運籌綱目・巻九・狙詐――すきをねらってだます
私が考えるに、楊子の『法言』に、こうあります。ある人が尋ねました。すきをねらってだますのと滅びるのとでは、どちらが心配でしょうか。こう答えました。滅びるのが心配です。ああ、これは古道です。今、北方の異民族が侵入し、ややもすれば数十万人の兵力規模であると言っていますが、九伐の法によって勝利しようとしても難しいです。『孫子』に、こうあります。軍事は相手をあざむいていくことです。さらに、こうあります。軍事はだますことでうまくいきます。軍事を語る者は、この原則に違反してはいけません。そこで、狙詐の項目を設けます。