<キャラクター設定>
・ヒロイン:ユリア・クニューベル
十七歳。真っ直ぐな黒髪に菫色の瞳。
瘴気の森の魔女とヴァンパイアの間の子。ハーフのため少し身体が弱く、純粋なヴァンパイアほどの身体能力もない。瘴気の森の魔女の血を受け継ぐため、その血は猛毒。
血縁的にはベルンハルトの従妹。実父はクニューベル家現当主(義父)の弟にあたる。
三歳のときに実父によってクニューベル家に預けられた。その後の実両親の消息は不明。
ユリア自身はクニューベル家に来た直後に拒血症(ヴァンパイアがまれに発症する飲んだ血に対する拒絶反応。死に至ることもある)を患い、生死の境をさまよったため、それ以前の記憶が曖昧。
瘴気の森の魔女である母から、ほとんど伝説的な存在である魔女の秘薬(どんな病も治す真珠にそっくりな丸薬)をペンダントという形で与えられていたが、そのことも忘れている。
実父に決してヴァンパイアに血を飲ませてはいけないと言いつけられたことだけは覚えている。
忙しい義両親に代わってベルンハルトによって育てられ、教養や常識、マナーなどあらゆることを彼から教わる。
ベルンハルトに定期的に吸血させてもらっており、密かな恋心を抱いている。
甘えたがりな面はあるが、基本的には周りに配慮して自分を強く主張することはない。大事な人のためなら自分を投げ出せるような意志の強さもある。
・ヒーロー:ベルンハルト・クニューベル
外見年齢は二十代半ばくらい。ユリアを引き取ったときにはもう大人の外見だった程度には年齢を重ねている。
黒髪に菫色の瞳。
ヴァンパイアの長であるクニューベル家現当主の息子。ユリアを溺愛する義兄。
ユリアのことは女性として愛しているが、表向きは家族愛ということにしている。フランツィスカという婚約者がありながら、ユリアの愛情も独占したいと思う少し歪んだ性格。嫉妬させてでもユリアの関心を自分だけに引き付けておこうとする。
ユリアに欲情すると吸血衝動が沸き起こる。
フランツィスカと婚約しているのは、幼いユリアが拒血症を患ったときに、薬師のフランツィスカが治療できたら婚約してほしいと望んだから。
ユリア以外にはそっけない。
ユリアが子供の頃に身につけていた真珠のペンダントがいつの間にか消えていることに気づき、状況からフランツィスカを疑っている。だが、その真珠が実は魔女の秘薬だったと知らないため、確証を持てずにいる。
・クニューベル家
瞳の色が特有の菫色の一族で、ヴァンパイアの中心的な存在。
現在の家族構成は、父、母、兄、義妹。
・ベルンハルトの婚約者:フランツィスカ・ウィスカー
ピンクがかった金髪に濃紺の瞳。ベルンハルトと同年代のヴァンパイア。
ウィスカー家は薬師の一族。薬の知識から、ユリアのペンダントが魔女の秘薬であることに気づいたフランツィスカはそれを使ってユリアの拒血症を治療し、ベルンハルトの婚約者の地位を得る。
上品でおしとやかな女性。騙して婚約者の地位を得たことに罪悪感を抱いているが、そうしてでも手に入れたいくらいにベルンハルトのことが好き。
ベルンハルトがユリアに向ける執着に内心で危機感を抱いている。
・ユリアの護衛:ノエル・バッサーマン
金髪碧眼の美青年のヴァンパイア。
血に飢えて禁断症状を起こしたヴァンパイアが現れた場合に備えてユリアにつけられている護衛。ハーフのユリアは身体能力が通常のヴァンパイアよりも劣っているため、これは特別な措置。
ユリアのことが好きだが、彼女の義兄への想いも察している。
ベルンハルトのことはあまり好きではない。
真っ直ぐで優しく、いまいち押しが弱い。