新年あけましておめでとうございます。
今年最初のバスがWストライク(2尾とも2Lbクラスでしたが)で上機嫌のアマケンです(* ̄∇ ̄*)エヘヘ
遅ればせながら本ブログに対する運営方針のようなものがここへ来てようやく固まってきました。
これまでは雑誌用にネタを温存する目的でブログでは書き控えをしてしまい、結局ネタを腐らせてしまうことが多かったのですが、今後は本ブログを主軸のひとつとしてマジに育てていこうと思います。
というわけで、本年は可能な限り頻繁にブログを更新していくつもりです。
どうぞ宜しくお願いします・‥…━━━☆・‥…━━━☆
さて、これが新年最初の投稿になるわけですが、実は残念な報せから書き始めなければなりません…。
ホットスポット(Hot Spot)やレッドフィン(Red Fin)、ボーイハウディー(Boy Howdy)など名作ルアーの設計者として知られるコットン・コーデル氏(Cotton Cordell、本名カール・リッチー・コーデル)が1月6日、逝去されました。
86歳でした。
アメリカのバスフィッシング界はまたひとり「開拓者」を失ったことになります……。
コーデルのルアーには、レッドフィンのように発売から半世紀以上を経た今も米国プロツアーの最前線で使われている傑作があるわけですが、代表作としてひとつ挙げるとするなら、ラトル入りリップレスクランクベイト(バイブレーションベイト)のヒット作を最初に作ったという意味でやはりホットスポット(上の写真)ということになるでしょう。
コーデルのホットスポットが発売された1958年当時、アメリカの市場にはすでにピコパーチ(Pico Perch)やバイウーブギ(Bayou Boogie)、ヘドンのソニック(Heddon Sonic)など、バイブレーションベイトの原型とも言うべきリップレスクランクが出回っていました。

したがって、もしもこれらを「バイブレーションベイトの原型」とするなら、コーデル・ホットスポットはむしろそれらの原理を継承して更なる進化をさせた発展型と言うべきルアーでしょう。
ですが、それでもなお、バイブレーションベイトひいてはリップレスクランクの元祖としてホットスポットを挙げる声がアメリカでとても多いのは、まず第一に「ラトル」という機構を初めて取り入れたルアーであったこと(現代バスフィッシングにおいてバイブレーションはラトルなしには語れない)と、第二に釣り方としての「バイブレーションパターン」というものがこのホットスポットの登場を機に確立したことと深い関係があるように思います。
★まずラトルについて★
これは有名な逸話なので知っている人も多いはずですが、ホットスポットは当初、ノンラトルのサイレント仕様として発売されました。
ソニックやバイウーブギなどと同じです。
最初期のスポットはヘッド部に涙型をした大きめの鉛板が内蔵されており、それが少量の接着剤で固定されてありました。
ところが、その接着剤の量が少なすぎた製造ロットがあったとかで、使用中の振動によって接着剤が剥がれてしまい、鉛板がウエイトルーム内壁に当たってコトコトと音を発生する個体が出てしまったのだとか。
が、そのコトコト音を発生する特定のホットスポットが「釣れるルアー」として当時のアングラーに人気となり、以降は意図的に接着剤ナシで作ることになったという次第。
このコトコト音は、80年代になってからデビッド・フリッツが「ワンノッカー(One Knocker)」と呼んでリバイバル的に人気が出たことはまだ記憶に新しいですよね。
ところで、ジャラジャラ音のラトルサウンドで知られるビルルイスのラトルトラップ(Rat-L-Trap)が発売されたのは1968年。
タイミング的にはホットスポットのワンノッカー音が広く知られた後でした。
ビル・ルイスは当然ホットスポットの存在を知っていたでしょう。
実際、ラトルトラップのボディー形状はホットスポットとよく似ています(少なくともバイウーブギやソニックには似てませんね)。
しかも、ラトルトラップは当初から「ラトル音」を重視したバイブレーションベイトとして開発されました。
意図せず「ラトル音」が発生するようになったホットスポットと違い、ラトルトラップは設計段階からド派手なラトルサウンドを狙って製作されたわけです。
まぁ、2番手のアドバンテージを活かしたとも言えます。
したがって、両者のラトルサウンドは両極でした。
本来ウエイトとして内蔵された大きめの鉛板ひとつ(上の写真参照)でワンノッカー音を発生するホットスポットとは対照的に、ラトルトラップの場合は多数のBB弾(散弾銃用の球形弾丸。直径0.18in=4.5mm)によって甲高いジャラジャラ音を発生させています。
ホットスポットは地味な鈍いコトコト音(クロームカラー=ボーン素材のものは硬質なカチカチ音)。
一方のラトルトラップは甲高いジャラジャラ音。
商業的に成功したのは後発のラトルトラップのほうでした。
周知のように、ラトルトラップは70年代から現在まで空前の大ヒット!
ビルルイスはラトルトラップというたったひとつのルアーだけで半世紀近く利益を出し続けている稀なルアーメーカー。
ルアー界のコカコーラみたいな存在ですΣ( ̄ロ ̄|||)
で、美味しいところを持って行かれてしまったコーデルはどうしたかと言うと、なんとワンノッカーサウンドを捨てて、ラトルトラップの後を追いました(゚∇゚ ;)エッ!?
今であれば、オリジナルが2番手の後を追うなんて奇妙に映りますが、当時を知るアングラーたちの話では、1970年代初頭のラトルトラップ人気はそれはモノ凄いものがあったそうです。
さすがのコットンさんも、ビジネス上の理由でプライドを捨てねばならなかったのでしょう……(T_T)
ともあれ、コーデルはワンノッカーのホットスポットを廃盤にし、ラトルトラップ同様に多数のBB弾を入れてジャラジャラ音を奏でるラトリンスポット(Rattlin Spot)を発売し、対抗しました。
現在、我々が買うことができるスーパースポット(Super Spot)はこのような流れを経て生まれたスポットシリーズの最終形とも言えるでしょう。
いずれにせよ、80年代後半にデビッド・フリッツがワンノッカーを復活させるまで、バイブレーションベイトと言えば「ジャラジャラ音」と相場が決まってしまったのでした……。
なんだか、えらく長文になってしまったので、ここで一度切ります。
次回は、ホットスポットが「バイブレーションベイトの元祖」と呼ばれる2つめの理由=「バイブレーションパターンの確立」について続けます。
今年最初のバスがWストライク(2尾とも2Lbクラスでしたが)で上機嫌のアマケンです(* ̄∇ ̄*)エヘヘ
遅ればせながら本ブログに対する運営方針のようなものがここへ来てようやく固まってきました。
これまでは雑誌用にネタを温存する目的でブログでは書き控えをしてしまい、結局ネタを腐らせてしまうことが多かったのですが、今後は本ブログを主軸のひとつとしてマジに育てていこうと思います。
というわけで、本年は可能な限り頻繁にブログを更新していくつもりです。
どうぞ宜しくお願いします・‥…━━━☆・‥…━━━☆
さて、これが新年最初の投稿になるわけですが、実は残念な報せから書き始めなければなりません…。
ホットスポット(Hot Spot)やレッドフィン(Red Fin)、ボーイハウディー(Boy Howdy)など名作ルアーの設計者として知られるコットン・コーデル氏(Cotton Cordell、本名カール・リッチー・コーデル)が1月6日、逝去されました。
86歳でした。
アメリカのバスフィッシング界はまたひとり「開拓者」を失ったことになります……。
↑Cotten Cordell Th' Hot Spot 1/2oz。コトコトと鈍いワンノックサウンドが特徴の初期型。
コーデルのルアーには、レッドフィンのように発売から半世紀以上を経た今も米国プロツアーの最前線で使われている傑作があるわけですが、代表作としてひとつ挙げるとするなら、ラトル入りリップレスクランクベイト(バイブレーションベイト)のヒット作を最初に作ったという意味でやはりホットスポット(上の写真)ということになるでしょう。
コーデルのホットスポットが発売された1958年当時、アメリカの市場にはすでにピコパーチ(Pico Perch)やバイウーブギ(Bayou Boogie)、ヘドンのソニック(Heddon Sonic)など、バイブレーションベイトの原型とも言うべきリップレスクランクが出回っていました。
↑PICO Perchの雑誌広告(1956年)。
↑Bayou Boogieの雑誌広告(1965年)。
↑Heddon Sonicの雑誌広告(1957年)。
したがって、もしもこれらを「バイブレーションベイトの原型」とするなら、コーデル・ホットスポットはむしろそれらの原理を継承して更なる進化をさせた発展型と言うべきルアーでしょう。
ですが、それでもなお、バイブレーションベイトひいてはリップレスクランクの元祖としてホットスポットを挙げる声がアメリカでとても多いのは、まず第一に「ラトル」という機構を初めて取り入れたルアーであったこと(現代バスフィッシングにおいてバイブレーションはラトルなしには語れない)と、第二に釣り方としての「バイブレーションパターン」というものがこのホットスポットの登場を機に確立したことと深い関係があるように思います。
★まずラトルについて★
これは有名な逸話なので知っている人も多いはずですが、ホットスポットは当初、ノンラトルのサイレント仕様として発売されました。
ソニックやバイウーブギなどと同じです。
最初期のスポットはヘッド部に涙型をした大きめの鉛板が内蔵されており、それが少量の接着剤で固定されてありました。
ところが、その接着剤の量が少なすぎた製造ロットがあったとかで、使用中の振動によって接着剤が剥がれてしまい、鉛板がウエイトルーム内壁に当たってコトコトと音を発生する個体が出てしまったのだとか。
が、そのコトコト音を発生する特定のホットスポットが「釣れるルアー」として当時のアングラーに人気となり、以降は意図的に接着剤ナシで作ることになったという次第。
このコトコト音は、80年代になってからデビッド・フリッツが「ワンノッカー(One Knocker)」と呼んでリバイバル的に人気が出たことはまだ記憶に新しいですよね。
↑接着剤ナシとして製造された60年代後半のホットスポットのヘッド部を御開帳したところ。涙型のウエイトルームにやはり涙型の鉛板が内蔵されている。鉛とウエイトルームの間に微妙な隙間があり、振動によって低いラトル音が発生する。ホットスポットには真珠色の柔らかめの樹脂(写真のもの)の他に、クローム(メッキ)カラー用に硬質ボーン素材も使われており、ラトル音の質は2種で大きく異なる。
ところで、ジャラジャラ音のラトルサウンドで知られるビルルイスのラトルトラップ(Rat-L-Trap)が発売されたのは1968年。
タイミング的にはホットスポットのワンノッカー音が広く知られた後でした。
ビル・ルイスは当然ホットスポットの存在を知っていたでしょう。
実際、ラトルトラップのボディー形状はホットスポットとよく似ています(少なくともバイウーブギやソニックには似てませんね)。
しかも、ラトルトラップは当初から「ラトル音」を重視したバイブレーションベイトとして開発されました。
意図せず「ラトル音」が発生するようになったホットスポットと違い、ラトルトラップは設計段階からド派手なラトルサウンドを狙って製作されたわけです。
まぁ、2番手のアドバンテージを活かしたとも言えます。
したがって、両者のラトルサウンドは両極でした。
本来ウエイトとして内蔵された大きめの鉛板ひとつ(上の写真参照)でワンノッカー音を発生するホットスポットとは対照的に、ラトルトラップの場合は多数のBB弾(散弾銃用の球形弾丸。直径0.18in=4.5mm)によって甲高いジャラジャラ音を発生させています。
ホットスポットは地味な鈍いコトコト音(クロームカラー=ボーン素材のものは硬質なカチカチ音)。
一方のラトルトラップは甲高いジャラジャラ音。
商業的に成功したのは後発のラトルトラップのほうでした。
周知のように、ラトルトラップは70年代から現在まで空前の大ヒット!
ビルルイスはラトルトラップというたったひとつのルアーだけで半世紀近く利益を出し続けている稀なルアーメーカー。
ルアー界のコカコーラみたいな存在ですΣ( ̄ロ ̄|||)
で、美味しいところを持って行かれてしまったコーデルはどうしたかと言うと、なんとワンノッカーサウンドを捨てて、ラトルトラップの後を追いました(゚∇゚ ;)エッ!?
今であれば、オリジナルが2番手の後を追うなんて奇妙に映りますが、当時を知るアングラーたちの話では、1970年代初頭のラトルトラップ人気はそれはモノ凄いものがあったそうです。
さすがのコットンさんも、ビジネス上の理由でプライドを捨てねばならなかったのでしょう……(T_T)
ともあれ、コーデルはワンノッカーのホットスポットを廃盤にし、ラトルトラップ同様に多数のBB弾を入れてジャラジャラ音を奏でるラトリンスポット(Rattlin Spot)を発売し、対抗しました。
現在、我々が買うことができるスーパースポット(Super Spot)はこのような流れを経て生まれたスポットシリーズの最終形とも言えるでしょう。
いずれにせよ、80年代後半にデビッド・フリッツがワンノッカーを復活させるまで、バイブレーションベイトと言えば「ジャラジャラ音」と相場が決まってしまったのでした……。
調べてみたら楽天市場でスーパースポット1/2ozが税込み442円で売られてました。安いっすね!アメリカのバスプロショップスで$4.29、最安で$2.99(タックルウェアハウス)なので、$1=120円超の今なら、ほぼ現地価格ですナ。カラー在庫があまり残ってないみたいですが、金黒、銀黒、レイバンレッドなどの定番色はなぜか残ってるようです。もしスーパースポットをまだ使ったことがないのであれば、ぜひ一度使ってみることをオススメします。これでもかというくらいワイドウォブルなので、スローリトリーブが可能です。ラトルトラップとスーパースポットの1/2ozおよび3/4ozサイズを状況に応じて使い分けるスローロールがアメリカ南部における春の定番です。 | Cotton Cordell コットンコーデル Super Spot スーパースポット C25 |
なんだか、えらく長文になってしまったので、ここで一度切ります。
次回は、ホットスポットが「バイブレーションベイトの元祖」と呼ばれる2つめの理由=「バイブレーションパターンの確立」について続けます。