事件後にアクタージュについて「お風呂の描写が多い」と言う批判も見かけましたが、私は作品を読んでいてそこが気になったことはありませんでした。見返してみるとたしかに1巻にお風呂シーンはあるのですが、サービスシーンのような内容では全くなく、自然なものでした。
ウェブメディアのインタビュー内で宇佐崎先生はマツキ氏に「下ネタのノリがきつい」と指摘することがあると答えています。初期は下ネタが挟まれている部分がありますが、あまり目立つように描かれておらず、その後はそうした描写がなくなってきています。
もしかしたら、アクタージュのジェンダー表現がフラットに見えたのは、宇佐崎先生のおかげが大きいのかもしれません。個性のある美しく迫力のある絵が、キャラクターの魅力と作品の説得力につながっていると思っていましたが、アクタージュという作品の宇佐崎先生の貢献の大きさを改めて感じました。
8月29日、読売新聞朝刊で、マツキ氏が再逮捕され、容疑を概ね認めていると報じられました。マツキ氏は今後も余罪を追及されるでしょう。Twitterやあとがきで「ストレス発散に自転車に乗っている」などの発言も多いことから、性依存症の可能性も高いでしょう。マツキ氏には更生してほしいですし、その後も被害者保護を考えるなら(少なくとも)そのままの名前を使って活動することは避けるべきでしょう。
素晴らしいと思ってた作品が終わるのは非常に残念で喪失感がありますが、何よりも被害者がこれ以上傷つかないこと、このような事件が繰り返されないことを願っています。
そして、美しく迫力のある絵を描く、作品外の言葉でもファンを救ってくれた、宇佐崎先生を応援したいと思っています。