51歳で貯金はたった300万円
月収65万円店長の老後不安

 飲食店にお勤めのGさん(51)も、年金保険料を納めておらず、老後の生活に不安を抱えているお一人。飲食店で、今は雇われ店長をしています。月収は約65万円。それなのに50歳を過ぎた今の貯金はたった300万円です。ボーナスはありません。福利厚生として労災保険に加入しているものの、その他の社会保険には加入しておらず、退職金制度もありません。ただし、定年はないため、できるだけ長く働きたいと考えています。

 若い頃は福利厚生など意識しておらず、年金保険料を支払わないことによる将来への影響など考えたこともありませんでした。

 しかし、年を重ねるにつれて、「老後貧乏」「下流老人」のような老後の不安をあおる言葉を耳にするようになり、「このままでは、自分も下流老人になってしまうかもしれない!」と漠然とした不安を持ち始め、50歳を前に国民年金保険料の支払いを始めました。

 順調に支払っていけば、国民年金の加入上限年齢の60歳までに、年金受給が可能になる「加入期間10年」の条件を超えることができます。ですが、もらえる年金の見込み額は1年間で約20万円と非常に少なく、生活を支えられる金額とはとてもいえません。

 私のところに「老後資金の準備として、今から何ができますか?」と相談に来られた時には、すでにこのような状況でした。独身なので、老後の生活を頼れる家族もいません。自分の力だけが頼りですが、働かなければ老後の収入は年金が年額20万円あるだけです。定年がないため、60歳を過ぎても働けることだけが救いといっていいでしょう。