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PS版『ToHeart』のタイトルを変更せずに済んだ“ファインプレー”を高橋龍也氏が解説─意外な展開にSNSで驚きの声

一部のPCゲームがPS向けにリリースされる際、タイトルを変更する流れがありました。ですが、『ToHeart』はタイトルを変えることなく発売。この謎を、本作を手掛けた高橋龍也氏が語りました。

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PS Store より

様々なヒロインたちと交流を深め、その関係を深めていく恋愛ゲーム。“ギャルゲー”とも呼ばれるこのジャンルは、様々な名作たちによって歴史が紡がれ、ときに大きなムーブメントを起こしました。

この恋愛ゲームの歴史を語る上で欠かせない作品のひとつが、『ToHeart』です。成年向けのPC向けADVとして1997年にリリースされた本作は、個性的なヒロインと過ごす学園生活という王道的な舞台を限りなく魅力的に描き、多くのPCユーザーを虜としました。

また、2年後の1999年3月には初代プレイステーション(以下、PS)版が登場。こちらも大ヒットを記録し、恋愛ゲームを牽引した立役者のひとりとして活躍します。

同時期に活躍した同ジャンルのゲームといえば、『ONE ~輝く季節へ~』も記憶に残る一作です。こちらは、1998年に成年向けのPC版が発売され、1999年4月にPS版を発売。PC版は1年違い、PS版は1ヶ月違いと、ほぼ同期と呼べる関係です。

PS Store より

ただし、両者には目に見える大きな違いがひとつあります。それは、タイトルについて。『ToHeart』のタイトル名はそのままですが、『ONE ~輝く季節へ~』のPS版は『輝く季節へ』へと変更されました。

このタイトル変更について、当時様々な噂話が駆け巡りました。その中には、「原作が成年向けのゲームはタイトルを変える必要があるのでは?」といった憶測もありましたが、その場合『ToHeart』が変更されていない謎が残ります。

直接的にユーザー側に不利益が発生する話ではありませんが、この時ちょっとしたモヤモヤを感じた方もいることと思います。あれから20年以上の時が経ちましたが、このたび『ToHeart』のシナリオを手掛けた高橋龍也氏(※「高」は、正しくは「はしご高」)が、その謎を明らかとするコメントを発信し、注目を集めました。

高橋氏が自身のTwitterアカウントで綴ったコメントによれば、タイトルを変更せずに済んだ理由は「『ToHeart』はPS用の企画提出が先だったから」とのこと。

高橋氏曰く、当時手掛けた成年向けPCソフト『痕』が、「コンシューマに移植して欲しいPCゲーム」という企画で選ばれたため、ちょっと動いてみるかと決断。

ただし、当時のソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)は、成年向けゲームからの移植は抑え目にしたい意向があったらしく、『痕』の家庭用版は通りませんでした。

「だったら新規の企画を用意しよう」と考えた高橋氏は、PS向けとなる『ToHeart』の企画を提出。これが、『ToHeart』の最初のアプローチになります。

ですが、企画こそ提出したものの、「多分通らないだろうな」と認識していた高橋氏。PS版は企画提出のみという状態のまま、PC版『ToHeart』の制作に乗り出し、そのまま完成へとこぎ着けました。ここで、製品版としては初のPC版『ToHeart』が誕生します。

このPC版は前述の通り好評を博し、その影響で様々な可能性が開かれたと当時を振り返る高橋氏。その結果、提出していた企画が通り、PS版の開発にOKが出ました。しかも同時期にTVアニメ化の話も舞い込んだため、「だったらOPはアニメ版と共用で!」といった相乗効果も得られ、『ToHeart』に大きな波が訪れます。

企画書が事前に提出された上で、PC版による実績が後押しになった『ToHeart』。こうしたミラクルによって、本作はタイトルを変更せずに済みました。その一連の流れについて高橋氏は、「この辺は社長(当時は専務)のファインプレーですね」とコメント。当時を知るユーザーからも、「現役世代だけど初めて知った」「今になって知る衝撃」など、驚きの声が寄せられています。

「当時は同タイトルのまま移植できないという流れでした」といった高橋氏の発言もあるので、タイトル変更に関する決まりは確かに存在したようです。しかし『ToHeart』に関しては、解説された通りファインプレーが功を奏しました。タイトルを変えずにリリースできた背景がようやく判明し、当時モヤモヤしていた方はようやく一段落ついたことでしょう。

ちなみに高橋氏は、「アニメ版はPS『ToHeart』のアニメ版ではないですし、さらに言うとPS『ToHeart』はPC『ToHeart』の移植版とも違います」「アニメはPCベース。PSは移植扱いではなかった」ともコメント。実際、シナリオ面だけを見てもPC版とPS版はかなり違っており、PC版を経験済みでもPS版は新鮮な気持ちで楽しめます。

PS Store より

PS版『ToHeart』のパッケージソフトがあれば、PS3の互換機能でプレイ可能。また、PSP向けの『ToHeart PORTABLE AQUAPRICE2800』もあり、ダウンロード版ならPS Vitaでも遊べます。興味が湧いた方は、20年を経ても話題となる名作ADVに触れてみてはいかがでしょうか。


《臥待 弦》

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  • スパくんのお友達 2021-11-24 14:16:54
    タイトルの微細な変化なんてあまり気にしてなかったけど、こんな事情があったのね
    まぁあの頃のToHeartやONEが出てバブリーになる前の18禁ゲームって
    今ほど表立って受け入れられてるモノではなかったからな…
    6 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2021-11-24 13:50:12
    97年にドラゴンナイト4や同級生2が同タイトルで出てるから
    ToHeartが同タイトルで出せない理由は何か別にあって、
    たぶん当時のSCEはそれをはっきりとは説明しなかったんじゃないかな~
    ONEはカプコンが同タイトルのゲームを先に出してたから
    変えた(変えさせられた)のでは説も・・
    5 Good
    返信
  • スパくんのお友達 2021-11-24 13:02:07
    雫の毒電波はピュアで純情だった頃のボクには衝撃的だったなぁ
    9 Good
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  • スパくんのお友達 2021-11-24 13:01:34
    おれバカだからよくわかんなかった
    2 Good
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