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自作スピーカーと測定  * 冬うさぎの晴耕雨読な日々 *

自作スピーカーと測定に関するブログです。

Category :  無線と実験
tags : 
『MJ無線と実験』2021年9月号が発売されました。
今回はクロスオーバーネットワークの設計ということで、冒頭から毒舌気合いが入っております。

・1次のバターワースは理想のフィルター?
・2次のバターワースのクロスをずらして-6dBクロス?
・ツィーターは正相接続じゃなければダメ?

答えを知りたい方は、ぜひMJ9月号をお買い求めください。

 さて、アマチュアスピーカービルダーにとって、スピノラマというパラダイムシフトにどう向き合うかは、なかなか重い課題です。私自身はこれまで軸上特性重視、Reverse null重視で設計してきましたが、今回のSatori 3ウェイのクロスオーバーネットワークは最新の技術トレンドにしたがいスピノラマ重視の設計にしました。


スピノラマ


 スピノラマ重視のほうが本当に良い音が聴けるのか、あるいは、自分にとって心地よい鳴り方になるのか、このあたりは今後の研究課題なのですが...

 実は、今回設計したクロスオーバーネットワークは、コイルの定数を変えることで軸上特性重視とスピノラマ重視を切り替えることが出来ます。実際の工程ではクロスオーバーネットワークは既に組み上がっており、音出しもしています。したがって、軸上特性重視vsスピノラマ重視の結論も出ているのですが、それは最終回のお楽しみです。



(つづく)

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テーマ:オーディオ - ジャンル:趣味・実用

コメント

Re: タイトルなし
こんばんは。
お名前がありませんが、何とお呼びすれば良いでしょう?

「二者が両立する設計をしなかった」ではなく、「両立を目指したけれど、完全にはできなかった」というのが正しいです。

ご指摘のように、軸上特性とスピノラマが両立するのが理想です。本作例でも3Dプリンターでミッドレンジ用のWaveguideを自作するか、あるいはNC加工機でWaveguideを一体化したバッフルを作れば、おそらく両立できたでしょう。ただし、これはノイマンやGenelecには出来ても、私を含めた大半の自作ファンには手が出せない領域です。読者が実施可能な内容でなければ、雑誌に掲載する意味はありません。そこで本作例は、誰でも入手可能な市販のドライバーを使い、ネットワーク設計で可能な限りスピノラマを整えようという方針で進めてきました。

私がパラダイムシフトと言っているのは方法論のことではなく、評価指標を何にするかという点です。周波数特性を調整するという意味においては、パッシブネットワークもイコライザも同じです。ただし、そこで従来のように無響室特性の軸上特性を評価指標とするのか、あるいはスピノラマを評価指標とするのか、では、その背景も含めて思想が大きく異なります。これはパラダイムシフトと呼ぶにふさわしい出来事ではないでしょうか?
2021/08/17 22:03  Iridium17  URL  #-  編集

Re: タイトルなし
こんばんは。

たいへん高度な知識とご経験をお持ちと推察致しました。そういった方から注目いただくのは大変光栄ですが、もう少し穏やかに話しませんか(笑)

貴兄の定義に従えば、私がやっているのは「スコア重視」ということになります。それもひっくるめて「スピノラマ重視」と呼ぶのが適切でないのなら、そうかもしれません。イコライザーは使ったことがないので、違いは何か?と言われても分かりません。

300万円の音質を30万円と労力で...というのは、そもそもスピーカーを自作する意義は何か?という文脈の中で、自分のモチベーションと目標を表現したものです。日本の場合、自作スピーカーといえばフルレンジ+バックロードかダブルバスレフという形式に偏重しており、海外のように理論やデータを駆使してスピーカー技術の高みを目指そうという人はごく少数です。このような状況に一石を投じ、現代のスピーカー技術に関心を持って欲しいという気持ちを込めてMJの記事を書いていますので、時には故意にキャッチーな表現を使うこともあります。そこはご理解いただきたいですね。

本当に300万円に匹敵するかどうか、300万円+αのスピーカーを保有する友人に聴いてもらうことになっています。
2021/08/19 21:35  Iridium17  URL  #-  編集


”マスターブック”のミッション
 グローバルスタンダードなスピーカー設計技術を日本語で提供します

”マスターブック”の約束
 筆者の個人的なポリシーやコンセプトではなく、文献や実測データに裏付けられた事実を記載します

”マスターブック”から得られるもの
 これまで知らなかった新しいスピーカー作りの楽しさを知ることが出来ます

私たちの活動がきっかけとなって、感性だけに頼るのではなくデータにもとづいたエンジニアリングとしてのスピーカー作りや、先進的な設計手法を取り入れることで、皆さんのスピーカー製作の楽しみがさらに奥深くなることを目指しています。
https://diy-audiospeaker.sub.jp/about-us/
2021/08/22 23:39  介錯人  URL  #-  編集


1
軸上特性「と」スピノラマを両立させるのが今世紀にふさわしい設計です
軸上特性重視「vs」スピノラマ重視ではただイコライザを変えただけ、それが本当に「パラダイムシフト」や「最新の技術トレンド」と言えるのですか?
最新の測定と設計による高性能・高音質スピーカーなのに、二者が両立する設計をしなかった理由は何でしょうか?




2
スピノラマはON/LW/ER/PIR/SP/SPDI/ERDIという軸上を含む7本のグラフで構成されますから、スピノラマを評価指標とする、と言うよりも、スピノラマから何を読み取ってどう評価するかが問題です
スピノラマは1枚の2Dプロットで大まかな性格を表現し、また「比較的」上手く設計上の問題を明らかに出来る点に大きなメリットがあります

さて、スピノラマから読み取れる問題点に対処して軸外と軸上を整えるならば、それは文句無しにスピノラマ重視です
例えばDIを考慮してクロスを決める場合がそれに該当しますが、本来軸上とは相反しないはずです
そして左軸5本の中の一部のグラフを重視していたのでは最早「スピノラマ重視」ではありませんし、スピノラマから算出したスコアを重視するなら「スコア重視」です


従って厳密には何を以て軸上重視 vs スピノラマ(軸上を含む)重視と仰っているのか分かりかねますが、仮にDI/ERDIの悪いスピーカー(この場合は特に1.6k水平とクロス垂直)にPreference ratingを考慮したフィルタを掛けるならば、自ずとPIRをより重視した特性になると思います
この「パラダイムシフト」と、部屋や軸外特性の問題を「補正」するためにリスニングポイントにマイクを立ててQの低いイコライザを掛けるというすっかり手垢の付いた愚行の違いは何でしょうか?


300万円の製品を買う人は、特性、信頼性、見た目、体験、所有欲、ブランドが持つステータスや歴史、アフターサービス、リセールバリュー、それが何であれ価格に見合う価値を見出しています
「大半の自作ファンには手が出せない領域」にあるプロが設計したノイマンやGenelecの製品群の上位機種は100万円前後ですが、恐らくは誰も10万円(仮)分の新古ユニットを買っていると感じては居ないのです

初回では300万円の音質を30万円と労力で、と書いておられたそうですが、振り返ってみて如何でしょうか?




3
甘い言葉を並べたころで特性が突き付ける現実は変わりませんし、誌面では理論派ベテランとしてFostex相手に「ちょっとしたトゲ」のある物言いをし、読者には「気合い」を入れて物申しておられる一方で、ブログのコメント欄では一介のど素人を相手に穏やかな話し方を求めているようでは格好が付かんでしょう
フルレンジやバックローデッドホーン、ダブルバスレフに御執心の平均的自作スピーカービルダーや、クロスオーバーで音がダブって聞こえるのではと危惧するようなノータリンMJ編集部を見下し或いは憂うのは大いに結構、しかし御自身にもまた視線が向けられる事を覚悟すべきです


申し上げた通り、スピーカーの指向性やDIを整える設計を行っていれば、軸上特性を整える事は即ちスピノラマ全体が整う事を意味し、それは取りも直さずスコアの向上を意味します
「素人にでも出来る楽ちん設計」とでも銘打っていたなら兎も角、これがあるべき「最新の測定と設計による高性能・高音質スピーカー」のベースラインでしょう
貴方による「最新の測定と設計」で、誌面に掲載できるような垂直指向性は得られましたか?(流石に4k LR2は諦めたようですが 笑)
本来は基本設計の時点で予見し回避すべきレベルのものですが、少なくともこうして測定を行った今、基本設計をしくじった自覚はお持ちの筈です
読者にその説明はされましたか?


軸上とPIRが両立しないからと軸上を捨てPIR寄りに整えるのは、本質的にはリスニングポイントにマイクを立ててActual In-room Response寄りに“補正”するのと何ら変わりませんから、スピノラマという言葉の(オーディオマニアの中での)目新しさに託けているだけで、その実パラダイムシフトでも何でもありません
またオーディオマニアが信奉するTRINNOVであれAccuphase DGであれ、空間で起きる問題を一次元で補正しようなどと言う稚拙極まりない考えが通用し得ない(場合によってはましになる程度)事は明らかです

そしてはっきりと申し上げるならば、唐突に出て来た「軸上特性重視vsスコア(スピノラマ)重視」という言葉の裏に、基本設計の失敗により本来整うように設計すべきDIに問題を抱えており、軸上と軸外やPIRが両立しない現実から目を背け、良い軸上+悪いPIR と 良いPIR+悪い軸上のどちらが「良い」かという二択の構図へと誘導し、大成功の既定路線で連載を締めくくろうという腹積もりがあるのではと感じました


私はプロによる理論に基づいた真っ当な製品設計(割合は少ないとは言え)をあまりにも軽視した、しかし自作界にはありがちな「キャッチーな表現」こそが、理論派を標榜し真に良い設計を追求する精神とは対極に位置する、恥ずべきものですらあると考え、大変嘆かわしく思います
さて、B&Wを筆頭に300万以上の値札が付いていようともゴミのような特性の製品は数知れずありますから、ここは是非僅かペア100万円前後のGenelecやNeumannといったまともな製品と比較評価して欲しいですね
代理店からの貸し出し試聴も可能なはずです
2021/08/22 23:46    URL  #-  編集

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2021/11/21 00:37      #  編集


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