10月に全店閉店 かつての大手ファミレス「CASA」はなぜ消えたのか?

大手ファミリーレストランとしてかつて一世を風靡した「CASA」が10月、その歴史に幕を下ろしました。いったいなぜでしょうか。都市商業研究所の淡川雄太さんが解説します。

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運営主体が分裂 そして……

 西武セゾングループ解体によって店舗数が大幅に減ったCASAですが、さらにCASA運営企業の分裂が起こります。

 西洋フード・コンパスグループは2007(平成19)年に店舗網を百貨店内のインストア型店舗・オフィス・工場などの食堂運営受託・宿泊施設内・高速道路SAPA内などのみに縮小することを決定。

 CASAをはじめ京らーめん糸ぐるまなどレストラン事業の大部分(約120店舗)を西洋レストランシステムズに分社化した上で、モルガン・スタンレー証券とオフィス井上に売却。これらの店舗は2010年代初頭には居酒屋「柚柚-yuyu-」「いろどり庵」「北六」等を展開する個室居酒屋チェーン大手・川中商事(現・アンドモワ)へ再売却されたため、多くのCASAは同社傘下の運営に変わりました。

 一方、西洋フード・コンパスグループも一部を除く百貨店内のインストア型CASAを「CASA Grande」として運営し続けたため、CASAは

・アンドモワ傘下の路面店と一部のショッピングセンターインストア型店舗(CASA)
・西洋フード・コンパスグループ傘下の百貨店をはじめとした多くのインストア型店舗(CASA Grande)

に分裂することになりました。

 しかし、西洋フード・コンパスグループ運営のインストア型店舗・CASA Grandeはその多くが百貨店・総合スーパー内にあったため、それらの業態不振の影響もあって不採算になっていたといい、さらなる事業再編によって2019年までに全て閉店してしまいます。

アンドモワ運営となったCASA。旧・寿屋グルッペ(画像:淡川雄太)

 同社傘下となって以降、創業年の1978年をロゴに記載するなど老舗であることをアピールする店づくりが見られるようになりました。

 これにより、残るCASAはアンドモワ傘下の路面店と一部のショッピングセンターインストア型店舗のみとなりました。

幕切れは突然に……

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