ケムリクサは、自主制作アニメーションサークルirodoriが制作に関与したアニメーション作品。自主制作版とテレビアニメ版の2種類が存在する。
この記事ではテレビアニメ版を中心に扱う。
概要
irodoriが『けものフレンズ』の次に手がけた、たつき監督降板事件後初の地上波公開アニメーション作品。
元々はアマチュア時代にニコニコ動画とYouTubeに投稿された「自主制作アニメ」であり、テレビアニメ版はそのリメイクになる。
また、たつき監督降板事件を受けて、ヤオヨロズのプロデューサー福原慶匡が提唱した製作委員会を関与させない体制「パートナーシップ制度」のプロトタイプ作品ともされているが、実際は既存の製作委員会制度(ヤオヨロズケムリクサプロジェクト、YKP)が採られている。
自主制作版
2010年から2012年にかけて、ニコニコ動画を中心に短尺の新作映像が投稿されていた。同年2月にはニコニコ動画とYouTubeにて長尺版が投稿された(総再生時間約28分)。2012年の第24回CGアニメコンテストでは作品賞を受賞している。
だが、2019年4月には「諸般の事情」により、ニコニコ動画では第3話を含んだ長尺版全編が、YouTubeでも同じく第3話を含んだ長尺版後編が削除された。「諸般の事情」についてたつきおよびirodoriは「公開終了」「一区切り」と表明しているが、エンディングテーマ『新世界へのプロローグ』の権利者である箸休の要請により削除された可能性が高い。
後述するテレビアニメ版との相違点は、キャラクターデザイン以外にも、登場人物の名前に「凛」「律」「鳴」などのが当てられている、ケムリクサが紙巻きたばこの形状である、鳴(りな)が7人に分裂している、などが挙げられる。
スタッフ
監督・アニメーション - たつき
キャラクターデザイン・2D - 平安
モデリング - タチ
背景美術 - ゆっこ
音 - ちゃぼ、かきね
制作 - irodori
エンディングテーマ『新世界へのプロローグ』
箸休/hashiyasume
テレビアニメ版
製作過程
ヤオヨロズケムリクサプロジェクト (YKP)の構成企業は公開されていないが、スタッフリストの企画、プロデューサー等に挙げられた人名から、おおよその参加企業を特定できる。
・企画
高麗大助:クリスマスホーリー
川手純:シーワン
伊藤幸弘:BSフジ
寺井禎浩:ジャストプロ
別所敬司:ストロベリー・ミーツ ピクチュアズ
吉永達世:つばさエンタテインメント
中條喜一郎:アイビス・キャピタル・パートナーズ
佐藤類:サイバーステップ
大塚政人:北海道文化放送
・P
高木隆行:鐘通インベストメント
大森慎司:BSフジ
渡邉亜依:アイビス・キャピタル・パートナーズ
五十嵐和樹:サイバーステップ
本間裕之:北海道文化放送
・アソシエイトP
君島すみれ:グローバル・ソリューションズ
村河理紗:ストロベリー・ミーツ ピクチュアズ
井口修平
寺澤萌美:北海道文化放送
坂本円香:ジャストプロ
正式な制作告知は2018年2月11日、東京・新宿のアルタシアターにて開催されたアニメーション制作会社・ヤオヨロズのトークイベントにて明かされたもの*1だが、2017年12月29日に開催されたコミックマーケット93の時点でirodoriから新作の制作告知がなされていた。
群咲一葉@インターネット同人感想おじさんのツイートより(魚拓)
irodori様の傾福さん。頂いたチラシに「TVアニメ 始」の文字が。これの意味するところは…?
午前10:21 · 2017年12月29日·Twitter for Android
テレビアニメ以外にも『ウルトラジャンプ』2019年2月号から4月号に「本編並走型副音声コミカライズ」としてたつきが描く『わかばメモ』が連載されており、メディアミックス作品としても展開していた。
ちなみにたつきは『けものフレンズ』(テレビアニメ)の放送中に「けものフレンズの制作に500日かかった」旨をツイートしているが、『ケムリクサ』(テレビアニメ)放送開始時から500日溯ると丁度「ざっくり」ツイートの前後になる。
また、タイトル発表の半年前の時点で「廃墟が舞台となる新作アニメ」の制作に取り掛かっていたという証言*2もある。
「アニメじゃない、本当のゴーストタウン」再訪、金鉱山ゴーストタウン&週刊ベースボールハウス.5(仄暗いお散歩)より(魚拓)
少し前、このブログの記事のために奥多摩湖の廃墟ロープウェイに行っていた頃、あるアニメ製作会社からメールが届いた。
『今、あるアニメの企画が進行していまして、舞台が廃墟なので、よろしければカイラス様のアドバイスが欲しい』とそのメールには書かれていた。
自分でこういうのもなんだが、おそらく、アクセス数などで僕のブログを選んで連絡をくれたものと思われるが、こういう人らが素材として扱いたいのはたぶん、軍艦島や摩耶観光ホテルといった、メジャーどころであろうことは容易に想像できた。
僕の得意としているのは、近所の名もない廃墟の残留物から想像力を働かして、かつての住人達の生き様を妄想を挟みつつ語りつくす、といったものなので、アニメ制作会社の期待に添えなく、力不足であろうことは、これまた容易に想像できた。
アニメに疎い僕は もしかしたらドッキリではという疑念もあり メールに表記されている制作会社とメールの送り主の名前をネットで調べてみることにした。
すると、その制作会社はかなりメジャーどころであることが判明。
モーニング娘。で知られる芸能事務所「アップフロント」傘下のアニメ制作会社であった。
そのアニメ制作会社の代表作は僕でも知っているアニメ「けものフレンズ」。正直、まるっきり興味のないジャンルのアニメだが、ファミリーマートでコラボをしていたので、辛うじて認識はしていた。
メールの主は末端のアシスタントディレクタークラスかもしれないが、アニメ制作会社のHPに名前があった。
きちんとした組織のようだったが、僕の方に彼らが求める資質を持ち合わせていないだろうことは明白だったので、かと言って正面切って断るのは忍びなく、メールの応答を段々と遅滞させていくという、緩やかな拒否反応を示す作戦に出てみた。
やがて、想像通り、連絡が途絶える。
それから半年以上が経った頃だろうか。
その制作会社が新作アニメのタイトルを発表したというニュースをネットで目にする。
「ケムリクサ」というその作品、世界最大の建設機械としてギネスにも登録される「バケットホイールエクスカベータ」の上に立つ少女のイラストとともに記事が報道されていた。
あぁ、あの時のが、これなのかと、その退廃した世界観に納得。
以上のことを踏まえると、『ケムリクサ』のタイトル発表は2018年2月のことであり、そこから逆算すると2017年9月には既に『ケムリクサ』の制作に取り掛かっていたということになる。そのため「『けものフレンズ』のアニメ2期制作を最初から受ける気はなかった」ないし「条件が見合わないとして早期に交渉を打ち切っていた」可能性も挙げられていた。
『けものフレンズ』(テレビアニメ)との類似点
たつきファンの間では、人物や舞台設定などに『けものフレンズ』との共通点があり、これは「『ケムリクサ』(自主制作版)にあった要素を『けものフレンズ』に持ち込んだためである」といった主張がなされている。
だが、自主制作版からは主人公のわかばが凛に助けられる場面以外に共通点を見出すことが難しく、テレビアニメ版との共通点もほぼ「ストーリー終盤に主人公の秘密が明かされる点」に集約されている。そもそも自主制作版は短尺でありストーリー展開も少ないため、自主制作版を元に『けものフレンズ』を制作した可能性は低いとみなされている。
そもそも、作品が世に出た順番は『けものフレンズ』が先であるため、『ケムリクサ』中に『けものフレンズ』に似ている要素があれば、時間の流れを考えると『けものフレンズ』の要素を『ケムリクサ』に流用したと考える方が自然である。
なお、登場人物の一人「りく」は、自主制作版からデザインと性格が大幅に変更されている。テレビアニメ版のりくは、フードを深めに被った服装や男性的な口調など旧デザインの面影はなく、ありていに言えば『けものフレンズ』のツチノコに酷似している。
「ケムリクサ」の大幅改変
題名にもなっている物体「ケムリクサ」は、作中では非常に重要なアイテムとして登場する。自主制作版でのケムリクサは紙巻きたばこの形状をしており、ひと目で「ケムリクサ」すなわち「タバコ」であるとわかる代物だった。登場人物の「凛」はケムリクサを吸うことで様々な効能を得て、敵である「アカムシ」と戦っている。また、「凛」や「わかば」の名前の由来も、実際のたばこの商品名に由来しているのではないかとする説もある。
だが、地上波放送ではたばこや喫煙に関する表現規制が厳しい昨今、登場人物がフィクションの産物であるケムリクサを吸う場面も「喫煙」を想起してしまうため、自主制作版にあった煙が出る描写は削除されて、形状も単なる「色がついた葉(草)」に変更されることとなった。なお、形状は植物のタバコの葉以外にも複数の植物をモチーフとしたものが登場する。なお、オープニングアニメーションや次回予告に煙の描写があるが、特段ケムリクサと関連づけられたものではない。
ただし、ケムリクサそのもの意味を歪めてまで改変するのはたつき含む制作陣も何か思う所があったのか、作中の1シーンでとある人物が喫煙するシーンがある。
『ケムリクサ 12.1話』
ケムリクサ放送終了後の1週間後に追加エピソードである12.1話をニコニコ動画及びyoutubeで公開している。
これはけものフレンズ1期の「ばすてき」の手法と非常に酷似している。
つまりこの手法は2回目であり、ばすてき同様たつき監督の独断であれば同じ手を2度も通用するとは思えず、ヤオヨロズが事前に承諾して公開したものと考えられる。
ただ、それは「ばすてき」の時でもヤオヨロズは知っていたのでは?という推測は充分に成り立つ。
キャンペーン
Twitterアイコンの配布
2018年10月6日、公式Twitterアカウントはフォロワー1万人突破記念として「りん」「りつ」「りな」の3人のTwitterアイコン用画像を配布した。
TVアニメ「ケムリクサ」公式の2018年10月6日のツイートより(魚拓)
TVアニメ「ケムリクサ」公式 @kemurikusa
皆様のお陰でフォロワー10,000人突破致しました、日頃の感謝の気持ちを込めて、りん、りつ、りなのアイコンをプレゼントさせて頂きます。引き続きケムリクサの応援よろしくお願いします。#ケムリクサ
午後0:00 · 2018年10月6日·Twitter Web Client
その後、たつきよりさらに3種のTwitterアイコン用画像が投稿された。これらは公式提供のものとは仕様が異なっており、たつきが独自に作成したものと考えられる。
なお、双方の画像とも「ケムリクサ」というクレジットが入っているが、Twitterアイコンの仕様は円形のため、文字が途切れてしまう。
ケムリ公式、たくさんフォローしていただいてありがとうございます!
よろしければこちらもアイコン用にどうぞー
午後7:53 · 2018年10月6日·Twitter Web Client
コラボレーション
日清「どん兵衛」とのコラボレーションCM
2017年9月の『けものフレンズ』とのコラボレーションに引き続き、『ケムリクサ』でも日清の「どん兵衛」とのコラボレーションCMが放送された。
なお、現在日清の公式サイトには『ケムリクサ』に関する記述は存在しないが、これはコラボレーション商品が発売されなかったためであり、同時期にコラボしていた『ひもてはうす』『荒野のコトブキ飛行隊』は公式サイトにコラボレーションのことが記載されている。
ドン・キホーテでのコラボ商品の発売
ディスカウントストアチェーンドン・キホーテがかねてより行っていたアニメコラボグッズの一環として『ケムリクサ』グッズが発売された。*3
発売日は2019年9月21日。ただし、新規に書き下ろされたイラストはたつきの描き下ろしではない。
ちなみに同時期にコラボが行われた『SSSS.GRIDMAN』『ゾンビランドサガ』は第二弾以後もコラボレーションが行われたが『ケムリクサ』は一回に留まった。
コラボレーションの停止が売上が原因なのか、あるいは権利問題(後述)によるものかは明らかではない。
評価
たつきファンからは絶賛されている。また、けものフレンズ2アンチやKFPアンチを兼ねている層からは「本作こそが『けものフレンズ』の続編」とする主張が強い。
しかしながら、作風は『けものフレンズ』とは真逆のシビアな世界観であり、「黒と赤の陰鬱とした、荒廃した世界」「死ぬか生きるかのサバイバル」「男女の恋愛要素」などの要素を受け入れられない視聴者もいた。だが、世界観に関しては「『けものフレンズ』の優しいフィルターを取り払っただけで、厳しい世界を仲間たちと協力して生き抜くという点は共通している」という考察もある。しかしながら肝心のけものというものは無視するものとする。
なお、放送終了直後は続編の制作を期待する声がファンから多数上がっていたが、ヤオヨロズの解散頃から熱心なたつきファンが「綺麗に終わったから続編は必要ない」という主張を強めているため、続編を望んでいるファンは同じファンからたしなめられることがある。
外部サイトの評価
アニメイトタイムス「続きが気になっていつの間にかファンに!! 雰囲気と勢いで楽しく見られるおもしろアニメをご紹介!!【2021年版】」にてけもフレ1期とケムリクサの紹介が行われた。
これだけならよくある話だがあらすじで「タバコのような外観をしたもの」とケムリクサが紹介されており、自主製作版のあらすじなのでは?と声が挙がっている。
この「タバコのような外観をしたもの」という記述はアニメイトタイムズに限った話ではなく、オリコンニュース アニメ&ゲームでも紹介されている(ただし、オリコンニュースはアニメ放送前の特集なので自主製作版のあらすじを使っている可能性があり、放送後から時間が経過しているアニメイトタイムスがこれを引用する必要があるのかは疑問が残る)。
Blu-ray Disc『ケムリクサ』の売上
Blu-ray Disc『ケムリクサ』第1巻(上巻)の売上数は、15,326枚だった。この数字は2019年に放送された作品の中では3位に入るもので、たつきファンは「覇権アニメ」である自負をより高めることとなった。しかし、1位を記録したのは『マナリアフレンズ』*4であり、『ケムリクサ』は3位であるため、売上本数の多さで判断すれば覇権アニメとは言えない。
2019年円盤第1巻売上順位(12/29日15:00時点)
*1 27,890 冬 マナリアフレンズ
*2 22,773 春 鬼滅の刃
*3 15,326 冬 ケムリクサ
なお、映像ソフトの売上は発売初週が最大の数値になり、その後は徐々に数値が下がっていく*5のが通例だが、『ケムリクサ』は発売初週~3週目*6までがほぼ5000枚前後のまま推移し、4週目から1000枚前後まで落ちる」という特異な売れ方をしていた。
そのため、ヤオヨロズアンチからは「ヤオヨロズの自社買いによる数字の誤魔化しが入っているのでは」という疑惑の目が向けられた。ただし、あまりにも不自然すぎるため「工作ならばもっと自然な数字を出すはず」「こんなあからさまに不自然な数字は作らない」という反論もなされた。
一方で、当時売り切れになっていたはずのBlu-ray Discが「ジャストプロ」名義でAmazonマーケットプレイスに大量出品されていることが確認された。
これに対してはヤオヨロズアンチだけでなく界隈外からも疑義が生じたが、福原慶匡を含む数名の関係者は「売り切れになる前に確保しておいた」という不可思議な発言をしている。
また、商品の梱包はソフト制作会社や流通会社ではなくたつきを含むirodoriや、ヤオヨロズ、ジャストプロの社員が梱包して、自分たちの手で発送するという通常の販売形態とは異なる流通をしていた。
余談だが、足立淳は上記の自社買い疑惑をネタにした漫画の執筆を思いついたが「状況証拠しか存在せず確証に欠ける」として断念している。
なお、足立はKFPアンチから「疑いを向けた時点で真フレである」として、それ以降攻撃を受けることとなった。
その後x話のDVDが発売。たつきはツイートでケムリクサのDVDが米国で大人気の「アベンジャーズ エンドゲーム」を越えた事を報告している。
(なんでやねん…数全然読めん…でもありがとうございます、荷が間に合うように3人でがんばりますー)
午後2:08 · 2019年9月6日·Twitter Web App
現状直接無関係だったりソースのない数字をもとにした憶測以外存在しておらず陰謀論の粋を出ない。
問題点
過酷な制作環境
ヤオヨロズの福原慶匡によるインタビューによれば、同社は「たつき監督の作りたいものを具現化するためのスタジオ」であると明言されていた。この発言をそのまま受け取れば、昨今労働環境の過酷さが取り沙汰されるアニメーション業界の中では、かなり優遇された環境であると考えることができる。
しかし、当のたつきは2019年4月7日のツイートにて「1年弱家に帰っていない」「半年ぶりに布団で寝て気持ち良すぎて怖い」等と発言している。たつきの発言を真とするならば、『ケムリクサ』の制作現場は「ヤオヨロズに年単位で泊まり込み」をして、かつ「仮眠室等の環境は整っていない」環境であったことになる。
これらは第三者から見ても理想の制作環境とは言い難く、インターネット上ではたつきの健康を心配する声が上がったものの、たつきファンからは武勇伝として捉えられてしまい、インターネット上での絶賛する風潮からヤオヨロズに対する批判や炎上は起きなかった。
たつきの発言に懐疑的な層からは、この発言をたつきの脚本費・脚本印税未払い発言事件と並ぶ、「仕事相手に対する告発」ではないかと推測する動きもあったが、真意は明らかになっていない。
『けものフレンズ2』の監督である木村隆一は、たつきのTwitterでの発言に対し、「アニメ業界であれ何の仕事であれ、家に帰ってないなんて自慢にならない。身体壊すほど働かなきゃいけないならアニメなんて作る必要はない。無理をしてしまう時はある、けど身体を壊しては元も子もない。他人にそれを強要しないよう自戒したい」とTwitterで発言した。たつきの発言が自慢に基づくものかは定かではないが、木村のこの意見表明は過酷な労働環境が蔓延しているアニメーション業界に一石を投じるものでもあった。だが『けものフレンズ2』炎上の余波から、木村のこのツイートに対してけものフレンズ2アンチやKFPアンチ、ネットイナゴから多くのバッシングが寄せられることとなった。
DVD『ケムリクサ .xおまけ』の不具合
irodoriは2019年8月のコミックマーケット96にて、DVD『ケムリクサ .xおまけ』を頒布した。だが、同DVDは頒布当初から再生できないとの声が一部で上がっており、Amazonでの販売が開始されて以降も、再生できないとの不具合報告が多数出ることとなった。この件についてHoly Cater*7が実物を用いた検証を行い、再生できない原因は「オーサリングの設定ミスにある」との結論に至った。
Holy Caterの2019年10月11日のツイートより(魚拓)
Holy Cater @linear_pcm0153
ケムリクサ、趣味のアニメDVD
午後6:06 · 2019年10月11日·Twitter Web App
Holy Caterの2019年10月13日のツイートより(魚拓)
Holy Cater @linear_pcm0153
@jullienmintz
自分なら、って話ですけど、総尺が9分なのに、このvobファイル量は分割しすぎだなぁ~ってのは思いました。
DVD規格ですとAC-3は最大448kbpsと定めている様ですが、これは5.1chの時のレートであって、2chで320kbpsってのは同じく自分なら選択しないレートだとは思いました。午後3:24 · 2019年10月13日·Twitter for Android
すなわち、DVD規格を前提にしつつも、映像がDVD規格になっていなかったことが原因だった。
一方、Twitterを通した多数の不具合報告を受けて、たつきは声明を発表した。
10/2に取扱開始したケムリクサ.x話DVDの一部で音が正しく再生されないというお話を目にしました。
マスター作成時とプレス後にそれぞれDVDプレイヤー・PS4・ノートPC・デスクトップPC・ポータブルDVDにて正常な再生を確認しておりますが、他環境にて相性により上の症状が出ることがある様です(続く)午後9:18 · 2019年10月11日·Twitter Web App
(続き)大変恐れ入りますが全ての再生環境に対応する事が難しいため、問題が出てDVDが所有に値しないと思った場合、お手数ですがamazonさんにて返品手続きをお願いしてよろしいでしょうか。
また9月以前に入手された方で対応をお求めの方はメールにてご連絡下さい。よろしくお願いいたします。午後9:18 · 2019年10月11日·Twitter Web App
ここでは不具合に対する形式的な謝罪はなく、「問題が出てDVDが所有に値しないと思った場合」にはamazonへの返品手続きをするよう、9月以前に入手した人を対象とした対応にはメールで連絡するよう呼びかけた。「所有に値しないDVD」という一般には聞き慣れない表現が用いられたが、たつきファンはこれを「神対応」と評価した。
商標登録の拒絶
YKPの参加企業であるストロベリーミーツピクチャーズ(以下ストロベリー)*8は、2019年夏ごろに『ケムリクサ』の商標登録を特許庁に申請した。なお、同社は『ケムリクサ』の正規グッズ販売を請け負う会社であり、『邪神ちゃんドロップキック』とともに『ケムリクサ』グッズの販売イベントを開催していた実績もあった。
だが、同社は「たつきとの関係性が不明」として商標登録を拒絶され、その後は再度申請されることなく現在に至っている。これらの事情から、現在『ケムリクサ』の商標権というのは存在せず、宙に浮いている状態となってしまっている。これが直接の原因かは不明だが、『ケムリクサ』の商業展開は2019年9月のドン・キホーテとのコラボレーションを最後に途絶えている。このような商業展開の早期終了は、ヒットといえる数字を出したテレビアニメの中でも、異様の速さとなっている。
同社の主力業務は創作物の商標や権利の管理であるため、商標拒絶はアニメ制作会社がアニメ制作に失敗するのと同等の大失態である。また、『ケムリクサ』の権利について主導権を持っているヤオヨロズが製作委員会の参加企業にこのような扱いをさせたことは、業界内でも前代未聞のこととされる。
商標の取得には、原作者であるたつきやヤオヨロズにも事前の交渉および契約があり、商標権そのものについての対価もたつきおよびヤオヨロズに支払われるはずである。すなわち、商標権が取れなかったことは『ケムリクサ』の貴重な商品が失われたのと同義である。商標拒絶についてはたつき、ヤオヨロズの双方とも一切言及しておらず、何故商標が取得できないままに終わったかは現在でも不明のままである。
なお、福原慶匡は現在でも『邪神ちゃんドロップキック』のグッズ販売を通してストロベリーミーツピクチャーズの関係性は続いているため、福原やヤオヨロズが問題の発生源とは考えにくい。
日本SF大賞への大量エントリー
一般社団法人日本SF作家クラブが開催している第40回日本SF大賞*9において、作品のエントリー掲示板に『ケムリクサ』を推す文章が大量に投稿されるという事態が発生した。
同賞は1980年に創設された権威ある賞で、年1回、9月1日から翌8月31日までの1年間に発表された作品*10の中から最終候補作を選び、日本SF作家クラブの総会で選ばれた数名の選考委員による討議を経て、受賞作を決定している。なお、審査作品は一般読者が推薦したいものを公式サイトの専用掲示板から「エントリー」するもので、個人が匿名(ハンドルネーム)で、なおかつ複数作品の推薦が可能となっている。
『ケムリクサ』のエントリー数は、エントリー総数274件中78件にも上り、全体の約3割にも及んだ。前後の第39回と41回のエントリー候補ページはいずれも9ページ程度に収まるエントリー数だが、『ケムリクサ』が大量にエントリーした第40回は14ページにも渡っている。
TVアニメ『ケムリクサ』 優れた伏線
多くの伏線が張られ深い考察を味わえる作品。作中違和感を感じる場面が有るが、それすらも伏線であり考察するための材料となる。
背景の細かな所にも謎が散りばめられている。美しく荒廃した背景も注視して鑑賞して欲しい。
OPやEDの歌詞もアニメの内容に深みを与えるエッセンスとなる。曲と共に流れる映像も同様であり謎が隠されている。題名にすら作品のテーマが隠されている。
自分はアニメを全話見ると飽きてしまい繰り返し見ない人間だが、見るたびに新しい発見があり何度も何度もこのアニメを見返してしまう。
放送終了後にも熱が冷めず、ファンが新たな発見をして考察がなされる事がしばしば有る。
最初は何も情報を得ずにこの作品を見て欲しい。見終わってから一話を見直すと新しい発見があるかもしれない。
ネットの海から先人の考察を見るのも一つの手だ。
最後にこの作品を通してあなたの『好き』が見つかる事を祈っている。TVアニメ『ケムリクサ』 まんだ凛
赤霧に包まれる荒廃した世界で暮らす姉妹たちが、突如現れた謎の少年や彼を慕うロボットとともに生き抜く物語。なぜこの世界は荒廃しているのか、この世界の仕組みはとは一体何か…冒頭から謎に満ちあふれているが、話が進むにつれてその謎が明らかにされていく。登場人物の会話やしぐさ、背景描写に無駄がなく、わずか12回という短い放送回数の中できっちり完結させる点が原作者でもあるたつき監督の腕の見せどころである。視聴を繰り返すことで、初見では得られなかった新たな知見や、そこで生じた謎を得ることができ、これを皆で共有することで何度でも視聴を楽しむことができる点にこの作品の奥深さを感じ取ることができる。たつき監督が作品に込めた「自分の好きを大切にせよ」というメッセージが、ストレスに満ちあふれた現代社会を生き抜く私たちの心に響き渡る素晴らしい作品だ。
TVアニメ『ケムリクサ』 アイジス・アドレイジュ
水が不足した荒廃した世界として、未来の地球を連想させた作品。だと思っていたが、話を進めるうちにどんどん引き込まれてSFなのだと分かっていても、びっくりした。なぜ、ここまで感づけなかったのか、急に現実的に辻褄があうのが恐ろしい。
TVアニメ『ケムリクサ』 コッペリ
この作品は25分×12話で構成されたTVアニメです。
登場人物も少なく荒涼とした廃墟が続き、一見地味な印象を受けるでしょう。
SFのジャンルとしてはポストアポカリプスに当たるかと思います。キャラクターの目的や出自、せかいのしくみ等は作中で徐々に明かされ、視聴者は手探りでストーリーを追うことになります。
思案を巡らせ考察を重ね、辿り着いた先で数々の伏線が一気に回収される時のカタルシスは筆舌に尽くし難く、是非とも体験していただきたい。TVアニメ『ケムリクサ』 もっさん
推薦の理由として、デジタル機器をケムリクサと呼ばれる植物の葉で表現するという斬新な試みがなされていた事や、移動手段に広島の路面電車を木の根を手足にして動かしたり、電話ボックスを横に寝かして貯水タンクするなど言葉で表現して理解されない、他作品では見た事のないような表現を見事に映像化されていた事に興味を惹かれた事です。
そして、世界観の表現にも惹かれました。
ケムリクサの世界には廃墟しかなく空は常に曇りがかり暗く、所々に高熱を発する赤い霧がかかり、アカムシと呼ばれる自動で動く機械が襲い掛かるというポストアポカリプス物によく見られる終末世界ではあるものの登場人物が死を受け入れているので作品の雰囲気は思いの外のんびりとしているミスマッチ感も良かった。
ストーリーは仏教の輪廻転生や日本神話の国生みの話の要素もあり、数多ある終末物新しい風が吹き込まれたと感じました。TVアニメ『ケムリクサ』 ペンペングサ
謎の文明との関わりによってもたらされた世界の荒廃とその有り様を、原作者であるたつき監督は包括的に観察し、覗き、物語世界の断面として描いています。登場キャラクターに設定を語らせることも記憶の独白をさせるのでもなく、主人公りんとその姉妹達、記憶喪失の青年わかばの言動によって世界が断片的に解き明かされ、視聴者は極僅かな情報からケムリクサの存在する世界の法則を見出すように誘導されていきます。情報を的確に絞り世界のシミュレートを喚起する点においてSFの楽しみ方を提示する優れた作品です。
また、物語の本筋に影響を与えない形で地理や歴史が伏線として機能し、放送直後からSNSを通じた集合知によってそれらが意味をなしてくる様は驚く他ありません。終盤において回収された伏線とともに1話から周回することで新たな気付きがあり、ストリーム配信というパラダイムをも取り込んだ新たな時代のSF作品であると言えます。【ネタバレ注意】
舞台となる赤い霧で覆われた十の島々は、全てが廃墟と化している。そこを旅する三人の姉妹達と一人の少年、そして一体のロボット。
日本神話を引用しつつ、宮崎駿や大友克洋からの影響が伺える終末SFだ。
しかし、鬼才・たつき監督は『ケムリクサ』によって「日本」そのものを異化せしめ、平成最後のSFアニメとして見事に昇華させた。
旅路では、日本が近代以降に作り上げた建築・構造物に擬したものが数多く登場する。
これらを廃墟にしてしまったのは、過労死寸前の技術者を助けたいと思った一人の少女の善意だった。
今や疲弊した技術立国日本および日本人は、ポストアポカリプスSFの主役そのものになり得ることをたつき監督は示したが、物語に込められたメッセージは「『好き』に生きろ」。
この国の未来を担う存在たちへ、強く希望を込めたものである。
令和最初の日本SF大賞には『ケムリクサ』が選ばれてほしいと思う。TVアニメ『ケムリクサ』 じゃぱり
【ネタバレ注意】
我々は,我々が生み出したものが自由意志を持つことをひどく恐れる.だからこそ,我々にとって便利な「予定的意志」を彼らにプログラムし,決して我々への信仰を失わないよう仕向ける.
本作は現代版「失楽園」だ.創造主が被造物に一切の使命を与えず,ただ「すきにいきる」ことのみを命じた時,彼女達はどう行動するか.
主人公りんは適切な通過儀礼なしに「大人」になってしまった存在である.本作は,彼女が偽りの大人であることをやめ,真に自由な意志を獲得するまでを明快に描ききった.
その姿は現代を生きる我々にも無関係ではない.自我への執着をやめることは,自分のしたいことを犠牲にすることではない.現代人を取り巻く不幸の種の一つはこの誤解にあるだろう.
もし我々を創りたもうた神が存在するならば,我々に託された彼/彼女の望みもまた,「すきにいきる」ことだと,私は信じたい.TVアニメ『ケムリクサ』 XELA
よくあるガールミーツボーイ、ロードムービーのアニメではあるが、舞台が日本のどこかにある観光地に見えるがすべて荒廃していたり、生きている人物が少なかったりと中々視聴者を引き付ける導線や伏線を数多く仕込んでいる、しかもセリフではなく映像に仕込んでいるので、一つのシーンに対して膨大な情報はあるものの苦にならずにこの作品の世界観を理解することができる。
そして、終盤の展開でなぜ日本の観光地なのか、荒廃しているのかなど導線と伏線がつながった瞬間の感覚は感動を覚える、また、物語を通して「悪意」というのは存在しないという発想も面白い、これは次の時代を担う新しい物語なのではないかと感じる。TVアニメ『ケムリクサ』 mahatasan
···それは、草の見た夢なのか···
ケムリクサという、よくわからないもの。
この物語は異質な風景と、そこで生きる人々のドラマ、マクロとミクロ両方の視点からその謎にアプローチしていきます。
ふたつのスケールで起きた出来事の共通点、自己相似(フラクタル)の関係を見いだすことができた時、きっと戦慄するようなセンス・オブ・ワンダーを体験することでしょう。
SFの非日常的な風景と価値観を、現代の視聴者にも馴染みのある日常的な表現に置き換えて取っ付きやすくする作風は、ラリイ・ニーヴン、ジョン・ヴァーリィ、グレッグ・イーガン等の作品に通じるものがあります。
世界観、ドラマ、ガジェットの三つが有機的に結びついて、一見突拍子もない設定に濃厚なリアリティを与えており、完成度の高いSFの見本としても太鼓判を押したい作品です。TVアニメ『ケムリクサ』 キイロソバ
荒廃した世界で、赤髪の姉妹が水を求めて生活し、ある日一人の少年と出会いを果たす。導入はこんな感じです。物語の過程で様々な謎が散りばめられ、視聴者の想像力を刺激していきます。その謎の出し方はまた嫌らしく、しかし心地よいのです。何故世界は荒廃したのか?何故ケムリクサが出来たのか?何故有害な赤い霧が発生したのか?全ての謎が解き明かされた時、こう思うでしょう。
この物語に、『悪意』はありません。徹底的なまでに純粋な『好意』によって作られた物語です。TVアニメ『ケムリクサ』 ライカ
あらゆるものが荒廃して主人公達意外には誰も存在しないような、なんとも奇妙な世界が広がる。外をうろつくのは機械とも生物とも言い難いアカムシという敵だらけ。そんな場所を舞台に主人公のりん達は生きるための水を求めて磨り減って行きながら島を巡る。そんな中、わかばという謎の人物の出現で姉妹の冒険は大きく方針を変えて進んでいく事になる。
この冒険を支えるのは謎のアイテム「ケムリクサ」である。アカムシを打ち倒し、水を探し、明かりを灯しては文字も書き込める、とても不思議な道具である。
この未来的とも何とも言えない「クサ」が物語を導き、謎を深め、知的好奇心を無限にくすぐられる。
人間にとって見慣れた物が崩壊し、その中で未知の技術を使いつつ、異様な敵に怯え未開の地を行く。そんな中にセンス・オブ・ワンダーを見出だしながら、苦悩し苦労する人間ドラマを楽しむ素晴らしい作品だと思う。TVアニメ『ケムリクサ』 偽コア
SFの面白さとは「未知なる風景」にあると自分は思っている
それは「近未来」「宇宙」「現代とは別の世界」など様々な形で我々を楽しませてきた
そんな中で大変興味深い作品が生まれた、「ケムリクサ」である
見た人間がほぼ全員が破滅的な最期を遂げた現代を連想しつつも
まるで見た事がない幻想的な風景が広がる閉鎖的な世界で
少年少女達が「ケムリクサ」を使いアカムシという敵対生物と生きる為に戦いを繰り広げる
この世界は何なのか?少年少女達の正体は?ケムリクサとは?
その全ての謎が解けた時、すなわち「未知なる風景」が「未知」ではなくなった時
驚愕するとともに納得するほどの強烈な「SF」が脳内を駆け巡る
やがて閉鎖的だった「未知なる風景」は解放的な「未知なる風景」に姿を変え我々を新しい「SF」へと誘う
この「未知なる風景」をより多くの人に体験して貰いたいと思いこの作品を推薦するTVアニメ『ケムリクサ』 草見
ケムリクサというアニメは知らない事だらけの世界に放り込まれる作品です。
視聴者はもちろん登場人物でさえ多くを知りません。
人気の無い荒廃した風景、動き回り言葉を喋るネコミミ、植物と融合した電車、襲い掛かってくる機械のようなムシと呼称される存在。
それらは謎だらけで序盤から詳細を語られる事は無く物語は進みます。
中盤においては徐々に明かされる謎、しかし更に増え深まる謎、登場人物の心情が丁寧に描かれている事もあり未知への欲求が掻き立てられただ熱中するしかありませんでした。
後半は謎が一気に明かされ、驚き感動不安歓喜といった感情に変わり続け物語は結末へ
ケムリクサは、未知への探求、謎の解明と知る喜び、不思議な世界観と現実の未来でも起こりうる可能性、人と植物や機械との関係性や融和性、などを丁寧に描き、SFというジャンルにおいては集大成であり更に大きな一歩を踏み出した作品であると考え推薦しますTVアニメ『ケムリクサ』 サンディーニ
これは,荒廃した世界の中で希望と安寧を求めて生き抜くヒトの姿を見せる作品だ.私はこれを見るとき,一つの世界がそこに実在している,という異様な現実感を覚える.世界観や設定を基にした創作の描写を見ているのではなく,そこにあるが普段は見られない異世界を覗き見ていると感じるのである. その異常ながら実在感のある世界で起こる事象の緻密な関係性に気付くことで,SFの要であるセンスオブワンダーを十二分に味わえる良作である.また,本作はSFの新しい現代的な楽しみ方を生み出した.毎週更新のネット配信アニメとして提供された本作は,視聴者間のSNS上でのリアルタイムな探究活動を発生させ,視聴者が自身の考えの及ぶよりも遥かに広い視野をネットで得ながら作品世界の不思議に接するという非常に知的好奇心を刺激する体験を提供した.現代のネット社会におけるSFの楽しみ方として,一つの指標を示した功績のある作品と言えるだろう.
TVアニメ『ケムリクサ』 古部亮
私はSFには疎い方の人間です。なので難解な世界観、用語には若干の抵抗があります。この『ケムリクサ』も第1話はとても難解に感じました。「ついていけるかなぁ」と難色を示したのですが、私はこの作品を毎週追っているうちに"世界について何も知らなかった子供の心"に戻っていました。そして11話、この物語は大きく展開、12話までの1週間、私の頭と心は"お話の続きを首を長くして待つ少年"のように『ケムリクサ』でいっぱいになったのです。最初にあんなに抵抗があったこの作品を「好き」になっていた。そう、この「好き」という感情、最も身近で普遍的なテーマが、私とこのSFをつないでくれたのです。難しい世界観と物語を一つのエンターテインメントに昇華するためには、やはり"普遍的な一本のテーマ"が必要だと再確認させて頂きました。この傑作をより多くの方に知ってほしい、故にこの度は『ケムリクサ』を推薦させて頂きました。
TVアニメ『ケムリクサ』 たけ
ケムリクサを観る前は、休みの日の度に家でゴロゴロしていることが多かったのですが、ケムリクサを観てからは、何かを始めたくなる気持ちがとても大きくなり、SNSを始めたことから始まり、今まで買ったことの無いBDやグッズを購入したり、本編に出てくるケムリクサのモデルの植物を求めてそこらじゅうを探し周ったりしました(これかもしれないというのも含めて全て見つけることができました)
聖地巡礼で富士山に登ったりもしました。
出題編のような1~10話に対しての11話に衝撃を受けて、姉妹たちのお互いがお互いを思う気持ちに心を打たれて、もうたつき監督の手のひらの上で転がされまくりなのですが、それが心地よかったです。
今まで数多くの作品を観ましたがここまで心に響いた作品は初めてです、そんなケムリクサを私は推薦します。TVアニメ『ケムリクサ』 諸味
生き延びるための唯一の糧となる水を巡って暗い廃墟を巡るという、一見重くつらい展開を予見させるようなビジュアルの中、登場人物となる姉妹達や少年の掛け合いや生き様を丁寧に描写することによって、その旅がまるで何気ない日常のように描かれているのは非常に心地がよく、また、登場人物の誰もが互いを尊重し、自らの好きなことをみんなが続けられるように支援しようとする姿は非常に心に響くものがありました。
TVアニメ『ケムリクサ』 匿名希望
この作品を観た者がどうしても筆を取りたくなる理由の一つが、作品全体を包み込む、クリエイションに対する愛に満ちた作家性である。
現代社会の様々な問題を想起させつつ、それをどこまでも優しい眼差しで受け入れ、希望を与えてくれる数々の言葉、謎解きの答え。 私はその謎について考える時、今だにいつでも水道の蛇口を開くように涙が溢れてくる。
そして1クールアニメという媒体の強みを余すところなく使った11話の演出力は、視聴者に共感をはるかに超える感動を与え、それを成し遂げた製作陣の仕事ぶりにまた涙が湧いてくる。
この、現実世界に想像しうる、ただし近すぎない距離感で勇気を与えてくれる彼らの作家性を、最もロマンチックに活かせるフィールドがSFなのではないかと思う。TVアニメ『ケムリクサ』 ザナドゥー
崩れかけのビルや道路が散乱する荒廃した世界で水を求めさすらう姉妹は一人の青年と出会う、といった非現実的な世界観。しかし、互いを思いやり助け合って生きていく彼女達の姿は、現実でも見習いたいほどに美しいものであった。もちろん、なぜそのような世界になったかの説明を描写しているためSFとして十分な作品と思えるのだが、なによりこの作品には、いつの時代や世界でも共感できるメッセージ性を持っている。何故なら、作中で散りばめられていたテーマが副題のようで実は主題であったと終盤判明するのだが、それこそがSFとしても、いやSFだからこそ輝くメッセージであったのだから。故にSF大賞に推薦させていただく。
TVアニメ『ケムリクサ』 takat
少年少女が、我々の知らない過酷な世界を生き抜き、やがて世界の謎を解き明かした上で明るい未来を掴み取ろうと手を伸ばす。
大雑把に言えば、これがケムリクサの粗筋です。
実に古くから踏襲された、ジュブナイルSFの王道物語です。
創作物としてのケムリクサの価値は、その王道を現代において紡ぎ切った事にあると考えます。
アニメという媒体を活かしたキャラクターの魅力。
キャラクターに思い入れがあるからこその世界の謎への興味。
そしてこの世界の由来を知った時、そこに込められた想いに、視聴者は言葉を失います。
個人的には、ヴォークト先生の「スラン」連作を読んだ時の衝撃が蘇りました。
世界を探る楽しみと、人物の物語の楽しみ。それを両立出来るのがSFだと思います。ケムリクサも又、それを両立する傑作だと思います。TVアニメ『ケムリクサ』 RK トンボ
独特の世界観とSF要素がふんだんに盛り込まれたストーリー。起承転結がしっかりしていて、シリアスストーリーにも関わらず見るのが苦にならない。キャラクターの裏設定や世界を構成する要素などをしっかりと設定しつつ、核心部分は視聴者に考えさせる構成。
TVアニメ『ケムリクサ』 iichikomame
廃墟や朽ちた建築物が果てしなく続く物悲しく辛い世界。ライフラインを断たれ、ひっそり朽ちていく最期を迎えんとしていた姉妹の元に、記憶を失った少年が突如現れました。
少年の登場により物語が大きく動き始めて行くことになります。
姉妹たちの秘密、敵対するムシと呼ばれる存在や赤霧の謎、少年の正体といった謎を孕んだまま、少しずつ世界が露わになって行くのです。
主人公たちがどうような転機を迎えるのか、この世界はどんな世界なのか。視聴する度に、新たな事実や魅力に気付かされるばかりです。
あなたも、寂しく不気味でありながら僅かな希望が残されたこの世界を、一緒にご覧になりませんか。TVアニメ『ケムリクサ』 O.I
瓦礫に覆われた世界の中、多くの困難と危険が降りかかる中、相手を思いやり強く健気に生きる姉妹と一人の青年の物語です。色によって効果が異なる『ケムリクサ』、姉妹たちを襲う『アカムシ』…。数々の謎が交差するSF的世界観に興味をそそられました。一見の価値ありの作品です。
TVアニメ『ケムリクサ』 白芭
ケムリクサの物語は、生きるために水を探す姉妹と、記憶喪失の青年が、無人の荒廃した世界を旅する物語です。
面白い所は、青年が「自分は人である」という主張に対し、姉妹の一人が「私達姉妹こそが人であり、お前は敵であるアカムシだろ」と反論する所です。
何故、姉妹の一人は青年を敵だと疑ったのか。それは、青年の血の色が赤色であり、その色が姉妹達の天敵であるアカムシと呼ばれる機械の様な生命体の色と同じだからです。
この時、赤い血が流れている事実から青年は人でないかという推測と、そもそも姉妹達は一体何者なのか、という疑問が出てくると思います。何故なら姉妹達は血の色を知らず、水のみで生きられる性質を持つ他、人としては不可解な力を持っているからです。
この物語の真実を知った時、想像を遥かに超えた驚愕な内容に、誰もが経験したことの無い、身の震える様な感覚を体験する事は間違い無いでしょう。TVアニメ『ケムリクサ』 匿名希望
この作品は「好き」を探して一生懸命生きる者達を描いた、とても小さく、それでいてとても壮大な物語です。
愛だの夢だのといった文明的な感情では無く、「好き」という原初の感情であると言っても良く、それ故に心の奥に直接響くものがあります。
基本的には王道なので大雑把な予想は出来なくもありませんが、それをしても尚心踊る驚愕の展開の数々に呑まれ、そして最後まで見た後にもう1度最初から見る事で、最初から既に仕込まれていたという「全にして一」を体感する事でしょう。
ちなみにこの作品には様々な仕掛けがあり、探す度に発見があるという掘っても掘っても底が見えないという点があります。
他の視聴者の考察なども見つつ、このケムリクサの世界の様々な場所を掘ってみるのも一興でしょう。前作と打って変わって殺伐とした雰囲気を前面に押し出した世界観、当然キャラクターも全体的に殺伐としています。
初手で追いかけられるのは前作の冒頭を思い起こさせますが、こっちはマジ。『食べる』が冗談になりません。
しかしそんな世界だからこそ、主人公のわかばの無垢な優しさが染み渡ります。
まだバックボーンを知らないにも関わらず、わかばの優しさや献身には何故か(ちょっとだけ)涙が出ました。
恋愛の予感等ありますが、正直それよりも世界観やわかばの異常なまでの物分かりの良さなどが気になりますね。
個人的にはキャラごとの特殊能力を用いた戦闘描写の巧みさが気に入りました。
話が進んで、さらなる引き出しを見てみたいです。TVアニメ『ケムリクサ』 バニバニ
荒廃した島に住む不思議な姉妹「りん」「りつ」「りな」と、ある日突然現れた好奇心旺盛な謎の少年「わかば」。止まっていた世界がこの出会いにより動き出す。そして行き着いた先にある真実は― 近未来的でありながら荒廃したハードな世界観とは裏腹に、力を合わせてお互いを助け合う「姉妹」と「わかば」の優しさや、生きていく上で「好きな事」の大切さを思い出させてれるストーリーからは癒やしや勇気を沢山貰えた。私はこの作品を子供から大人にまで胸を張ってオススメできます。
TVアニメ『ケムリクサ』 夏目 草赤
この作品は,絶望の淵に立たされた登場人物への共感によって視聴者がこの世界に希望を見出し、作品の世界を希望へと変えたいと思わせる作品である。此の作品の世界はある物体に因って数多くの問題が起こっており、その物体を斃すのが主な目的だが、この作品はRPGのようにアイテム、ストーリー、そしてメインプロットに複雑に絡みつくサブプロットによってどきゝする。
TVアニメ『ケムリクサ』 オー・ザック派RITS
張り巡らされた伏線と気付かれない伏線の数々、世界観設定、輪廻転生もをテーマに盛り込んで、1話から見返せば見返すほど新たな発見がある練り込まれた脚本。
この物語の結末や真実を初見で正確に当てることができる人間は皆無に等しいと思われる。
一見突拍子のない設定がぽっと出したのに、その実なんの違和感も感じさせない作り込み。
SFのみならず2019年のアニメカテゴリにおいても間違いなく最高の作品TVアニメ『ケムリクサ』 滝見野
今回私が何故この作品を推薦したのかというと、SFという素晴らしいジャンルを多くの人に伝えたいからです。ケムリクサはSFの素晴らしさ、魅力を上手い形で伝えていると思います。
その魅力を伝えるのにかなり貢献しているのは世界観だと私は考えます。何故ならSFにとって世界観は土台のようなもの、ケムリクサは昔人間が作った(?)建物、そしてアカギリという死の霧など、どういう経緯でなったのかわからない世界で3人姉妹がなんとか生き延びているという世界観は我々ファンにとってはとてもシリアスであり、SFチックでありました。世界観がちゃんと出来ている点では私は特に良いと思ってます。
最後になりますが、我々の生活には常にSFという世界があり私達はいつでもSFの世界に入れると思います。そんな中で私はケムリクサという素晴らしい世界に出会いSFに大きな興味を持ちました。SFは偉大、無限の可能性を秘めている。以上ですTVアニメ『ケムリクサ』 帯田 翔
この作品を短く言い表すのであれば、「闇の中の光を見つける」である。
この作品は記憶を失った研究者がかつて研究していたケムリクサという不思議な魔法のようなアイテムを使い、問題を解決してゆく物語。
先達て述べた通りこの作品は闇が主となっている。この作品に登場するキャラ、舞台は最後までほとんど同系色で統一されており、それは暗い色である。TVアニメ『ケムリクサ』 中島 裕大
何か不思議な力を持った葉っぱのようなものがこの作品の主要素の一つとなっている。
此の作品は出だしから暗く赤い霧に覆われ、見通しの悪い世界が広がっている。作品内部には一見して不自然とも取れるシーンが数多くあり、視聴者を惑わせながらも強く引き込み、更にキャラクターに自分を当てはめ、さも自分がこの作品の世界に存在しているかのような錯覚に陥らせる。TVアニメ『ケムリクサ』 拙僧.ne.jp
【ネタバレ注意】SF要素としては巨大?宇宙船が舞台で異星人が主役と思われること。ケムリクサという植物ともデバイスともいえる未知のテクノロジーがテーマであること。オカルトやファンタジーではなく空想科学が基になっている世界観であること。ストーリーの構成も奇跡や偶然に頼るのではなく、登場人物たちの行動による結果に重きをおいている。それでいて観ている者の感情を揺さぶるという所が本当に素晴らしかった。
TVアニメ『ケムリクサ』 Mai
【ネタバレ注意】この作品を一言でまとめるならば「再会」。物語は主人公の男性「わかば」と3姉妹が荒廃した世界を彷徨うというシンプルなもの。だがわかばと3姉妹は過去に姿形こそ異なるが出会っている。「ケムリクサ」というアニメタイトルにもなった特殊な植物には様々な力がある。物語の舞台となる廃墟のような世界も、ケムリクサにより作成されたものである。過去。3姉妹の原型となった1人の少女は手違いにより「ケムリクサを止めるケムリクサ」を育ててしまう。ケムリクサで作成された世界は滅びに向かう。わかばの原型となった男性は、それに対抗するケムリクサの苗床となり命を落とす。それを知らなかった少女は救助に向かう為、自らの体をケムリクサに分割した。未来(物語冒頭)。ケムリクサに再生、作成された男性のコピー「わかば」とケムリクサに体を分割した少女(姉妹)が出会う。お互いの記憶はないが、確かに2人は再会したのである。
非常に細部まで練られた設定やストーリーが話題となった本作ですが、それらをはじめのうちは全く説明する事もなく、世界について登場人物においてあらゆる点で視聴者の想像にまかせられたままに話が進んでいきます。すべてが明らかになった瞬間の情報爆発と言っても過言ではない、複雑でありつつもスッキリとした感情を抱いたのはいつぶりかと思いました。本筋でもそうでない部分でもありとあらゆる場面に伏線が張られていた。でもそれは目には見えていても心に引っかかるほどでもない物もあった。それらがパズルのピースのように一気に当てはまった時、視聴者はまた今までの話を観返してしまうのです。「魅せる手法」にも唸らせる物がある作品でした。
TVアニメ『ケムリクサ』 zastin
1話では何もわからない状態から始まり、物語は作中の人物と同じ視点、情報量のまま進んでいきます。ふと引っかかる部分が見つかり、解決すると新たな疑問が生じる…描写、表情、行動までが全て細かく作られていてこれを映像として出すだけでも十分に凄みを感じます。物語が進むにつれ、謎と不思議が入り混じり、作中の人物への感情移入が増していく…終盤に差し掛かる時には完全にシンクロしています。つくづく作った方々は「天才と努力の塊」であることを実感しました。物語が終わる頃には完全に手玉に取られている
しかし面白いのは2周目からです。一周目を「平面」と例えるならば二周目は「立体」と言うべきでしょう。まるで「噛めば噛むほど味が濃くなるガム」で何周しても新しい発見があります。何も考えずに見て好きを共有するも良し、考えて考えて答えを探し続けるも良し。大人から子供まで幅広くSFを楽しめると思い推薦させて頂きました。TVアニメ『ケムリクサ』 ぜおん
私に好きに生きる「今」をくれた作品です。そのくらい心に刺さる作品でした。
この物語の作中の舞台では、薄暗い空、
廃墟化した建造物が存在する日本のような場所、赤霧、突如として現れる「アカムシ」と呼ばれるロボットの様な奇妙な敵など暗い世界ながらSF的にもとても気になる要素や謎を解くヒントや伏線が一話一話に多く散りばめられた作品となっており、視聴者の好奇心をくすぐる魅力的作品となっています。また、暗い世界とは裏腹に作中のキャラ達は「好き」を大事にすることを忘れないという考えをしっかり持っているところに強く惹かれ、自分も好きなことを大事にしたいと思うようになりました。そのお陰で「今」があると思います。そして、謎も物語を追うごとによって解明されていき、真実に辿り着いた時にこそ、この作品のSF的凄さとたつき氏の丁寧な伏線張り、ミスリードの上手さを実感できると思います。とても素晴らしい作品です。TVアニメ『ケムリクサ』 匿名希望
個人的にケムリクサがSFとして優れていると思われる所は、作中に登場するアイテムは、全て何らかのテクノロジーによって齎されている、と何となくではあるが分かるところです。それでいて、作中のストーリーは主人公達の主観で進行する為、最終回後も世界観についてはまだ分からないことが多く、沢山の考察の余地がある所も魅力的です。ケムリクサはそんな、壮大な世界観をベースに、視聴者にとってはとてもシンプルで、身近な題材を描いた作品です。
TVアニメ『ケムリクサ』 おとなりの叡王さん
荒廃した世界で、姉妹は目を覚ます。
水を求め、敵である「アカムシ」を避け、ときには戦い、生き抜いてきた。
その中で姉妹たちは自分の「好き」を見つけては大切にする。
そこに落ちてきた少年・わかば。
SFながら敷居が低く、とっつきやすい設計に加え、終盤(特に十一話)のどんでん返しが魅力だ。「このせかいのしくみ」が明かされるときの衝撃は、他の作品では味わえない。TVアニメ『ケムリクサ』 クマクマベアー
「好きを大切にしよう」これを見た後、私はそんな風に感じました。
最初にこの文で始めたのは、SFとしての要素の前に、先ずはそれを感じて欲しい作品だと思ったからです。その全容は是非作品を見て理解して欲しい。
そして今回取り上げられるべきSF要素ですが、完璧とは流石に言いません。しかし30分でワンクール、12話分の中で描くSFの中では最高峰であると強く推しています。
特に終盤の所謂「答え合わせ」ともいうべき第11話ではそれまでに出てきた謎の要素や何気ない物事が見事なまでに繋がり、その全てに意味があったのだと私達を驚かせてくれました。
そして最後の最後、キャラクター達が困難を乗り越え、どんな答えを得て、そしてどんなラストを迎えたのか…これは是非本編を見ていただきたい。
最後に、私は最高の作品に出会えました。是非とも他の方々にもこの作品に出会って、もし良ければその感情を共有したいと強く思いました。TVアニメ『ケムリクサ』 春夏秋冬巡
主観だが、近年の創作におけるSF流行は魔法の科学化であった。ケムリクサはその逆で、科学の魔法化を行った作品である。異常な現象やその痕跡を説明する設定や理論が、この作品では意図的に完全省略されている。この決断は淀みなく進むアニメーションによって、独特なセンス・オブ・ワンダーに満ち溢れた世界を描くことに成功した。一般的な植物の存在しない常夜の世界。「人の痕跡が不自然に消し去られた」廃墟の島。そんな世界に、突然産み落とされた姉妹たち。安息の地を求めた先の見えない、しかし絶望への悲嘆ではなく互助と尊重に満ちた穏やかな旅路。それらを追っていくうちに積み重なる世界の謎は旅の果てに、物語全体の意味をパラダイムシフトさせ、我々観客に登場人物たちの幸福を強く願わせる。巧みな表現と物語構造、その結末から得る感慨。この王道を征く人間賛歌の物語は、日本SF史に輝かしく刻まれるべき傑作である。
TVアニメ『ケムリクサ』 リ
これは絶望の世界の、優しい物語。1話を見て『ケムリクサ』を気に入ったら、4話までには感情移入してしまう。全てを見終わったらきっとみんなは主人公たちに、そして作者に「ありがとう」と言う。そして霧に包まれたその世界を自らも解き明かすため、自らも『ケムリクサ』に入り始める。ポストアポカリプスの王道を行くような作品でありながら謎と伏線とたくさんの愛で溢れており、『ケムリクサ』に入ってしまった者を掴んで二度と離さない。優しさに溢れたこの『ケムリクサ』を私は推薦する。
TVアニメ『ケムリクサ』 匿名希望
未知の物質であるケムリクサを下地にした不思議な世界を生き延びながら探索していく物語で、見る者をその独特な世界に誘い主人公達と一緒に探索しているかの様な感覚に陥らせる構成になっており、難しい事を考えずとも見る者はその世界に惹かれていく。また物語の進行は一見淡々と進んでいる様に見えるが後の展開を鑑みるとその所作の一つ一つは必要不可欠なものばかりであり、更に廃墟や建物といった世界観を構成する要素は必然性や因果関係があってそこにあるものばかり。その為映っているもの全てに無駄なものやどうでもいいものが全く無く、だからこそ見る者が考察する行為そのものに迷宮や遺跡を調査するかの様な喜びが伴う。その物語は人間にとって大事な執着の対象である「好き」が屋台骨に据えられており、老若男女の垣根を越え人類の感性に訴えるものになっている。私達は各々の「好き」を見つけ、そして大事に出来ているだろうか?正に平成末期の傑作
TVアニメ『ケムリクサ』 ハラヘリ
好きなものを大事にするという一見すると単純なテーマでありながら各話ごとにキャラクターの繋がりがあり気持ちの変化と共に世界の謎が解き明かされていき、最終話でそれが結実される物語は圧巻されます。
また仕草や声や背景などTVアニメならではの絵や動きなどの世界観の表現も新しくSFにあまり詳しくなくてもその設定や心情などを考えずにはおられませんでした。TVアニメ『ケムリクサ』 名無しの権兵衛
SF作品として、異物との接触。
異なる感覚をもつものとの共感。
何故それがあるのかの伏線。
後半に判明する、異星人との交流。
どきどきわくわくさせるSF作品だと思います。
よろしくお願いいたします。TVアニメ『ケムリクサ』 Uz
タイトルの「ケムリクサ」とは何か。
モチーフはタバコで間違いがないだろう。本アニメーションは自主制作版を元に作成されているものであるが、自主制作版の方は本作のような葉の形ではなく紙巻たばこと同じ形状をしていた。作中の登場人物に害を為す存在は「ムシ」と呼ばれ、ケムリクサはムシに対し対抗手段となっている。タバコがムシに非常に強い毒があることから着想を得たのかもしれない。
ではケムリクサは武器兵器の類なのか。違う。いわばテクノロジーである。このケムリクサとは何か?という部分が段々と解き明かされていくのが本作の「一部」である。世界の根幹はケムリクサであり、ケムリクサという手段・媒体が全ての鍵となっている。登場人物が何しにあの世界に来て何をやっているのか、そこも全てSF的テクノロジーの概念に寄っている。
本作「ケムリクサ」とは何か。愛すべきSF作品であり、大賞に推薦できるものであると考える。TVアニメ『ケムリクサ』 トミノソ
いわゆる美少女アニメに属する作品なのですが、世界観はしっかりしており12話の中で深みのあるストーリーが描かれます。
特にキャラクターはテンポの良い掛け合いが繰り返されるうちにこちらも感情移入してしまい、後半はドキドキしてしまいました。
やはりとっつきやすくて(世界観は暗くとも)楽しいSFは良いものだと感じさせてくれます。TVアニメ『ケムリクサ』 岡田
12話構成で放送されたTVアニメです。
その映像から視聴者は崩壊した世界を舞台にしていると思わされますが、微妙な違和感を感じさせつつ物語は進行していきます。
最終的に、この世界が〇であることが判明しますが、視聴者には解らないよう緻密に隠蔽され、終末につれて気づき、その意外な事実に感動します。
ただ、本作はそれが主題ではなく、その実体は絶望世界で生き抜こうとする人間ドラマと思います。出演するキャストはその中にあって人格があり魅力的なキャラです。
そして、その積み重ねは最後に感激する要素になります…。
上記はその極一部ではありますが、SFとヒューマニズムの融合を愛情深く描いたこの作品は、称賛を受けるに値するものであると推薦させて頂きました。
どうか宜しくお願いいたします。TVアニメ『ケムリクサ』 カタギリ
終末ものだと思わせるミスリード、不穏な世界観からのどこまでも優しく尊いキャラクター達。不快だった主人公が物語が進んでいくうちにどんどん好感を覚え最終的にはその作品で一番魅力のある人物となるなど味わったことのない印象変化。すべてCGアニメながらも人物の動きを細やかに再現しており画面に映るキャラクターたちがその場で生きていると錯覚させられる細部の力の入れ込みよう。そして世界の謎の解明や素性等考察要素がこれでもかと配置されており平成最後の作品にして今までのSFとは味の違うとても斬新な作品だと思います。
TVアニメ『ケムリクサ』 ジャンゴ
ケムリクサはその謎めいた世界やケムリクサという謎のガジェットに代表されるように、古典的SFの「未知のものを探求する」というセンス・オブ・ワンダーをストーリーの基軸としています。しかし、そのストーリーが最終的に表現するものは「好き」という生きがい、もっと大きく捉えれば「人の愛」という、非常に王道かつ普遍的なテーマの作品となっています。
SFアニメというとロボットアニメというのが一般的になっている昨今においてこれほどの本格SFが放映され、そして高い反響があったのはSFファンとして非常に喜ばしい事でした。SF復権の兆しとも言える本作を是非取り上げて頂きたいです。TVアニメ『ケムリクサ』 Pi!
荒廃した世界で出てくる3人~6人の姉妹と突然湧いて出た男が「葉」「水」「好き」を見つける為に多くの障害を乗り越え生きていくSF冒険ストーリー1話から4話までは、男が姉妹たちに警戒されながらも、姉妹の為に命を投げ捨ててまで守ったり、共に悩んだり。「何故そこまでするの?原動力は?」と考えているうちに世界観の美しさ、登場人物の隠しきれない優しさに目が離せなくなります。6話10話11話の先入観を利用した大どんでん返しは必見。光の見えない世界の中に見出す「好き」がとても愛おしく、それが時に牙を剥く、ここまでハラハラドキドキの作品は昨今無かったので推薦します。
TVアニメ『ケムリクサ』 慶次
物語の内容は水を求めて旅をしながら敵と戦って生き延びてきた姉妹が謎の少年「わかば」と出会うところから始まります。最初は多くの視聴者が謎の少年に対して悪い印象を持っているとSNSの評価にあり、また物語中でも姉妹がわかばに対して疑いを持っていました。しかし彼の行動や言葉から人となりを知るにあたり、次第に打ち解けていく様子が描かれています。これはSNSでもわかばへの評価が変わっていくこととリンクしており、ケムリクサの表現が人の心に響くものであったと言えます。
全編が愛情や思いやりに溢れており、特に11話にて物語の真実が明かされた時には、ファンの間で11話ショックと呼ばれる現象が起きました。
最終話でも変わることなく愛情や思いやりに溢れた「好き」を求める物語が最後まで貫かれており、自分が求めていた人の心のありようはこれだったと悟り、涙が止まりませんでした。私はSF大賞にケムリクサを推薦します。TVアニメ『ケムリクサ』 ドルフィンズ
けものフレンズで一躍有名になったたつき監督の同人時代の作品のリブートアニメ。
荒廃した世界を「ケムリクサ」を使い「ムシ」と戦い生き抜く物語で、説明もなく生きる為に旅をするという程度の事しかわからないが、話が進んでいくと徐々にわかってくる。だがそれと共にまた新たな謎が見つかり、考えながら見るととても練られている脚本と設定に頭が下がる。TVアニメ『ケムリクサ』 アライ
ケムリクサの中でとても良いと思ったことはケムリクサは世界観は人を喰らう「ムシ」と呼ばれる怪物が街を闊歩しており、いつ死ぬか分からないとても暗いものなのですが、そこに住んでいる6人の姉妹はそういう暗い感じを吹き飛ばすような明るい性格をしており、この世界で懸命に生きようとしている所です。それに誰かを責めたり悪口を吐いたりすることが一切なく、みんな心優しい人達だということが分かります
TVアニメ『ケムリクサ』 イワーク9
1話を初見で見た時は?ばかりが頭にうかび、どのような結末を迎えるかも全くわからなかった。
しかし1話1話で伏線を張り、ある程度はその話のなかで回収していく、また情報を小出しにすることで視聴者が意見を交えたくなる等、徐々に作品の世界に引き込まれた。登場人物一人一人のキャラが確立されており、説明口調やキャラがぶれることなく自然な流れで物語が進んでいくのは何度見ても素晴らしい。
そして最終回前の11話には驚嘆しかない。EDの導入一つで、今までの?と感じたすべてに返答してくれていた。自分を含めた視聴者が放送当時に色々推察や考察をしていたが、すべて監督の手のひらで踊らせていたのではないかと思うほどの作り込みは昨今見たことがない。
登場人物、世界観、構成、そして結末を含めて自分が最も好きな作品であり、平成を代表する作品だと思う。
TVアニメ『ケムリクサ』 在野キズハ
ベタなセカイ系CGアクションアドベンチャーアニメと侮るなかれ。このアニメは、「荒廃した謎の世界の中で水を求め生きていく、ある姉妹たちの物語」というシンプルな世界観の裏に描写された様々な「鍵」を拾い集めた先にある「謎」を視聴者の手で、独自に紐解いていく作品である。今まで、ウェブ出身のクリエイターが制作したストーリー系アニメ作品(葉ノ香~HANOKA~、CATMAN Series 3、デジガールなど)は、無理にテレビアニメのフォーマットに合わせて(Web版に存在したインタラクティブ性の欠如、過密すぎるスケジュールに対する深刻な人材不足による作品クオリティの低下、「声優のプロモーションアニメ」などを理由とする製作会社のなげやりな対応)失敗した感が否めなかったが、本作はそれらの「先駆者」が目指したかった「商業アニメ作品の枠に囚われないフリーダムな作品」という目標を見事に成し遂げたといえる。
TVアニメ『ケムリクサ』 浅木原忍
本作を監督の前作『けものフレンズ』と同じ、ポストアポカリプス・ロードムービーだと思っていた視聴者は、11話であまりにも鮮やかな背負い投げを食らうことになる。周到な伏線が全て回収され、世界の秘密が解けるとき、登場人物は生まれた意味を知り、視聴者は今まで見てきた物語全ての本当の意味を知る。その瞬間に広がるパースペクティヴ、世界の見え方が全て反転する圧倒的なカタルシスは、最上のSFだけが与えてくれる面白さに他ならない。少年少女が閉ざされた世界の謎に迫る、という古典的でシンプルなSFの筋立てが持つ力を、完璧に計算され尽くした構成によって光り輝かせた本作は、『けものフレンズ』と同様、「SF」のもつ物語の力に対する高らかな凱歌だ。『ケムリクサ』は現代の、2019年のといった枠を超えた「SF」の、「SFそのもの」の傑作なのである。
TVアニメ『ケムリクサ』 匿名希望
とても面白いアニメ作品だったと思います。最初は様々な謎を残しながらも荒廃した現代日本を舞台にしているのかと思われていましたが、ストーリーが進むにつれ、少しずつ見えてくる世界の全容…と思いきやさらに深まっていく数々の謎。無人の世界は過去に一体何があったのか。人間はどこへ消えてしまったのか。そして危険が潜むそんな世界で必死に生きる登場人物達。どう見ても人間じゃない身体構造、能力を有しながら、自らを「人」と名乗る少女達。そんな彼女達の前に突然現れた謎の少年。彼らの正体、そして世界の謎が、数々の伏線を経て物語の終盤で一気に時明かされた時の衝撃と、日本、地球に留まらないそのスケールの大きさには驚きと共に大きな感動を覚えました。
また従来の2Dアニメではなく、2Dに限りなく近付けた3Dアニメという新しい試みも、この作品の雰囲気にとてもマッチしており、正しく唯一無二の作品になっていると感じます。TVアニメ『ケムリクサ』 蓮華
減り行くだけの世界で、出生もわからない6姉妹が大切なものを見つけに行く物語。
この世界でヒトと呼ばれる存在は彼女達だけ。
荒廃した島々を巡り、ムシと呼ばれる無機物な敵を退けながら、世界を、自分を知っていきます。
何も説明がない謎ばかり増えていく展開が続き、ああだこうだと考察をするのもこの作品の楽しみ。
しかし真相を知ったとき、どこまでも優しい世界をきっと好きになります。TVアニメ『ケムリクサ』 Dong Hyeok Cheon
ケムリクサアニメは私に涙を流させて私を感動させました。 私の人生アニメで、たぶん今年のアニメだと思います。 cgアニメコンテストから始まった インディドリームが けものフレンズ炎上を勝って たつきへ 勝利の聖杯を飲ませました。
TVアニメ『ケムリクサ』 橙華とっつぁん
文明も他生物も一切見当たらない瓦礫だらけの世界から始まるこの物語は、間違いなくSFとしても高い完成度を誇っています。タイトルにもなっているアイテム扱いのケムリクサは戦闘や生活に活用できるだけでなく、物語の根幹に大きく関わる重要な鍵でもありました。序盤からあちこちに細かく仕込まれた伏線の点が繋がり、多くの謎に答えを示した11話は最早芸術的な構成です。それでいて視聴者に考察の余地も沢山残しているのがまた素晴らしい。シロという作中ではムシ扱いですが、事実上のAIを持つ存在もまたSFとしての要素をしっかり引き立ててくれています。今年のSF作品であれば、胸を張って推薦できるアニメ作品です。
TVアニメ『ケムリクサ』 陽向
この作品は、荒廃した世界で、姉妹と一人の青年が水を求めて旅をする物語です。行く先々では姉妹を襲う虫(ムシ)が現れ、他にも様々な危険に見舞われますが、果敢に立ち向かって行きます。私はこの作品で、何も無く、誰もいない世界を旅する緊張感の中で、姉妹が常に助け合う優しさに惹かれました。そしてそうした人の感情の機微を、たつき氏はとてもうまく表現されています。一見すると見たことあるようでも何かが違う、そんな世界観も魅力的です。ここはどこなのか。姉妹は何故危険な旅を強いられているのか。青年は何者なのか。最後には「好きなこと」を大事にする事を知れる素敵なアニメです。
TVアニメ『ケムリクサ』 匿名希望
キャラクターも他のアニメ作品と比べても少なめで背景も暗めですが、世界観の作り込みに関しては一際特筆すべきものがあると思います。
今どき王道のSFはなかなか見ないというか作られてないと思いますが、この作品を見るとやっぱり自分はSFが好きなんだなだと思えます。TVアニメ『ケムリクサ』 道路標識
まずケムリクサと言う謎の道具が面白いです。色ごとに効果が違う葉っぱのような道具でミドリは治癒、キイロは明かり、アオは壁、ウスイロは食料、他にもさまざまな色がありワクワクします。
そして特徴的な姉妹たち、記憶のないわかばと言う青年もすごく面白い。
青年は何処から来たのか、一体何者なのか、姉妹はヒトなのか、何故アカムシは姉妹たちに襲いかかるのか、島を隔てる壁はなんなのか、赤い木は何故生まれたのか、何者かの意図があるようなこの世界はなんなのか!
全てがこのケムリクサと言うアニメの終盤に明らかになり、そのカタルシスは私の中で何事にも変えがたい!私の中で最高の作品です!
ケムリクサを語る上で外せないのは姉妹や青年の『好き』です。
姉妹たちや青年が好きをもっていながらも姉妹の一人であり、ケムリクサの主人公でもあるりんは好きを見つけられずにいます。ケムリクサはそんなりんの好きを探す物語でもあります。TVアニメ『ケムリクサ』 ひいらぎ
私がこの作品を推薦する最大の理由は、制作陣独特の、先進的で革新的な世界観にあります。既存の文法に囚われない独自の設定、価値観に基づいて描かれるその世界において私達は、人の定義、法、ジェンダー、物事の優劣、貴賤、その他あらゆるものに対する認識を根底から覆されます。死と絶望が当たり前のように付き纏うその素朴な廃墟の中で、登場人物達はむしろ私たちよりも余程自由で縛られていないのです。そして何よりも、正義、道徳、倫理、宗教、思想、幸福、愛、恋、趣味等々、あらゆる言葉で表現される人間社会においての多くの迷妄の根源達を、『好き』というたったの一言に集約させ、人の、否、生きとし生けるものの在り方を明快に示して見せたのには脱帽です。視る者の先入観を悉く排除し、全く新しい世界を構築させる。まさしくこれがなかった以前の世界が想像できない、日本SF大賞に相応しい作品であるとして推薦させて頂きます。
TVアニメ『ケムリクサ』 猫のヒゲ
荒廃した町で生活している姉妹。世界は薄暗く生きていくのに必要な水が手に入りにくいうえに姉妹の命を脅かす敵もいる。
この作品のは不気味で不思議な雰囲気から始まります。多くの謎がありますが、それを視聴者に説明することはありません。
しかし、登場人物の行動を見ていると少しづつ謎が解けます。話が進むと謎が解け、そして新たな謎が生まれます。視聴者を強く惹きつける作品です。
この作品を最後まで見た人は共通の認識を持つと思います。謎が多く複雑に思えたストーリーが実は驚くほどシンプルなものだったと。
この感動を多くの人に知ってもらいたいです。TVアニメ『ケムリクサ』 赤木茜
謎の物体「ケムリクサ」が大きな鍵となるダークで荒廃した世界観が印象的な作品。キャラクターデザインだけでなく背景美術の美しさ、複雑に練り込まれた設定、キャラクター同士がまるで生きているかのように感じさせる声優の演技の魅力など、近年希に見る「歯ごたえ」をとても感じるアニメです。この物語における「好きを見つける」というテーマは視聴者にも語りかけてくるように感じます。
TVアニメ『ケムリクサ』 スギコウ
推薦した理由は大きく以下の2つによるものです。1つ目は非常に凝って設定、物語が作られていることです。ケムリクサは最初の世界観説明がなく全て物語を観て自分で考えなければなりません。これが成立するのは見えないところの設定まで綿密に作られているからに他なりません。2つ目の理由は考察をしたくなる物語だからです。考察はアニメが始まり回を増すごとに加速度的に増えていきいました。そして11話、それらが開示され、その瞬間全てが見える、人生でそうそう味わうことのできない快感で包み込まれるのです。その感覚はまさにSFの最大の魅力そのものでした。もしSF作品に興味が出てきたという方がいたら、速攻でケムリクサを勧めます。なぜならケムリクサの主題歌KEMURIKUSAの歌詞の一節、そのままの体験ができるからです。“Finding my LIFE in the KEMURIKUSA“
TVアニメ『ケムリクサ』 夏朋
人々が突き動かされる上で最も強い動機とは何か?
その問いに以前ならば「愛」や「夢」といった言葉を答えとしただろう。しかしケムリクサを視聴した後では「好き」という価値観に答えが置き換わると私は確信する。
ケムリクサの物語のテーマは「好き」である。
好きとは万物における動機の根っこだ。食べる事、聞く事、守る事。それらは好きを理由に取捨選択されていく。他者を傷付ける事も「好き」によって自己肯定されてしまうかもしれないが、もしもその動機の裏にさらなる「好き」が存在した場合、別の見方が生まれるだろう。
ケムリクサのストーリーは決して奇抜なものでない。だが視聴者は一様にして物語の展開に度肝を抜かされてしまう。何故なら視聴者の当たり前の期待を裏切る事なく納得出来る全体図に仕上げているからだ。
人々の「好き」の果てにあるもの。それは幸か、不幸か。謎多きケムリクサの世界で是非とも確かめていただきたい。TVアニメ『ケムリクサ』 Zumi_Mod
物語を通して少しづつ、現代世界から時間が経過した未来の姿を感じさせることから始まり、「なぜ?こうなってしまったのか?」という解答を探すため作品中で起こる奇妙な現象と実際の現象の似通った要素に「もしかしてこれが元ネタ?世界はこうなってしまったのでは」という科学的見地から作品世界を想像して楽しめる点を最も評価しています。
お話が最終話を迎え完結した後も、類推して楽しむ娯楽として一切陰ることがなく、見返すたびに新しい発見があり非常に知的好奇心がくすぐられました。TVアニメ『ケムリクサ』 ※どらけー
たつき監督の細やかな演出や伏線、
魅力的なキャラクター達など、どこをとっても凄いと思います。
10話までの積み重ねてきた伏線が最終話辺りで徐々に回収される様子はとても満足感が満たされるものでした。全話終わった後でもTwitterで短編アニメなどを投稿して本当にファンの為に頑張ってくださってる監督だなぁと思いました。irodoriの次回作を楽しみに待ってます。本当にありがとうございました。TVアニメ『ケムリクサ』 スナッパーマン
"荒廃した世界で少年少女が出会い、生き残るために旅をする、というわりとよくあるテーマで最終的な結末も王道と言える作品です。
しかし王道の中に外連味とオリジナリティを両立させている作品でもあります。
キャラの出自や世界観の謎、先入観を利用したいくつかの叙述的な仕掛け、終盤のどんでん返しとそこに至るまでの細かな伏線、作品を通したテーマとメッセージ、これら全てをたった12話の物語の中に無理なく落としこんだ構成は見事でした。
少人数体制でおそらく低予算のCGアニメのため画づくりに粗はあるものの、だからこそ出来たであろう工夫と配慮による演出も評価しています。
様々な要素を踏襲しつつも新しさと独自性に溢れる、既知と未知の入り乱れた唯一無二の作品でした。
"TVアニメ『ケムリクサ』 あかさたなX
廃墟しかない世界で減っていく水を糧に姉妹がどう生きていくか、ポストアポカリプスの冷たい世界でどういった感情が錯綜するのか。話の各所に登場する謎のアイテム"ケムリクサ"、姉妹たちの行動を阻むアカムシという存在。終末の世界が好きな方に推したい物語です。
TVアニメ『ケムリクサ』 リリ猫
赤霧に呑まれた荒廃した世界で生き残るために姉妹達が旅をするSFストーリー。ある時、りん、りつ、りなの姉妹は謎の少年わかばと不思議な出会いをし、荒廃した世界を生き残る旅をし、りん達に立ちふさがる問題を解決していき、この荒廃した世界の謎を紐解いていく。この自然な流れがとても好感を持てるため推薦しました。
TVアニメ『ケムリクサ』 むつぎはじめ
優しさを根源とするバイオハザードの起きた、ある種陰鬱な閉鎖世界を舞台に、一転温かみのある造形のキャラクターで、どこまでも真っ直ぐに愛と冒険とボーイミーツガールを描いたこの作品は、卓抜した出来と思います。
TVアニメ『ケムリクサ』 矢田和啓
ケムリクサという不思議な媒体を使って謎を解き明かしていく様が、現実にスマホ端末で検索して謎を解き明かしていく姿に擬えているようで、とても興味をそそられる。たつき監督の作品の中では、もっともSF要素の強い作品であり、またファンタジーの風合いもある冒険もので、徹底的に構築されている独自の異世界を築いている。
TVアニメ『ケムリクサ』 神鳥谷カヲル
オリジナリティ溢れる設定、一見淡々と進んでいるように見えてあちこちに謎が埋め込まれ、それらが終盤で一気に繋がり見る者を全く違う世界へと連れて行く巧みな構成、そして希望とさらなる物語の予感を秘めたエンディング。何も考えずに見ても楽しめ、かつ、深く考察しようと思えばいくらでも深掘りができる緻密で重層的な作品。紛うことなき傑作。
日本SF大賞は日本SF作家クラブの会員投票によって選出されるものであったたため、『ケムリクサ』は最終候補に選ばれることなく落選した。そもそも、エントリーは多数決で選出が優位になるというわけではないため、たつきファンによる集団投票は無意味に終わった。また、第35回においてもテレビドラマ『安藤ロイド』で同様の事例が発生しており、その際には「多数決で決めたという印象を与えかねないので、大量の推薦文はむしろマイナスの評価になる」という審議が下されている。
なお、この件を受けてのことか第41回SF大賞のエントリー募集要項には、次のような一文が付け足された。
日本SF作家クラブ(SFWJ)公式ウェブサイト 第41回日本SF大賞エントリー募集についてのFAQ(よくある質問と答え)より(魚拓)
エントリーには何を書けばいいの?
エントリーの際の評価基準は、SFとしてすぐれた作品であり、「このあとからは、これがなかった以前の世界が想像できないような作品」や「SFの歴史に新たな側面を付け加えた作品」です。
推薦される方の、絶対評価、個人的な評価でかまいませんが、作品のどこが優れており、日本SF大賞にふさわしいかがわかるようなエントリーコメントをお願いします。
あらすじなどの作品紹介のみのエントリーは、お受けすることができません。
なお、作品を未読・未見の方への配慮として、コメントにネタバレ要素がある場合には、冒頭に【ネタバレ注意】の表記を入れてくださるようお願いします。
表記がない場合でも、運営委員会がネタバレ要素ありと判断した場合には、一覧に掲載する際に【ネタバレ注意】の表記を入れることがあります。ご了承ください。
『ケムリクサ』の落選により投票に関わったたつきファンやKFPアンチは、日本SF作家クラブに対して敵意を向けたが「真フレに隙を作ることになる」という理由で矛を収めた。
なお、一部KFPアンチの間で「KADOKAWA作品以外は受賞できない出来レースである」という声が上がっているが、アニメーション作品では25回で『イノセンス』(徳間書店)、29回で『電脳コイル』(NHK)が受賞しているほか、35回では『魔法少女まどか☆マギカ』(芳文社)が候補に上がっており、事実に反している。なお、KADOKAWA作品は18回の『新世紀エヴァンゲリオン』のみである。
ゲーム開発計画
『ケムリクサ』の製作に参加していたサイバーステップは、2019年8月の株主総会で開発中の新作ゲームに関して次のような答弁を行っている。
サイバーステップ株主総会 今年も行ってきた(テゲレッドの生活向上委員会)(魚拓)
Q.新作ゲームについて、一部ではIPモノが『ケムリクサ』と言われているが、実際どうなのですか。
A.製作委員会の関係もあるので、サイバーステップ社だけの判断でゲーム内容を公表できない。製作委員会の監修が絡む関係がある。しかし、今期中のリリースを目指しており、アニメが公開されてから時間のたたないうちにゲームも公開したいと考えている(鮮度の問題だろう)。
※つまり公開されて時間の経ってないアニメだからケムリクサってことでいいのかな?
発表のタイミングから、この「ゲーム」とはほぼ『ケムリクサ』のことを指していたと思われる。だが、2021年現在『ケムリクサ』のゲームは存在しない。
ヤオヨロズ解散による影響
制作会社であるヤオヨロズがケムリクサ放映後わずか1年ちょっとである2020年3月31日に解散。ケムリクサはヤオヨロズの最後のアニメ作品となった。
現在ケムリクサの版権を所持しているのはジャストプロになる。*11