テンプラ【天麩羅】
〘名〙 (tempero 「調理」の意)
①
魚介類に、水溶きした
小麦粉の衣をつけて、胡麻油、菜種油などで揚げた料理。江戸時代にはじまる。ふつう野菜類を揚げたものは
精進揚げという。
※歌仙の組糸(1748)一〇月「てんふらは何魚にても温飩の粉まぶして油にて揚る也」
※東京風俗志(1899‐1902)〈平出鏗二郎〉中「蕎麦麺は〈略〉
天麩羅・おかめ・花
巻・
卵とぢ・鴨南蛮など甚だ多し」
③ 小麦粉を練った種を油で揚げて砂糖の衣をかけた菓子。〔随筆・嬉遊笑覧(1830)〕
④ (表面(衣)と中身が違っているというところから) めっきしたもの。また、にせ学生。
※安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉初「くさりはきんの
てんぷらと見えたり」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
テンプラ
1 魚・貝・野菜などに小麦粉を卵・水で溶いた衣をつけ、植物油で揚げた日本料理。野菜類のものを精進揚げといって区別することもある。また西日本では、薩摩揚げをいう所もある。
2 《うわべを作るところから》
㋐めっきしたもの。「テンプラの金時計」
㋑にせもの。「テンプラ学生」
3 《「テンプラを揚げる」に掛けたもの》ゴルフのティーショットでボールを空高く打ち上げ、飛距離の出ないミスショットのこと。
[補説]語源は、ポルトガル語のtempero; têmporasまたは、スペイン語のtemploからなどの諸説がある。「天麩羅」とも書く。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
天麩羅【てんぷら】
魚介や野菜を,水と卵でといた小麦粉の衣をつけて揚げた料理。もとは南蛮料理で語源については諸説あるが,定かではない。小エビ,貝柱など小さな材料をまとめて揚げたものをかき揚げ,ゴボウ,ハスなどの野菜だけをとり合わせたものを精進揚げという。揚げ油は,ダイズ油を主体としたてんぷら油が市販されているが,カヤ油,ゴマ油,オリーブ油などがよい。つけ汁(天つゆ)をつけ,ダイコンおろし,ショウガを薬味とする。
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