お金にまつわる有名なことわざである。
「ただでモノをもらうと、借りができるので かえって高上りになる」といった意味だ。
例えば、健康食品や化粧品の無料サンプルである。
これらを無料でもらってしまうと、あとから高確率で勧誘されることになる。
無料サンプルは営業や勧誘をするためのきっかけなのだ。
無料でモノをもらうと、相手に対して配慮や忖度が生まれてしまうわけだ。
スーパーの試食会もそうである。
たくさん食べてから「今夜のおかずにどうですか?」と言われれば、
ついつい買ってしまう人が多いのではないか。
モノをもらうと断りにくくなるのだ。
これはお金に関しても言えること。
学費が足りなくて困っているとき、親戚のおじさんから30万円もらったとする。
援助をしてもらったおかげで、無事に学校は卒業できたと。
そして就職してひとり暮らしをするようになり、
あるとき 援助してもらったおじさんから連絡がきて、嫌な頼まれごとをされたとする。
本来ならばきっぱりと断るという人でも、借りがあると悩んでしまうのではないか。
ここで……
もし相手が打算的な人だったら?
施しをすることで優位に立ち、あなたを支配しようと考えている人だったら?
そう!
ただより高いものはないと同時に、ただほど怖いものはないのである。