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白山

 しばらく悪天候が続いた週末、晴れが約束された日
 財力で登る立山アルペンルートは富山側が運休、行く先は強制的に体力の白山となった。

 そういえば久々に日曜日の白山
 白峰ゲート前には見慣れたクルマが列をなす。今日の極太板はただのウエイトでしかなかった…
 今度があるなら極細板にしようっと。


 0030白峰スタート
 弱いながら降雪があるので上下レインウェアでスタート…
 路面はうっすら積雪 タイヤの太いMTBは問題なく走れた。とその中にロードバイクのものと見られるトレースあり。スパイクタイヤか?

 
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百万貫の岩あたりに乗り捨てられた(?)MTBが。こういうのを見ると嫌な想像がよぎる。そういえば白峰に今日のものではない車があった。
 雪は止んで上のレインを脱ぎソフトシェルのベストを着て気持ちは軽くなった。
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0145重荷に喘ぎながら気合いで市ノ瀬の六万橋までMTBを使った。
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0350別当出合
誰もいない。先行は何時に出たのか?
 ここまでくるぶしラッセルのトレースを辿ってきた。過去にソロでラッセルして来たのが懐かしい。
 途中右かかとの靴擦れ処置 念のため左かかとにもジェルパッドを貼る。 インナー焼き直した方が良いかな…
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 ⛩鳥居の真ん中は神様の通り道なのでトレースを一歩外し一礼してくぐる。先行はスキーで渡っていたが自分はシートラで。
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急傾斜の石段はスキーで登れた。
帰りの滑走も大丈夫だろう。
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中飯場上で朝の気配
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大長&赤兎
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雪は増えたものの別当覗きあたりまでは登山道トレース。エコーライン下を登る先行パーティーが見えた。時間差は1.5時間ほどか。
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クリスマス感
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別山マジックアワー
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0645甚之助小屋
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入口の扉はしっかり閉めましょう。中で防風装備に換装してお湯とアミノ酸で補給
 暖かい飲み物は生命線で毎回1L保温ボトルを必携する。無論湯沸かし道具も。
 扉周りを雪かきして再スタート。
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エコーラインを目指す。稜線は雪煙だ。
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エコーライン下にはアイスモンスター群
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なかなかの造形
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風が厳しさを増す
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エコーライン上、山頂ドン
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青い空に白い機影
山頂直下を詰める先行パーティが見える。
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0813五葉坂にも埋まりかけアイスモンスター。山頂から気持ち良さそうに滑り降りる姿が見えた。
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0855室堂

室堂手前で滑り降りる先行パーティの4名とスライド。

建物は真っ白なギリシャ神殿の様だ。
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祈祷殿と鳥居も真っ白

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山頂直下ボウルを目指して詰めると見慣れない物が。次の瞬間息を呑んだ。

 遭難したスキーヤーの遺体が横たわっていた。その周りにはヘリからの視認性が良くするためと思われるピンクテープが風にたなびいていた。

 スキーシールは貼られておらず、ストックが大きく曲がっている事から、滑走中に転倒しかなり大きな衝撃を受けた様だ。発見者はスキーを外し雪面に立ててテープを付けたか。

 しかし、まもなく飛来した福井県の防災ヘリからは発見されなかった。しかも自分の方へ近寄って来たので思わず遺体の方向を指し示した。



0945御前峰
登頂しても心は晴れるはずもない。

 この写真をここに載せる事に躊躇いはあったが、総合的に判断して必要な事と考えた。

 当ブログの様なマイナー記事を見に来る人はどっぷりと山にハマり、時に高リスクを伴うハードな山行が好きな人(もいる)でしょうが、くれぐれも無理はしないでください。

 自分は今無理をしていないか?その先は?その想像力と適切な判断、やめる勇気

 巷で語られがちな安全方策をここで語っても仕方がなく、遭難当時の状況はわからない。
 
 今この状況なら救助要請は終わっているはず。
 遺体を前に自分にできる事は手を合わせて冥福を祈る事だけだった。


 山頂に近寄って来たヘリから声をかけられた気がしたが、爆音の中では聞き取れない。
 
 程なくしてヘリは遺体を見つけ、手早くピックアップして行った。彼らのお陰で家族の元へ帰れる。奥宮で再度、遭難者の冥福を祈り手を合わせた。
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後は安全に帰るのみ。





































 以下はあくまで自分の意見です。

 後日報道されたこの事故ですが、最も必要であり期待したいのは、事故の当事者つまり同行したであろうメンバーから趣味志向を同じくする愛好家に向け、今後の糧となる事故の原因等の詳しい情報をありのまま公開してくれる事です。
 

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/20211128/3020009918.html (リンク先は削除される可能性あり。)

 事故後間もないせいもあり、今のところその様な記事は見つけられません。当事者が登山ブログをやっていない可能性もあるので、警察からの発表になるのかも知れません。白山を愛する者として、この事故の風化を防ぎたい気持ちからこの記事を書きました。



 当ブログについては自分に得にならない、都合の悪い失敗も包み隠さず書いており、見る人の中には批判的意見もあるのではと思います。
 しかし聞かれないから書かない、というのは隠しているに近い。


 隠し事や嘘は社会を腐らせます。
 社会的立場のある人であれば尚更、その影響は大きくなります。


 正直こそ人として幸せに生きる道であるし、それが人間の成長や登山という文化、並びに日本社会の成熟に繋がると信じています。
 

 今後この記事に関して自分の間違いに気付いた場合はお詫びして訂正し、元記事を消す事はありません。

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葬儀、警察の事故処理、ご遺族の意向などあるでしょう
自分が当事者の立場と想像す

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