若い頃からの散財グセが元凶
生活費の見直しで巻き返しは可能

 こんなGさんが、今から老後資金を増やすためにできるのはどんなことでしょうか。

 Gさんは現在、月収約65万円をほぼ使い切る生活をしています。まずは支出を見直し、生活費のダウンサイジングが不可欠です。そして51歳の今から、65歳か70歳か、いつになるかわかりませんが、退職までに少しでも貯蓄を積み上げることが今、最大限に行うべき努力になります。

 Gさんは若い頃から同年代の人より収入が多く、昔から金遣いが荒かったそうです。外食ばかりで食費や交際費は膨れ、被服費などの支出も多く、貯蓄できるお金があまり残りませんでした。そして、今は趣味の車にお金をつぎ込み、散財しています。その分を貯蓄に回せたら、普通の会社員よりも働ける期間が長いのですから、今からでも少しは老後資金を増やせるでしょう。

 年金も、国民年金保険料を「60歳以上65歳未満」の間にも納める任意加入の手続きをして、もう5年多く掛け金を支払えば将来もらえる金額が増えるので一考の価値はあります。また、今からiDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAで積み立て投資をするのもおすすめです。つまり、少しでも資金を老後に先送りすることが大切です。

 Gさんは今、昔の自分のお金の使い方を振り返って後悔しています。同時に、毎月貯蓄に回すお金をどうすれば増やせるか、現在の暮らし方、お金の使い方を見直しているところです。

 老後資金が不足する人は多くの場合、生活費のダウンサイジングが必須です。できるだけ少ない金額で生活することが大切ですが、そんな中にも「生きがい」「楽しみ」がなければ、人生はつまらなくなってしまいます。

 50歳になっても老後資金が準備できておらず、年金ももらえない場合、これからできることは少ないかもしれません。ですが、気がついた時から少しでも改善に向かって、努力することは、決して無駄ではありません。私は十二分に意味があると思いですが、皆さんはどう思われたでしょうか。

(家計再生コンサルタント 横山光昭)