10月に全店閉店 かつての大手ファミレス「CASA」はなぜ消えたのか?

大手ファミリーレストランとしてかつて一世を風靡した「CASA」が10月、その歴史に幕を下ろしました。いったいなぜでしょうか。都市商業研究所の淡川雄太さんが解説します。

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一時期は全国200店舗以上に

 1989(平成元)年に運営企業の社名が「西洋フードシステムズ」と変わったころには、CASAは「首都圏の大手ファミレス」として認知される存在に。

 その後も1991年に九州最大手の総合流通企業だった「寿屋」(2002年廃業)のファミレス部門「グルッペ」を買収するなどして、展開地域を拡大。90年代には北海道から九州まで200店舗以上を数えるほどにまで成長を遂げました。

西武百貨店大津店(2020年閉店)に出店していたCASA。かつてはセゾングループのさまざまな店舗でも見られた(画像:淡川雄太)

 西洋フードシステムではCASAの成功をバネにして「京らーめん糸ぐるま」など別業態の開発・出店も進めたため、西武グループの商業施設内に入る店舗の多くがCASAをはじめとしたグループ店舗という店も生まれるようになりました。

「店舗数激減」のキッカケとは

 順調に経営規模を拡大しているように見えたCASAでしたが、ファミレス業界の競争が激化するなか、バブル崩壊後には西武セゾングループの経営不振の影響も大きく受けることとなります。

 グループのうち西武百貨店傘下の不動産業で多くのリゾート開発を手掛けていた西洋環境開発は特に負債が大きく、同社は2001(平成13)年に特別清算。その結果、西武セゾングループは解体されるに至ります。

西武百貨店はセゾングループ解体後「セブン&アイ・ホールディングス」傘下に。百貨店自体も店舗網を大きく縮小することとなった(画像:淡川雄太)

 当時CASAを運営していた西洋フードシステムズは、2000年のそごう・西武百貨店経営統合により、旧そごうグループのそごう商事からとんかつ専門店「双葉亭」、和食店「四季」などを取得することで経営規模を拡大。

 並行してライバル・すかいらーくグループのガストやバーミヤンに似た格安業態を開発するなど、業態の多角化も進めていたものの、西武セゾングループ解体によるリストラは避けられませんでした。

 そして、2001年にCASAの半分以上の店舗を同業の大手ファミレス・ココスに売却。また、西洋フードシステムズ自体も2002年1月に西武系列を離れて英国の飲食大手・コンパスグループの傘下に入ることとなり、西洋フード・コンパスグループと改名されました。

運営主体が分裂 そして……

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