傷は肝臓貫通…中3男子が刺され死亡[2021/11/24 23:30]
愛知県弥富市の中学校で24日午前8時ごろ、3年生の男子生徒(14)が包丁で刺され、死亡しました。警察は、同じ学校に通う別の男子生徒(14)を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕しました。
2人は別々のクラスでした。警察によりますと、男子生徒は、被害者の生徒を呼び出し、刃渡り約20センチの包丁で、腹部付近を刺しました。当時、それぞれの担任の教師は教室にいて、犯行の瞬間は、見えていなかったといいます。悲鳴が聞こえ、担任が廊下に駆け付け、凶器を下すよう言ったといいます。警察によりますと、刺したとみられる男子生徒は、教師の指示に素直に従ったといいます。
中学校の校長:「(被害生徒は)廊下で刺された後に、けがした状態で教室に戻った。出血もあって、厳しい状態だと思いながら、救急隊が来るまで学校としてできる限り心臓マッサージや、意識の確認をしながら過ごした」
被害者の男子生徒は心肺停止の状態で病院に搬送され、その後、死亡しました。死因は“出血性ショック”で、傷は肝臓に達していました。刺したとみられる生徒は取り調べに対し、「私がやったことで間違いありません」と容疑を認めているということです。凶器の包丁は、自ら学校に持ち込んだとみられています。
この生徒について、学校側は、こう話します。
中学校の校長:「(Q.補導や指導を受けたことは)そういうことで話題に上がる生徒ではない。本校では、毎週、生徒指導に関わる事例を相談する会議があるが、特に問題になるようなことはなかった。普通というと言葉は悪いが、中学生として、ある姿の中学生。なぜ、そのようなことをしたのか。私たちもわからず非常に混乱している」
2人は、中学2年のころは同じクラスでした。小学校も同じだったといいます。
中学校の校長:「(Q.これまで、いじめとかトラブルは)学校として思い当たるところはない。生徒にも聞き取りをしながら、どんなことがあったか確認しているところ」
警察は25日、容疑を“殺人”に切り替えて送検する予定です。
事件があった中学校では、24日午後の授業が中止になりました。教育委員会によりますと、事件のあと、4人の生徒が体調不良を訴えています。生徒の心のケアのため、25日以降、臨床心理士の資格を持つカウンセラーが派遣されるということです。