柏
かしわ
青森県西部、西津軽郡(にしつがるぐん)、津軽平野のほぼ中央にあった旧村名(柏村(むら))。現在はつがる市の南東部に位置する地域。国道101号が通じる。1662年(寛文2)弘前(ひろさき)藩4代藩主津軽信政(のぶまさ)によって開拓された新田で、藩の直営工事として約40年かけて完成した。かつては広須村と称したが、1889年(明治22)村制施行の際、広須村のシンボルとされていたカシワの木にちなみ柏村と改称した。2005年(平成17)、西津軽郡木造(きづくり)町、森田(もりた)村、稲垣(いながき)村、車力(しゃりき)村と合併して市制施行、つがる市となった。米とリンゴが主産で、1878年に古坂乙吉が植栽した日本最古といわれるリンゴの古木3本が残っている。長寿リンゴといわれ、「紅絞(べにしぼり)」2本、「祝(いわい)」1本で、幹の周囲2~3メートルに及び、県の天然記念物。
[横山 弘]
『小野昇之進著『柏村郷土史』(1964)』
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かしわ〔かしは〕【×柏/×槲/×檞】
1 ブナ科の落葉高木。葉は短い柄をもち互生し、倒卵形で厚く、縁に波形の鋸歯がある。秋に落葉せず、枯れたまま越年する。4、5月ごろ、新葉とともに雌花と雄花とをつける。実はどんぐりで、多数の鱗片からなる殻をもつ。若葉はかしわ餅に用いられる。かしわぎ。もちがしわ。
2 紋所の名。カシワの葉をかたどったもの。三つ柏・抱き柏・結び柏など種類が多い。
3 《カシワの葉に盛ったところから》上代、飲食物を盛るのに用いた木の葉。
「髪長比売に大御酒の—をとらしめて」〈記・中〉
かしわ【柏】[地名]
千葉県北西部の市。昭和29年(1954)柏町が周辺町村と合併して東葛市となったが、2か月後に改称。平成17年(2005)沼南町を編入。人口40.4万(2010)。
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かしわ かしは【柏】
千葉県北西部、利根川右岸の
地名。
水戸街道の旧宿場町。現在はJR常磐線、東武野田線が通じ、東京の
住宅衛星都市として
発達。昭和二九年(
一九五四)九月、
東葛市として市制、同年一一月、
柏市に名称変更。
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柏 (カシワ・ハク)
学名:Quercus dentata
植物。ブナ科の落葉高木,園芸植物,薬用植物
柏 (カエ)
植物。児手柏・檜などの常緑針葉樹の総称,または榧の古名
柏 (ハク・カエ)
植物。ヒノキ科の常緑針葉高木,園芸植物。サワラの別称
柏 (ハク)
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報
世界大百科事典内の柏の言及
【墓】より
…これは,盗掘者の手から守るためにまわりの森林と同化し墓をカムフラージュするためと,木への信仰に起因するものと考えられる。木は梓(しん),松(しよう),柏(はく)がとくに好まれたが,これらは古代から棺材としても選ばれた木々である。それらが霊のすみかである墓に植えられたのは,死骸の腐敗を防ぎ,その復活を促し,魂をつねにその霊のもとにつなぎとめる働きをもっていると信じられたからである。…
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