昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

3分前

田中氏の自宅から見つかった約1億円

 実は、田中氏の蓄財を巡り、知られざる事実がある。9月8日、東京地検特捜部が阿佐ヶ谷の田中氏宅に家宅捜索に踏み込んだ際、部屋から約1億円の現金が発見されていたというのだ。

 地検関係者が明かす。

「田中氏の自宅は4階建てで、1階と2階が彼の妻、優子氏が経営する『ちゃんこ たなか』で、上階が住まいになっています。現金が見つかったのは居住スペース内で、優子氏は激高して係官に『私とあの人が30年以上も働いて稼いだ金だ』と喚き散らしたそうです。ただ、この時は押収せず、お札を一枚一枚、記番号が分かるよう映像で録取しただけ。その後、10月7日に田中氏宅に二度目の家宅捜索を行なった際に、その現金を押収しました」

10月7日、田中氏宅に2度目のガサ入れ

 この田中氏宅は昨年、リフォーム工事が行なわれている。工事の窓口となったのは、日大の100パーセント出資の株式会社日本大学事業部営業課の社員。

「その社員は、田中氏が長く監督を務めた相撲部のОB。13年に日大の建設工事を受注した会社から田中氏がリベートを貰った疑惑が報じられた際にも、名前が取り沙汰された人物です。実際のリフォーム工事は、この相撲部OBが営業部長の肩書で在籍する石川県の建設業者が請け負っています。OB本人は否定していますが、高額なリフォーム費用は、日大事業部が負担したのでは、との疑念の声がある」(日大関係者)

 日大事業部は、役員だった井ノ口氏が事実上支配し、大学の納入業者の選定などを一手に取り仕切っていた会社だ。同社を起点にした公私混同ぶりが、疑惑の連鎖を招いている。

井ノ口忠男氏

「逮捕された籔本氏は、田中氏に2回に分け計6000万円を渡したと供述していますが、あくまでも昨年9月の理事長再任の祝いや日大から仕事を貰っていることへの謝礼だと説明。現時点では田中邸から押収した1億円と背任事件を結びつける決定的証拠はなく、脱税での立件を模索している状況です」(前出・地検関係者)

今、あなたにオススメ