今回は、ちょい高ウイスキーシリーズとして、サントリーのシングルグレーンウイスキー、知多を飲みます。

ブレンデッドを支えるグレーン

_DSC4032_01サントリーウイスキー知多は、愛知県の知多半島の北西部、知多市にあるサントリー知多蒸溜所で作られたグレーンウイスキーのみで構成されています。

「サントリー知多蒸溜所」は、元々サングレインというサントリーと全農の合弁会社で、1972年に設立されました。
そして2019年に、現在の「サントリー知多蒸溜所株式会社」と社名が変更されました。

知多蒸溜所は伊勢湾沿いの埋め立て地の一角にあり、山崎や白州とは異なり、鉄骨と鋼管が張り巡らされた、まさにプラントのような外観を持っています。
この蒸溜所は見学することが出来ず、また販売所もありません。
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この蒸溜所で、トウモロコシなどの穀類を粉砕し、一度蒸した後で煮ることによって糖分を出して甘い汁にします。そこに酵母をくわえて発酵させ、もろみを造ります。
これを連続式蒸留器で蒸溜することでアルコールを取り出します。モルトウイスキーのポットスチルと比べるとより純粋なアルコールを取り出しやすく、香りや味も抑えられたものになります。

蒸溜されたウイスキーの原酒は樽に詰められますが、知多蒸溜所には樽を貯蔵する場所はなく、そこから滋賀県東近江市にある「近江エージングセラー」という貯蔵庫に送られ、そこで貯蔵、熟成が行われます。
この近江エージングセラーには、山崎や白州で蒸溜され、蒸溜所内で収まりきらないモルト原酒も貯蔵されているそうです。

この知多のシングルグレーンは、愛知県と公式通販限定で販売されていましたが、2015年に一般向けとして、「サントリーウイスキー 知多」としてデビューしました。

現在は佐藤健がイメージキャラクターを務めています。サントリーとしてはハイボールとして飲むことを勧めているようです。

甘い香りと味わいが広がる

ストレート

バナナのような香りがふわっと感じられ、その後は青リンゴ、バニラの香りが続きます。
味わいは、アルコールからの辛みは少なめで、軽い酸味の後に甘みが全体に広がります。

ロック

ライムのような爽やかな香りが広がり、後から青リンゴの香りが続きます。ストレートで感じられたバナナやバニラは抑えめになり、フレッシュさが目立ちます。

味わいは、酸味が強く出るようになり、後から甘みがジワジワやってきます。加水が進むと酸味は減り、甘みが強まります。

水割り

バナナの甘い香りが広がり、リンゴ、バニラが続きます。
味わいは、軽い苦みがあるものの、その後は甘さが支配していきます。

ハイボール

水割りに比べるとバナナの香りがより強めに感じられます。
味わいは、炭酸からの酸味が加わり、よりフルーティな味わいに感じられます。

まとめ

全体的に甘みが強い印象があり、香りもバナナとバニラという甘い香りがメインになっています。
ウイスキーの癖が苦手な人でも、知多は飲みやすく感じられるのではないでしょうか。

サントリーは知多もハイボールで飲むことを勧めていますが、炭酸による酸味がプラスされて、甘み一辺倒の印象からフルーティさとアクセントが加わってより一層おいしく飲めます。

700mLのボトルは4000円近いですが、350mLのハーフボトルが売られていて、こちらは2000円前後で購入できます。コンビニだと1/4の180mLサイズも1000円程度で売られています。

シングルグレーンをまだ飲んだことのない方、グレーンをモルトよりも格下に見ている方には是非飲んでもらいたいです。
  • メーカー:サントリー
  • 容量:700mL、350mL、180mL
  • アルコール度数:43度
  • 香り:バナナの香りが先行し、バニラ、青リンゴの香りが続く。
  • 味わい:軽く酸味、苦みが感じられた後、甘みが強めに出る。
  • ストレート A: アルコールの辛みが少なく、スイスイ飲めてしまう。
  • ロック B: ライムのような爽やかさが加わり、酸味が目立ってくる。
  • 水割り A: 癖が少なく、甘みがメインで飲みやすい。
  • ハイボール AA: 酸味、フルーティさがプラスされ、心地よさが生まれる。