書誌詳細情報
vesta 106号(2017年春号) ★在庫僅少
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この本のジャンル
解説
巻頭 こいつぁいけねぇ:高田郁/酒と食の考現学/異文化に適応する日本酒/酒のない食卓/異文化の酒を受容する日本の食文化:高田公理
目次
特集:酒と食
巻頭:こいつぁいけねぇ
第Ⅰ部 酒と食の考現学
1ウイスキーを食中酒にした日本
2チェコとビールの深い関係
3伝統的な「歓待のワイン」
4国よりも、通貨よりも。ロシア人が信じる、ウォトカという「水」
5現代中国における酒と食
6日本人と飲酒
第Ⅱ部 異文化に適応する日本酒
1米国人に日本酒をきちんと知ってほしい
2イタリア人と日本酒を酌み交わすとき
3日本酒は香港に根づくのか
第Ⅲ部 酒のない食卓
1禁酒法はアメリカの食卓にどんな影響を与えたか
2ピザパ栄え、酒宴滅ぶ?―女子大生の新しい聖餐とは―
第Ⅳ部 異文化の酒を受容する日本の食文化
ほか連載
解説(詳細)
特集アドバイザー/高田公理(武庫川女子大学 名誉教授)
「酒と食」
塩か味噌でも日本酒は飲める。が、本来「肴」は「魚」―そこで和食の雛形を極端に単純化すると「旬の魚と野菜をおかずに米飯を食べる」となる。ここで「米飯」を「米の酒=日本酒」に置き換えると、日本の食と酒の関係の諸相がイメージできる。
ただ、順序はある。茶懐石なら食事から飲酒に移り、会席ならなら食事は最後になる。が本来、日本酒以外の酒はなかった。
一方、18世紀のイタリアでは食前・食中・食後に異なる酒を嗜む習俗が生まれた。で、食前酒に対応する単語はないが、食前酒は「開く」から転じたaperitivo 食後酒は「消化」から転じたdigestifという単語が登録される。
こうした彼我の違いを前提に現代の日本と世界における「酒と食」の関係をたずねてみよう。