室家「ちょっと待て!」
美紀のお尻の痣を見て、室家は鋭く叫ぶ。

その時、彩と志乃も顔色を変えた。
無論、智恵も息をのむ。

室家は、美紀に詰問する。
「これは、ケインの跡だな!?
美紀!誰にやられた?
ケインは、学園長と武田さんしか扱っていない筈だ!」

美紀は、室家の問いに顔が青ざめた。
智恵、彩、志乃の三人も同じである。

室家は、それを目ざとく確認すると、何か隠し事があるなと察した。

室家「智恵、彩、志乃、美紀は、監督室へこい。
他は寮に戻れ、解散!」
その一言に、部員達は機敏に動く。
イスを片付けて、それぞれ部室から去ってゆく。
智恵達、三人は名前を呼ばれて、俯いている。
室家は、その様子に確信を持った。


四人は、室家と共に監督室へと移動する。
室家を除き、皆、顔色が蒼白になっている。

室内へ入ると、四人を立たせたまま、室家はイスへ座る。
そして努めて冷静な口調で、
「美紀、誰にやられた?
まさか智恵じゃあるまい。」
と、問い質した。

美紀は俯いたまま、答えない。

美紀の無言に室家は、
「智恵、何があった?
ケインを使って、美紀をお仕置きしたのは誰だ?」
と、智恵に向き直る。

さすがに室家は、智恵でないことを見抜いている。

が、智恵も俯いたまま答えない。

室家は、彼女らの様子に胸騒ぎを覚える。
何かとんでもない事をやったことは間違いあるまい。

室家「黙ってたら分からん!
彩!志乃!
お前達はどうだ?」

二人も答えない。
同じように俯いている。

室家は、声を落として、
「美紀以外は廊下へ出ろ。
此方が呼ぶまで待機していろ。」
と促した。

三人が、廊下に出ると、室家は優しく問いただす。
「美紀、私だけだ。
話してくれるな?」

進退窮まったと思ったのだろう、美紀は泣き始めた。
そして一部始終を話し始めた。

室家は、その内容に驚愕した。
これは稀に見る不祥事である。

室家「美紀、廊下の三人を呼べ!
これは私だけの裁量で済まない。」
と言うと、慌ただしく携帯を取り出した。

かけた先は学園長である。
室家は、手短に事情を説明をして、指示を求めた。

学園長も驚いたらしい、帰宅したばかりだが、今から其方に向かうから、それまで詳しい話を聞いておくようにと回答があった。

室家は、再び入室した智恵、彩、志乃の三人に、事実確認を行う。

三人共、それを認めた。

室家は、食い違いが無いように、一人一人に確認をしながら、レポート用紙にペンを走らせる。

事件の内容が明らかになるにつれ、その表情には険しさが深く刻み込まれる。

三十分程経った頃、学園長が姿を現した。
此方も、いつもの温和な顔ではなく、深刻な表情で、踊るように室内へと入って来た。

美紀達四人は、その気色に、事の重大さを改めて認識させられた。

学園長がレポートを読みながら、時々室家に質問する。
それに室家は、補足するように答えている。

依然として、学園長も強張ったままだ。

四人は、固唾を飲んで見守るしかない。

学園長は、レポートを読み終えると、目を閉じた。

重い沈黙が流れる。

それを室家が破る。
「彩、生徒間のお仕置きに道具の禁止は知ってるよな?
なぜ断りもなく、寮のケインを使った?」

彩は、うなだれたまま答えない。

室家が再び口を開きかけた時、学園長が右手で制した。
そして、
「室家、今日は止しましょう。
あなたも冷静な判断がつかないだろうし、私もちょっと無理だわ。」
と宥めた。

そして四人を眺めて、
「あなた達も寮へ戻りなさい。
処罰は明日、室家と相談して言い渡します。」
と、厳しい声。

四人は、処罰と聞くと、ガックリと肩を落とした。
その言葉には、お仕置きの執行という意味を持つからである。

悲痛な顔で、一礼をして退出しようとする四人へ、
学園長「そうそう、立花さん、あなたは今夜から石川さんと部屋を替わりなさい。
荷物は少ないから、時間はかからない筈よね?」
と付け加える。

美紀は、学園長の言葉に、言い知れぬ虚脱感を味わった。

涙目で、
「はい…」
と返事をする。

智恵も唇を噛む。
室家が、初めて見る彼女の暗い表情だった。

学園長「それから、この事は他言はなりません。
聞かれても、答えてはいけませんよ。

皆さん、いいですね?」

一同、「はい」と返事をすると、監督室を後にする。

室家は、ジッと四人の様子を窺っていた。
特に、部屋替えを言い渡された時の、智恵と美紀の落胆ぶりに、二人の仲が尋常では無い事を認識した。

学園長と室家、二人は、全国優勝の主力メンバーが起こした騒動に、大きく動揺していた。


そして翌日、室家は部員に自主トレを指示して、美紀達四人と共に、学園長室へと向かう。

部屋の前で、室家は扉をノックする。
応答があったので、一同、礼をして入室する。

美紀達四人は、判決を待つ囚人のように、表情が固い。

学園長は、穏やかな表情で四人を見渡す。

緊張している四人へ、
「今回の事、非常に残念に思います。
あなた達が学園に内緒でお仕置きをしたこと。

宮村さんと立花さんの関係。

無断でケインや、懲罰室を使ったこと。

生徒間で、剃毛や浣腸をしたこと。」

四人は、うなだれたまま、言葉も無い。

学園長「あなた達に、罰を言い渡す前に…
一人一人、胸中を聞かせて貰えるかしら?

先ずは宮村さん、立花さん、話しなさい。」

智恵と美紀は、お互い顔を見合わせた。
美紀が譲る仕草をしたので、智恵が口火を切る。
「後輩である立花さんが慕ってるのを良いことに、学園の上級生としてあるまじき行為をしました。
反省の意味も込めて、私はどのような罰でも受けます。
だから立花さんは、赦してやってください。」

智恵の言葉に、美紀は慌てて訂正をする。
「いいえ、学園長!
私が我が儘を言ったのがいけないんです!
私に智恵さんの分もお仕置きしてください!
お願いします!」
と頭を下げた。

学園長はニコリと微笑むと、
「あなた達は、お互い模範生として、私は誇りに思っているわ。
それに仲睦まじくて、大変結構。
だけど、レズビアンの真似事はよくないわね?
その事を反省したり、後悔してる?」

智恵「はい、反省してます。」

美紀「学園に迷惑をかけた事は反省してます。
だけど後悔はしてません。」

美紀の発言に、室内が凍りつく。
室家は、学園長の横で、余計な事は言うな、という顔をする。

学園長は、相変わらず穏やかに、
「どういう意味かしら?」
と美紀に聞く。

美紀は、智恵に世話になった事、智恵を尊敬し、智恵を目標に頑張ってる事、また、智恵と逢えた事を一番の喜びだと語り、
「だから、私の中で、今回の事を後悔するのは、智恵さんとの今までそのものを後悔することなんです。」
と、躊躇うことなく答えた。

皆、唖然とした。
中でも室家は、美紀の馬鹿正直に呆れ返った。
裁きを受ける身でありながら、思ってることを、ハッキリ口にするやつがあるか、と窘めたくなる。

智恵達も、思わず学園長の反応を見る。

学園長は、朗らかに笑った。
そして、智恵との情事を肯定する考えはともかく、その純粋な心根に感じいった様子で、
「室家、この子は面白いわ。
間違った道へ進まないよう、しっかり育てなさい。」
と告げた。

室家は、軽く頭を下げる。

尚も笑いながら、
「宮村さん、あなたほど思慮深い生徒が、過ちを犯したのも分かる気がする。
此処まで好かれたら、魔も差すわね。」
と、優しく言葉をかけた。

智恵は、赤くなった。
また、学園長の言葉に安堵の表情を浮かべる。

学園長は、笑いを収めると、
「では、宮村さん、立花さん、あなた達への罰は、お互いが卒業まで、二人の会話を禁止とします。

分かりましたね?
明日から、一切話をしてはいけませんよ。
もし破れば、二人共、全校生徒の前でのお尻叩きのお仕置きをします。

そして、お互い卒業してからは、大人の女性としてのお付き合いをなさい。
今回は、体罰は免除します。」
と告げた。

これは、二人にとって、ある意味厳しい罰である。

智恵と美紀は、学園長の宣告に、気の毒なほど悄げかえった。

が、二人は、体罰の免除するという学園長の計らいに、若干の感謝をする。

確かに女生徒同士、裸で抱き合うなど、不純行為として、懲罰の対象となりうる。
教職員全員からのケイン打ちか、全校生徒の前でのパドル打ちのどちらかだ。

体罰免除の理由に、一つ、二人が模範生であることと、バレー選手としての将来があることを考慮したことによるもの。
一つは、新キャプテンの彩からお仕置きを受けたことにより、改めて体罰の必要性が当たらないという理由。
一つは、美紀が卒業するまでの二年半を、会話禁止にすることで、二人にとっては、充分罰になるという理由。

一日の猶予は、二人に思い残しが無いようにとの、学園長の計らいである。


智恵と美紀が、一礼したとこで、学園長は、彩と志乃へ視線を移す。

学園長「では、木下さん、桜庭さん、話しなさい。」

彩は、自己のキャプテンとしての立場から、二人には罰が必要であったと主張し、秘密にしたのは、二人の為と述べた。
そして志乃は、すみませんの一言。


学園長「お黙りなさい!」

二人は、学園長の一喝に驚きの表情を浮かべた。

学園長は、彩の、事を甘く見た様子に叱責する。

先ず、学園への報告の欠如。
脅迫紛いのお仕置き宣告。
懲罰室の無断使用。
生徒間で禁止のケインの使用。
智恵と美紀に対する、過酷なお仕置き。

学園長「確かに、二人のやったことは、恥ずべき行為です。
しかし木下さん、あなたのやったことは、もっと恥ずべき行為です。」

彩は、学園長の剣幕に震え上がった。

学園長は、重ねて、
「木下さん、あなたは宮村さんに散々世話になったのではないですか?
それを、剃毛、ケイン打ち、浣腸にオムツと、よくできましたね?

それに私達は、闇雲にお仕置きするわけではないのですよ!」

学園長は、彩が学園のお仕置きをダシに、智恵と美紀に選択の余地を無いように仕向けた、と考えてる。
また、キャプテンという立場を理由に、二人に過酷なお仕置きをした情の無さに怒りを覚えている。
特に智恵に対する仕打ちは、目に余るものがある。

彩は、学園長の叱責に、言葉も無くうなだれた。

学園長「桜庭さん、あなたも黙って見てたのは、同罪ですよ。」

志乃も、深くうなだれる。

学園長「木下さん、あなたも宮村さんに好意を持ってたみたいですね?
立花さんに嫉妬したのではないですか?」

図星を当てられ、彩は慌てた。
その様子に、学園長も確信を深めた。
「宮村さんが相手にしないことで、二人に復讐の心があったのではないのですか?」

まるで、全てを見透かしたような学園長の言葉である。

彩は小さく、
「はい…」
と呟いた。



彩の観念した様子に、学園長は室家を振り返り、
「室家、残念ながらあなたの言った通りだわ。」
と嘆息した。

室家も、かねてより智恵に、恋愛感情を持つ部員の存在を知っていた。

彩はその中の一人である。
が、かくまでに尊敬の対象である智恵を踏みにじれるものなのか、と考えていた。
結果、激しい嫉妬心からきた、彩の暴走ととらえている。


学園長は、彩と志乃にお仕置きを宣告する。
「木下さん、あなたには、あなたが宮村さんに行ったお仕置きをします。
桜庭さんは、同罪であるけれども二人を庇ったことにより、私からのケイン打ちとします。

執行は十日後。
分かりましたね?」

彩は、その宣告に驚きの目を見張る。
しかし、学園長に異を唱えれば、益々お仕置きが厳しくなることを知っているので、
「はい…」
と答える。

志乃も、
「分かりました…」
と返事をする。

学園長の決断は、やはり彩の越権行為に重点をおいていた。
それも私情に駆られた身勝手なもので、反省も無い、と判断された。

学園長「お仕置きに立ち会うのは、ここにいる全員と、寮監の武田さん、そしてバレー部の二年生と一年生のレギュラー、及び控えの部員です。
場所は、寮の懲罰室です。」

彩は、その参加人数の多さに目が眩む。
志乃も悲痛な表情だ。

学園長「もう一つ、このお仕置きは、極力、人に知れないようにします。
皆さんは、昨日も言った通り、他人に話してもいけませんし、聞かれても答えてはいけません。

そして室家、立ち会わせる部員には、あなたから間違いの無いように説明なさい。
念を押すのも忘れずにね。
いいですか?」

一同、『分かりました』と答える。

箝口令を敷くのは、全日本に選ばれた智恵の立場を慮んばかっての事である。
後輩とレズ行為に及んだ事実を学園内に広めたくなかった。
その一方で、バレー部の不祥事は、部員には明らかにせねばならない。
そこで、必要最低限の部員に公開することにした。

十日後としたのは、彩と志乃に、深い反省と、迫り来るお仕置きの恐怖を認識してもらうためだ。

一同は礼をして退出する。

室家は、智恵と美紀に声をかけ、彩と志乃には練習に戻るよう指示をだす。

彩と志乃は、気の毒なくらい落ち込んでいた。
トボトボと歩く後ろ姿が、哀れに映る。

室家は、智恵と美紀に時間を与えてやった。
そして話が終わり次第、練習に戻るよう、付け加えた。

二人は、室家に深々とお辞儀をすると、校舎の陰で向き合った。

最初はぎこちない感じだったが、話している内に、笑顔が戻ってきた。
時間にして三十分程経った頃、智恵の言葉に美紀は大きく頷いた。
満面の笑みで、二人は学園での最後の会話を終わらせた。

智恵と美紀が、遅れて練習に加わった。

美紀は、以前のような調子で、練習に熱が入る。
その様子に、一年生達にも生彩が戻ってきた。
リーダーとしての美紀の人望だろう、二年生も活気づいてきた。

練習が終わると、室家は、智恵、二年生、美紀、沙也加、優美、里香へ、部室に集合するように告げた。

部室で、今回の一部始終を話し、十日後のお仕置きに立ち会うよう、申し渡した。

聞くもの皆唖然とした。

中には、彩のように智恵のファンもいる。
当然、憤りの面持ちあり、失望する者あり、有り得ることと納得するものあり…

個々で、様々な反応が出ていた。

室家は、畢生の弁をふるい、不満組を諭す。
そして、この件で、彩と美紀に悪感情を持たないよう強く求めた。

智恵も、部員達に謝罪をして、くれぐれもバレー部内での軽挙妄動を慎むように懇願した。

智恵を慕う部員達は、彼女の真摯な態度に、怒りを和らげた。

彩と志乃も、それぞれ頭を下げ、自分たちのお仕置きで堪えてくれるようお願いする。

美紀に至っては、土下座して一人一人に謝り、気が済まないなら、自分にお仕置きして下さい、と、涙ながらに申し出た。

四人の謝罪、とりわけ美紀の土下座に、部員達も赦すことに気持ちが傾いた。
中には、土下座する美紀に優しく声をかけ、助け起こす者もいた。

美紀と同じ一年生の、沙也加、優美、里香は親友でもある。
美紀の不始末に、動揺しつつも、優しく美紀を労っている。

室家は、部員が落ち着いたことを確認すると、決して話題にしないよう、念を押した。


そして十日後。
彩と志乃の、お仕置きの日がきた。

この日は練習を休みとし、放課後、寮の懲罰室へ関係者が顔を揃えた。

部屋の中央に簡易ベッドが置かれ、その片側に人数分の椅子が並んでいた。

彩と志乃は、小さくなったまま、学園長の言葉を待つ。

皆は、彩はともかく、志乃には同情していた。
お仕置きに乗り気でも無かったし、智恵と美紀を庇ってさえいる。

しかし、学園長の宣告は絶対だ。
いくら消極的であったとしても、学園に報告という選択をせずに、彩に荷担した事に変わりはない、との裁定である。


学園長は、立ち上がると厳かにお仕置きの開始を告げた。
「では、木下さん、桜庭さん、服を全部脱ぎなさい。」

彩と志乃は、覚悟してたものの、押し寄せる羞恥と恐怖に震えが止まらない。

覚束ない足取りで、中央のベッドの横へ行くと、恐る恐る顔を上げた。
見知った顔が並ぶ中、ゆっくりと制服に手をかける。

二人の頬に一筋の涙が伝う。

同級生や後輩の目の前での脱衣に、二人は、全身朱に染める。

彩は、智恵と美紀に強制したことを、自分がされる立場となったことに、悔し涙にくれていた。

志乃も泣いている。
制服を脱ぎ終わり、ゆっくりとブラを外しにかかる。

皆、固唾を飲んで二人の肌が露わになる様を見つめていた。

二人は、一同に背を向けてショーツを下ろすと、足元から抜き去る。

チーム一の強打を誇る彩の筋肉質のお尻と、いかにも女性的な志乃のお尻が並ぶ。

学園長「では、二人とも此方を向いて、直立の姿勢を取りなさい。」

二人は、羞恥に身を捩りながら、涙ながらにその指示に従う。

筋肉質の彩と、ふくよかな志乃の、正面からの裸身は、実に対照的だ。

彩と志乃は、作法通りの挨拶をする。
述べる間も、涙が止まらない。

学園長は、立ち上がるとケインを手にする。
そして、彩にそのままの姿勢で、志乃のお仕置きを見てるようにと告げた。
「桜庭さん、ではベッドへ手をついて足を開き、お尻を此方へ突き出しなさい。」

その屈辱的な姿勢に、志乃は声を放って泣き出した。

志乃の泣き声に、智恵と美紀は心が痛む。
思わず立ち上がり、学園長に声をかけようとするが、
学園長「宮村さんに立花さん、口を挟まずに大人しく見てなさい。

では、二十のケイン打ちを執行します。
桜庭さん、自分なりの反省の言葉を言いなさい。」
二人を窘めて、志乃に執行を告げる。
ゆっくり右手を振り上げると、志乃の丸みを帯びたお尻へ打ち下ろす。

ビシィ!

志乃は、久しぶりに受ける打擲に、お尻が大きく泳ぐ。
「いいぃっ、…み、皆さん、申し訳…ありませんでしたっ!」

執行者が、学園長というのは、ある意味温情でもあるだろう。
ここに集まった中では、一番非力であるし、祖母と言ってもいい程の歳である。
同級生よりは、屈辱が少ない。

学園長は、ゆっくりと間を措いて、志乃のお尻にケインを振る。

その度に志乃は、幼子のような悲鳴と、恥ずかしい尻振りダンスを披露する。

ビシィ!

志乃「あぐうぅぅああぁぁぁ…
皆ざんっ、も、もうじわげ…ございまぜんでじだぁ…」

志乃のお尻に、鮮やかなケインの跡が浮かび上がる。
彼女の泣き叫ぶ様に、部員達も辛そうな様子である。

一人を除いて。

その一人とは、青木里香である。
彼女は、遅刻、物忘れの常習犯であることから、頻繁にお仕置きを受けている。
故に他人の、それも上級生のお仕置きされる光景に、溜飲が下がる思いからか、目を輝かせて眺めている。


お仕置きが十回を超える頃、志乃は、痛みに耐えきれず、地団駄踏んで踊り、皆に秘所やお尻の穴も存分に晒けだす。

尚も続く打擲に、志乃の泣き声も一際大きくなる。

石川優美は、ふと自分の隣で楽しそうな笑みを浮かべた里香に気づく。
そっと肘で注意を促すが、里香は動じない。

里香は、志乃に恨みは無いが、その無様な姿に喜びを隠せない風だ。

やがて最後の一打となる。

ビシィ!

志乃「いっきゃああぁぁぁぁぁっ…
皆ざん…もうじわげ…グスッ…ございばぜんでじだ…エグッ…
が、がぐえんぢょう…
おじおぎ…ヒグッ…
ありばどうごばいばず…ヒグッ…」

志乃はお礼の言葉を述べると、そのままうっ伏せて泣きじゃくる。

学園長は、志乃に優しく声をかけると、武田に介抱するように頼んだ。


そして、いよいよ彩の番である。

彩は、学園長のケイン打ちだけでも、充分過ぎる程の恐怖に見舞われた。
まして、自分は剃毛、浣腸、オムツに排便と、フルコースを体験することになっている。
平静でいられる筈がない。

無駄だと知りつつ、学園長に懇願した。
「学園長、お願いです!
ケインを増やして構いませんから、剃毛や浣腸は許してくださいっ!

お願いします!」

学園長は、彩に向き直ると、穏やかに告げた。
「あなたは、宮村さんと立花さんに、同じ事をしたのでしょう?
人には出来て、自分がされるのは嫌というのは、通用しないわよ。」

彩は、予想通りの回答にも、尚、懇願を重ねた。
そして全裸のまま、土下座し、反省の言葉を述べた。

二年生達は、彩の往生際の悪さに不機嫌な顔をする。
温和な志乃が、お仕置きされたのは誰のせいか、また、キャプテンとして見苦しい醜態をさらしていることに、腹を立てた。

学園長は、部員の感情を感じ取ると、お仕置きの追加を言い渡す。
「木下さん、あなたの言ってる事は卑怯です。
その心根を直す為に、ケイン打ちの執行者を、一年生の青木さんにやってもらいます。

これ以上、煩わせないよう、早くベッドに上がりなさい。」

彩は、学園長の言葉に驚愕した。
後輩の、しかも一番だらしのない里香に、お尻を叩かれる申し渡しに、むせび泣いた。

学園長「泣くのは後。
木下さん、早くなさい。
青木さん、前へ出なさい。」

里香は、驚きの顔で前に出る。
そして、学園長からケインを受け取ると、嬉しそうに微笑む。
その笑みに、学園長が眉をひそめた。
里香は、慌てて畏まり、一礼する。


彩も観念したのだろう、屈辱に震え、泣きながらベッドへ上がる。

学園長「剃毛と浣腸、オムツの脱着は室家、あなたに任せます。

木下さん、あなたもしっかり反省するよう、心して受けなさい。」

室家は、彩に足を開くよう指示すると、彩の股間にシェービングクリームを塗り始めた。