智恵と美紀は、その光景に自分達が受けた仕打ちを思い出さずにいられない。
溜飲の下がる思いよりも、辛い記憶に苛まされた。

室家は、丁寧に、またスピーディーにカミソリを走らせる。
彩の茂みは徐々に失われ、恥ずかしい秘所も露わになっていく。

室家は、彩のヘアを剃り終わると、タオルでクリームの跡を拭う。
そして、まんぐり返しの姿勢をとらせ、手足を拘束していく。

剃りたての秘所と、お尻の穴が、衆目に晒される。
余りに情けない我が身の姿に、彩は子供のように泣きじゃくる。

支度が済むと、室家は自分の椅子に戻り、里香を促した。

里香が叩ける位置まで来ると、
学園長「四十のケイン打ちにします。
木下さんは、反省の言葉を述べるように、青木さんは、出来るだけ間を措いて叩きなさい。

いいですね?」

彩が返事をしようとした時、里香は早速とばかりに、ケインを振り下ろした。

バチィ!

彩「わかり…はぐわあぁぁぁっ!
あああぁぁぁぁぁ…
み、皆さん…申し訳、あ、ありませんでしたっ!」

いきなりの打擲に、彩は身を捩り、お尻を無様に振った。
太ももも、プルプルと震えている。

里香は、彩の反応に心が躍るような快感を味わう。
表情は、湧き上がる愉悦を必死に堪えているが、赤くなった顔が、上級生をお仕置き出来ることに興奮していることを物語る。

彩の、滑稽な尻振りダンスが終わったとこで、第二打が打ちつけられる。

彩「ひぐうぅっ…
皆さんっ、申し訳、ありまぜんでしたっ」

里香は、彩の涙と、反省の言葉に思わず「ふふっ」と笑みを漏らした。

囁き程度のものだったが、彩には、ハッキリと聞こえた。
ただでさえ後輩の尻打ちに屈辱を感じていたとこへ、事もあろうに里香に笑われては堪らない。

彩は、形容しがたい屈辱に、大粒の涙をこぼしながら、拘束された手足を動かそうとする。
しかし、その無意味な足掻きは、益々、里香を歓喜へと導く。

そして里香は、自分が咎められないよう、表情を固くした。
そして、心で喝采を叫びながら、彩のお尻にケインを振るう。

彩は、情けないくらいに泣き叫び、見苦しい程暴れる。
お尻の痛みや、秘部を晒す羞恥では無い。
里香が嗤いながら、ケインを打ち据えることが、我慢出来ない屈辱なのである。
しかし、現実は何の抵抗も出来ず、里香の為すが儘である。

彩の余りな醜態に、二年生は不快感を露わにする。
確かに辛いであろうが、一年生、それも里香に打たれて、ああまで泣きわめくのかと、情けない思いであった。

智恵を弄ぶがごとくお仕置きしたであろうに、彩のその様は、滑稽な感が色濃く出ている。

里香が振るうケインに、彩のプライドはズタズタに引き裂かれる。

十回目あたりから、反省の言葉に加えて、学園長への懇願が混じる。

彩「ごめんなざいっ、ごめんなざぁいぃっ、
学園長、も、もう許じでくらざいぃっ!
お願いじまずぅ!」

二年生達は、彩の不甲斐なさに、聞こえよがしに嘆息をする。
中には、愛想が尽きたように冷笑を浮かべている者もいる。

一方、里香は楽しくて仕方がない。
自分の手で、上級生の、しかもキャプテンを泣き叫ばせている事に、完全に悦に入っていた。

室家もたまりかねたのか、学園長に許可を貰ってお仕置きを中断してもらい、彩を励ました。

彩は、完全に我を忘れていたが、室家の言葉にすこしずつ冷静さを取り戻した。

キャプテンとしての立場を思い出した彩は、涙を収め、歯を食いしばる。

彩の瞳に、光が戻った事を確認すると、里香に続行するよう告げた。

里香は、大きく頷くと、激しい打擲を再開する。

が、顔を歪めたり、お尻を少々動かすくらいで、先ほどのような醜態は無い。

再度、彩を泣き喚かせたい里香は、意地になったように打ち据える。
同じところを、立て続けに狙って打つ。

しかし、彩もよく堪える。
涙は流すものの、泣き声も殆ど上げることなく、里香の打擲を受け止める。

その事により、二年生達も、彩を見直しだした。

そして最後の一打。

ビシィ!

彩「うっくうぅぅっ…
み、皆ざん…申じ訳、ございまぜんでちた…

ヒック…あ、青木さん…お、…じおぎ、ありばどう…ヒック、…ございまず…」

里香は、汗だくとなり、彩の挨拶を聞いて、満足げな様子で学園長にケインを返す。

学園長は頷くと、室家に向き直り、介抱する前に、浣腸とオムツのお仕置きをするように指示を出す。

室家は、彩の拘束を解くと、優しく声をかけ、続けて大丈夫かと聞いてみる。
彩としても、その方がいい。
羞恥に震えながら、四つん這いになって、痣だらけのお尻を室家へ突き出した。

室家は、彩の肛門にワセリンを塗ると、ガラス製の浣腸器を手にする。

そして浣腸器の先端を、彩のお尻の穴へと突き刺す。

彩は、衆人環視の中、浣腸されることに、恥辱の涙を浮かべる。
「ううっ…」

そして内容物の侵入に、苦悶の表情を浮かべた。

浣腸が終わると、また姿勢を変える。

彩の肢体は、部員達の前で存分に晒される。
仰向けで足を開き、腰を浮かせる。

室家は、彩の姿を皆から隠すように紙オムツをつけてやる。

彩のオムツ一枚の姿は、彼女の筋肉質な裸身のせいで、非常に滑稽に映っていた。


彩も女の子である。
同級生や後輩の前でオムツ姿とは、ある意味全裸より恥ずかしいだろう。
彩は、胸とオムツを隠すような仕草で震えていた。

が、暫くすると、強烈な便意に襲われる。
額に汗を浮かべて堪えるが、時間の問題である。

皆が見守る中、彩に限界が来た。
しゃがみ込むと同時に、くぐもった排泄音が静寂を破る。

彩は、オムツへお漏らしした羞恥に、激しく泣き出した。

室家は、彩を宥めるように助け起こすと、ベッドに上げ、オムツを外して後始末をする。

その後、彩も武田に介抱され、学園長もお仕置きの終了を告げる。

やがて彩と志乃が制服を着たとこで、部員達も二人を慰めた。

彩は、智恵と美紀に、自分の過ちを素直に詫びた。
特に智恵には、
「智恵さん…、本当にすみませんでした…
私の事、許せないと思いますが、本当に反省してます。
申し訳ありませんでした。」
と涙の謝罪を繰り返す。

智恵は無言でいたが、彩の涙に、
「彩、もういいんだ…
これからも、キャプテンとして頑張れよ。」
と、彩の髪を撫でた。

彩は、智恵の優しさに感極まり、彼女に抱きついてむせび泣く。
智恵に甘えたかった彩は、この瞬間、心に安らぎを感じた。



翌年。

智恵は、2月の中旬より、内定した企業へと居を移す。
Vリーグチームの練習に参加する為だ。
学園での授業も終わり、後は卒業式に顔を出すだけとなる。

そして美紀達も、1月に二大タイトルの一つ、春の高校バレーボール全国大会を迎えていた。

一、二年生で行われる春高バレーは、新人戦ともいうべき大会である。
苦戦はしたものの、昨年のインターハイに続き、見事優勝を飾った。

学園は、優勝のお祭り騒ぎに沸き返ったが、美紀はどこか寂しげだった。


卒業式当日。

練習中、美紀は、学園長室に呼ばれた。

ノックして入ると、学園長が手招きする。

「立花さん、宮村さんが寮の談話室で待ってるわ。
手渡したい物を、直接渡しなさい。
あなたの優しさと、同室の村井さんに免じて、今日だけは会話を許可します。」
そう言うと、学園長は美紀に微笑んだ。

美紀は、卒業する智恵に新品のバレーシューズと、手作りのミサンガを贈ろうと思っていた。
そこで同室の村井に、智恵に渡してくれるように頼んでいた。

村井は、情にあつい。
すぐさま学園長へ掛け合い、せめて美紀に直接渡させてあげて下さい、と頭を下げて頼み込んだ。
学園長は、暫く考えていたが、承諾した。



美紀「あ、ありがとうございます!」

美紀は学園長室を出ると、全力疾走で寮へ向かう。

まず、自分の部屋に立ち寄り、シューズとミサンガを手にすると、談話室へと急ぐ。

ノックをして入ると、智恵が一人待っていた。
美紀は見納めとなる智恵の制服姿に、一年間の思いが涙となって込み上げる。
智恵も、瞳は潤んでいた。

美紀「お姉ちゃん、今までありがとう…
これ、美紀から…」
手にしたシューズとミサンガを智恵へ渡す。

智恵は、美紀の手作りのミサンガを手にする。
涙で、『CHIE.M』の文字が大きく滲みだした。

智恵は、美紀の気持ちに胸が熱くなった。
「美紀、ありがとう…
お姉ちゃん、凄く嬉しいよ。」

二人は、軽く抱擁を交わす。

美紀「お姉ちゃん、約束覚えてる?
二年後、美紀は必ずお姉ちゃんのチームに来るからね。」

智恵は、美紀の髪を優しく撫でた。
約束とは、会話禁止の前日に、智恵が美紀と交わした事である。
「うん、お姉ちゃんも待ってるよ。
頑張ってね、美紀。」

美紀は声を落として、
「その時は、続きやろうね、お姉ちゃん。」
と囁いた。

智恵も頷いて、
「もちろんだよ、美紀。」
と、優しく微笑んだ。


二人の笑顔は、明るく輝いていた。




第一部 完