「ツイッターをやめる」それが立憲・共産が自民党に勝てる唯一の道だ

スマホを捨てよ、街へ出よう

野党共闘は成った、それでも…

立憲民主党・共産党は、統一候補を立てて共同戦線を展開して10月の衆院議員選挙に臨み、そして与党・自民党に大差の敗北を喫した。「多様性の統一」を旗印に掲げて、リベラル政党の連帯を示したかれらは、いったいなぜ敗れてしまったのだろうか?

前新潟県知事で、今回の衆院選挙で無所属として立候補し見事に当選した米山隆一氏が、立憲民主党・共産党の敗因について客観的な考察をツイッターで表明したところ、「味方」であるはずのリベラルな界隈の人びとから激しい怒りを買い、大炎上してしまった。私はその一部始終を気の毒に思いながら拝見していた。

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立憲民主党・共産党をSNS上で篤く支持していた人びとからすれば、今回の選挙における一大争点が「ジェンダー平等」であることに疑いの余地は一切なかった。だが、米山氏の見解はそれとは異なるものだった。米山氏の考察が当を得ていたことは、今回の選挙結果からすでに明らかだろう。

ジェンダーや気候変動といった問題は、マジョリティである一般大衆に訴求するものではなく、ごく少数の(しかしSNSではやたらと声が大きく見える)ラディカル・レフトな人びとが高い関心を示すテーマにすぎない。選挙はより多くの人びとの心を掴んだものが勝利する。ジェンダー平等や環境問題がとるに足らない問題だからということではなく、民主主義政治のシステムがそういうものなのだ。

だが「リベラル」な人びとは、米山氏に対して激しい非難を向けるばかりか、「セクシスト」「差別主義者」とレッテルを貼り、さらには過去のスキャンダルをわざわざ持ち出して罵詈雑言を浴びせる人まで散見される始末だ。本当にかれらは「多様性」や「寛容」を掲げる政党を支持し、その精神に賛同した人びとなのだろうか。私にはとてもそうは思えないが、かれらがそう自称しているのだから、間違っているのはきっと私のほうなのだろう。

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