【音声配信&資料あり】「選択的夫婦別姓の記載をめぐり、自民党内で大詰めの議論~自民党案を入手・公開」▼2020年12月11日放送分 デイリーニュースセッション
TBSラジオ『荻上チキ・Session』(平日午後3時半~生放送)
『荻上チキ・Session-22』から続く、新世代の評論家・荻上チキと南部広美がお送りする発信型ニュース番組。
12月11日(金)のニュースコーナー「Daily News Session」
「選択的夫婦別姓を巡り、自民党の議論が大詰め~自民党案を入手」
◆自民党案を公開◆
選択的夫婦別姓制度の取り扱いについて、自民党内での攻防が続いています。
自民党はこれまで、「第5次男女共同参画基本計画」に関する自民党内の部会(内閣第一・女性活躍推進特別委員会合同会議)を3回開いています。12月4日には政府の原案が示され、12月8日、12月10日の部会では、党内から「修正案」が提示。それでも結論が出なかったことから、たたき台して改めて出された「中曽根ペーパー」をベースに、再度議論をしなおすことになりました。
Sessionは、「修正案8日版」、「修正案10日版」、そして「中曽根ペーパー」を入手しました。
※ファイルは配布資料からの再現。また、関連資料から、「政府原案」も再現しました。
「政府原案」に対しては、反対派から「偏っている」などの意見が出たことを受け、「修正案8日版」では、選択的夫婦別姓について争われた最高裁判決から引用する形で、両論併記が測られました。それに対し、「文言が長すぎる」などの意見が出たことを受け、再度、文案を修正することとなりました。
その後の「修正案10日版」では、現在の「夫婦同氏制」について改善を求める意見は大幅に削除され、脚注へと移動されました。
また、「8日版」では「政府においても、国会での議論の動向等を踏まえ、必要な対応を行う」とされていた末文が、「10日版」では、「国会における議論の動向を注視しながら検討を進める」と変更されました。これに対して、賛成派から異論が相次ぎました。結局議論は紛糾し、部会長への一任はまたも見送られました。
10日に出された「中曽根ペーパー」は、これまでの経緯や賛否を削除して、今後の方針のみ書いただけのもの。次回の議論は、この「中曽根ペーパー」をベースに行われることとなりそうです。現状維持を狙う反対派と、具体的な踏み込みを求める賛成派。自民党内での議論は、まだまだ紛糾しそうです。
なお、ここで行われている議論は、あくまで「第5次男女共同参画基本計画」にどう記述するかというものであって、具体的な法整備の議論にまでは至っていません。既に選択的夫婦別姓についての法案を提出している野党に対し、与党がどのような法案審議を行うのか、注視が必要です。
◆TBSラジオ・澤田大樹記者が取材報告◆
そのほかのニュースも含めて「ポッドキャスト」から音声をお聴きいただけます。
===============================
「荻上チキ・Session」
TBSラジオで平日午後3時30分から生放送!
*ラジオはFM90.5/AM954
*パソコンorスマホで「radiko」でどうぞ。
===============================