「東北を変える」
インバウンドで地方創生に挑戦
齊藤 良太Ryota Saito 株式会社VISIT東北 代表取締役
プロフィール
大手ITベンダー企業、ソフトウェア企業にて、公共部門の営業・マーケティングに10年間従事。東日本大震災を契機に、東北の復興のため出身地である仙台市での起業を決意。2015年、起業を目指し株式会社パソナグループへ入社。起業準備期間に「地方創生インバウンド機構」の立ち上げに携わる。2016年、パソナグループ「東北未来戦略ファンド」より出資を受け、株式会社VISIT東北を設立。
仙台で起業を目指す
震災後、東北地方の経済が停滞しているのを目の当たりにし、東北に住む人々の生活を永続的に豊かにするために、新たな社会インフラとなるビジネスを立ち上げたいという想いを強くしていました。そんなとき、パソナグループの起業家支援を知り、即応募。パソナグループにアントレプレナー社員として入社後、パソナの取り組みを学びながら、起業に向けて準備しました。
起業することに不安もありましたが、パソナグループの社員は皆あたたかく、ビジネスモデルの構築やアイディア出しなど、親身に相談にのってくれました。経営者は常に孤独との戦いだと思われがちですが、同時期に立ち上げた会社のトップとの勉強合宿を行うなど、恵まれた環境で成長できるのを実感しています。
「東北を変える」という夢
現在は、東北の魅力を継続的に海外に発信し、東北ブランドの認知拡大を目指す「TOHOKU365.com」の運営や、「クリエイティビティアワード東北」の実施など、インバウンドで東北を盛り上げる様々なコンテンツを展開しています。VISIT東北が目指すのは、「東北を変える」ということ。眠っている観光コンテンツの発掘、魅力ある発信の仕方や人材誘致を促進するような仕組みづくりなど、東北地方一人ひとりの意識を変え、私たちは東北経済の活性化に向けて尽力しています。
「東北を変える」という夢に向かい、前に進むしかありません。ゴールの前にある小さな山は気にならないし、気にしないことにしています。できないことはない、すべて余裕、と自分に言い聞かせることで、ひとつひとつ壁を乗り越えています。できない言い訳を考えればいくらでもありますが、時間がないからできないのではなく、やりたいから時間を作るという発想にシフトします。
ふるさとを自慢できる人を増やす
東北地方を盛り上げ、ふるさとを自慢できる人が増えれば、少しは「東北を変える」という夢に近づけるのではないかと考えています。東京に住んでいた時、銀座に外国人が溢れるようになり、経済が上向いているのを肌で感じました。海外から人が来る、外国人とコミュニケーションをとることは、その地域に新しい血液が入ってくるということ。コミュニケーションの壁を壊し、人としての幅が広がることで、地域の文化が醸成される。インバウンドは地方創生にとって、必要不可欠な起爆剤です。
そのためにはまず地域の方々に自分の信念、ビジョンをしっかりと伝え、乱暴に押し通すのではなく、丁寧に説明し、小さな山を一つずつクリアしていくという積み重ねが大切です。地域のキーマンとなる方は、周囲の人を巻き込み、地域全体、他の産業までをも牽引し、自分以外の「誰か」のために本気になれる人ばかりです。「志」があり「Passion」がある仲間と共に、住人だけでなく観光客が東北で様々な感動、経験をし、東北を語り、ふるさと自慢ができる人が増えることで東北が世界に誇れる観光都市になるよう、東北地方を盛り上げていきたいと思います。