須坂市日野小学校の児童15人が3日夜、日本上空を通過する国際宇宙ステーション(ISS)と交信した。原爆投下後の広島で花を咲かせたとされるカンナの種を育て、2020年3月にISSに打ち上げた縁で実現。アマチュア無線を使って宇宙飛行士と懸命にやりとりした。
同校体育館に設置されたアマチュア無線で午後7時ごろから呼び掛けを開始。協力した地元の高校生らが見守る中、米国人の男性宇宙飛行士の応答が聞こえると、緊張した面持ちだった児童たちに笑みがこぼれた。
児童たちは練習を重ねた英語で「宇宙にもウイルスはいますか」「帰還したら最初に何がしたいですか」などと質問。宇宙飛行士は「事前に十分隔離をしてから来たので大丈夫」「妻や子に会いたい」などと約8分間交信した。
6年の山田諒弥君(11)は「自分が宇宙とつながったなんて信じられない」。カンナの花を通じた平和学習を全国で進める橘凜保(りほ)さん(64)=東京=が交信の様子を見守り、「宇宙からの視点で地球の平和を考えるチャンスを持ってほしかった」と話した。
同校は橘さんの依頼で、19年に全校児童でカンナを育ててISSに送る種を用意した。地球に戻った種の一部が今年3月に同校に届き、今夏、再び同校で花を咲かせた。ISSとの交信は米航空宇宙局(NASA)の教育プログラムを活用した。
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