ』(テレビアニメ)「irodoriけものフレンズ」と呼び、絶対視および称賛している姿勢から、「けものフレンズR」と並び、KFPアンチでも称賛されるけもフレ二次創作の一つになる。

反面、現行のけものフレンズファンからは賛否以前に読まれる事そのものが少ない。クイック賄派のスタンスが本作を読む事を躊躇させる物だからである。
なお、けものフレンズ+iを表した世界観の図は形状から「コンドーム」と評される。

また、同人誌の在庫処分について、「在庫の「全数廃棄」というゴミを処分するかのような「+i(愛)」のない結末」と批判するものもいる。



*1 アニメ1期の主人公「かばん」と『ケムリクサ』の主人公「わかば」の合成語と思われる
*2 クイック賄派氏の2019年2月27日のツイート(魚拓)
*3 最終巻『18+i話 「らぼ」』には『傾福さん』を思わせる背景にかばんとサーバル、りんとわかばが立っているイラストが描かれているが、これが只の読者サービスなのか『傾福さん』『ケムリクサ』とのクロスオーバーを予定していたのかは今となっては不明である。
*4 ナミチスイコウモリに限らずネクソン版のコウモリのアニマルガールは全て羽が背中から生えており、吉崎によるリファインで腰から生える形に改められている。本作に登場しているのは羽根の位置が腰に改められたEX版である
*5 ネクソン版では前髪が左右に分けられており白衣と片眼鏡を着用しているが、本作では前髪が切り揃えられており後ろ髪が纏められお下げになっている他、服はビキニの水着の上からアロハシャツを羽織った様になっており、メガネは着用していない。
*6 言うまでもないが、全て吉崎画である