開発開始から一年足らずで実用化された新型コロナワクチンに対して、「臨床試験(治験)のプロセスが省略されているのでは?」という誤解がありますが、今回の新型コロナワクチン開発において臨床試験のプロセスが省略されたという事実はありません。
一般的な医薬品開発の場合、研究室における試験管内での実験や動物実験を経て、人を対象とした「臨床試験」が行われます。臨床試験にもステップがあり、人での忍容性や安全性を確認する第I相試験、有効性の確認や最適な投与方法を見出すための第II相試験、そして第II相試験で見出された有効性を科学的に証明したり、どのような副作用(副反応)が起きうるのかを確認するための第III相試験が行われます。ここまでに得られたデータは企業によりまとめられ、各国の医薬品承認審査機関に提出されます。さらに、申請されたデータや製品の品質管理などに間違いや偽りがないかといった、様々な調査も行われています。
現在日本で承認されている新型コロナワクチンでは、上記のプロセスが省略することなく実施され、信頼性が確認されたデータによりワクチンの有効性や安全性が示されています。承認審査に当たっては行政機関のみならず、独立した第三者委員会による議論も世界各国で行われています。
(参考資料)
ICH-E8 臨床試験の一般指針
ワクチンの安全性及び有効性担保に関するICMRA共同声明
PMDAの審査報告書(ファイザー社のワクチン)
PMDAの審査報告書(武田/モデルナ社のワクチン)
PMDAの審査報告書(アストラゼネカ社のワクチン)
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