「みてー!まほうつかいー!」
学校の竹ぼうきにまたがって、ご機嫌な娘。
いい気なもんだわ。
私はみんなと落ち葉を掃きながら腕時計をチラチラ。
ひまわりの門限、9時35分!!
あと10分!!
今日は朝9時から学校ボランティアの落ち葉掃き。
毎日9時半登校のひかりちゃんを、ちょっと急かして
連れてきたのです。
ボランティア仲間のママたちも内心「変なコだなあ」
と思っているだろうけど、もうね、私は開き直りまし
たよ。うちの子は、これで、いいんです。
「手伝ってくれて助かったよ。さ、ひまわりの時間。
そろそろ行こう。」
魔法使いごっこを堪能した娘は、素直に竹ぼうきから
降りて、昇降口に向かいます。やれやれ。
今日もがんばってね。行ってらっしゃい!
こんな子だからこそ、学校や子ども会のお手伝いには
なるべく参加するようにしているんです。
「子どもがちゃんと登校していないのに、それどころ
じゃないだろ!」と言われそうだけどね。
でも、もう人の目は気にしないことにしました。
私がおどおど閉じこもってしまったら、ひかりちゃん
の自己肯定感が下がるだけでしょ。
ひかりちゃんを送り届けて、またみんなと一緒に大量
の桜の落ち葉を掃く。時々耳を澄まして、娘が泣いて
いないか確認する。泣かないで。泣かないで。
大丈夫だから。
病院じゃないんだから。
もう怖いことなんて何もないんだから。
私が山にした枯れ葉を、ちりとりですくってくれた
ママが、読み聞かせのボランティアにも誘ってくれま
した。もちろん、やりますとも!
ひかりちゃんのためと言いつつ、結局、全部自分が
やりたいんだな。
ははは、もう私は自由にはばたくよ!
憎き白血病め、失せろ!