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カテゴリ:エッセイ
陽だまりの中、サザンカが元気よく咲いているのを見て、寒いのに頑張っているなあと思いながらも、今日も「願立剣術物語」を眺めています。
「身の備え、太刀の構えは器物に水を入れて敬って持つ心持ちなり。」 なんだってぇ~!唐突だなあ。 身体の構えとか、刀の構え方とかは、器に水を入れて、それをうやうやしく持つようにする。 は、はぁ~~~~って感じかな。 「みだりに太刀を上げ下げ身をゆがめ角を皆、敵を討つ、敵を押さえうけ開きはずるる事など大いに悪し。」 みだりに太刀を上げ下げして、身体をゆがめたり硬い動きをしたりて敵を討つ。 あるいは、敵を押さえつけ、またはこじ開けるような事は最も悪いことだ。 「惣じて太刀先より動くことなし。唯、かいなばかりを遣うことぞ。」 全ての動作において太刀先から動くことはない。 それは小手先だけで動くなということだ。 なるほど。 一般的な物言いだ。 「左右前後上中下段、丸く切れ切れにならぬようによく勢いをつけて上手の文字を書く如くなり。」 あらゆる方向に途切れなく勢いよく丸く動け。書道の達人のように。 結局は、止まることなく、勢いよく丸く動けということか。 「能手の文字を書く筆先を遣う分別知恵を以って書にはあらずと見えたり。」 書道の達人は、小手先で筆を操ることを考えない。 小手先の技で書いたものは、書とは言えない。 少し、冒頭の「器物に水を入れて敬うように・・・」という言葉とかけ離れてしまった感じがあるが・・・・。 しかし、バケツに水をいれて両手で持って、手の動きを止めたり動かしたりすれば水はこぼれる。 しかし、ぐるぐる回せば。表面張力で、水はこぼれない。 こういう話か。 書を書くときも、途中でためらいがあったり、やたらに筆を止めたりすれば、良い字は書けない。 また、小手先のテクニックに頼っていても、良い字は書けない。 つまり、何のためらいもなく、全身を使って丸く剣を動かし続けろということか。 止まれば水がこぼれるぞということ。 水がこぼれないような動きをしろという結論で、いいかと思う。
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https://www.jiji.com/jc/v4?id=202110moeyoken050001 (2021.11.20 22:29:08) |