彩「お仕置きの後、美紀を慰めるのは分かります。
でも二人して全裸になる必要があるのですか?
ベッドで抱き合う必要があるのですか?

どうなんですか?美紀の大好きなお姉ちゃん?」

その言葉に、智恵の顔が羞恥に染まる。
彩から目を逸らすと、俯いて今更のように胸と股間を両手で隠す。

彩も志乃も自分を慕う後輩だ。
智恵は、何とか二人の口を封じようと思ったが、彩の態度と言葉に諦めの溜め息をついた。


彩は、冷静に振る舞っているが、内心では動揺していた。

智恵と美紀が淫らな事をやっている、と確信していたし、それを白日の元に曝す決心をしていた。
その時は、智恵に嫌われるかもしれないが、二人の関係が深くなるよりはましだと思っている。

その一方で、自分の思い過ごしであって欲しかった。
しかし現実は予想通りであり、彩は気持ちの整理がついていない。


志乃は、ただただ驚くばかりだ。
まさか智恵がレズまがいの行為をやるとは、実際目の当たりにしても信じられない気がする。

重く沈黙がのしかかる中、志乃はたまりかねて口を開く。
「あの~‥とりあえず智恵さんと美紀、服を着ません?

話はそれからでもいいよね?彩?」

彩はハッとしたように、
「え?あ、ああ…」
と返事をした。

志乃の言葉に、智恵と美紀は安堵した。
特に一糸纏わぬ姿で後輩達と向かい合っている智恵は、一秒でも早くこの羞恥から逃れたかった。

自分の服を取りに、彩と志乃に背を向けた。

その時。
彩「智恵さんっ!何ですか、そのお尻はっ!」

彩の鋭い問いに、智恵は自分の迂闊さを呪った。美紀からのお仕置きに、お尻が赤くなってることを、すっかり失念していたのだ。

彩は声を荒げて智恵に詰問する。
「これ、お尻叩きの跡ですよね?
どうして智恵さんがお仕置きされているんですかっ?
智恵さんっ!答えなさいっ!」

智恵は後輩からの叱責にうなだれた。
美紀と裸で抱き合っていたこともそうだが、自分のお尻のことは、如何なる弁解の仕様もない。

素っ裸のまま、後輩からの容赦ない指摘に、反論出来ずに恥辱に震えていた。


彩は完全に逆上していた。
レズ行為にしてもだが、まさか美紀にお尻まで叩かれていたとは…。
余りにも自分の気持ちを逆撫でするような二人に怒りが収まらない。

彩「答えられないのっ!?
何で智恵さんがお仕置きされたか訊いてるんですよっ!」
と、智恵のお尻に手を回し、尚も問い詰める。

智恵はお尻を触られても、無言で俯く事しか出来ない。

まさか美紀にお尻を叩いて貰いたかった、とは言える筈がない。

立場が上になった彩に、美紀が叫ぶように答えた。
「彩さんっ、智恵さんは美紀の為にお仕置きを受けたんですっ!」

彩はその言葉に美紀に目を向ける。
そして美紀は、彩の表情にギョッとした。

彩は阿修羅のような形相で、
「美紀、どんな理由か説明しな。」
と、その声は肺腑を貫くような響きを持っていた。

美紀は怯んだが、言葉を続けた。
「智恵さんは…
美紀が一年生部員にお仕置きしないことを注意してくださいました。

そして…リーダーとして振る舞えるようにと、お仕置きを頂きました…

そして美紀がキチンとお仕置きできるように、智恵さんがお尻を叩かせてくださいました。」

勿論嘘だが、美紀の咄嗟の回答は、それを裏付ける根拠があった。
美紀は、一年生へのお仕置きを出来る権限があるにも拘わらず、今まで一度も執行した事がない。

例えば、遅刻常習犯の里香にさえお仕置きをしない。

性格にもよるものだろうが、美紀は一年生達の些細な非違は見逃していた。

その事を部の会議で、室家から度々指導を受けていた。
無論、この場合の指導とは、キャプテン、各リーダー、レギュラーの前で、室家によるお尻叩きのお仕置きである。

しかし相変わらず、美紀はお仕置きをしない。


彩は、言葉に詰まった。
確かに、美紀の答えは真実味がある。
しかし何処の世界に、指導者が自分のお尻を叩かせて教える話があるか。
そう思いつつ、この二人なら有り得るかも知れないとも思う。

美紀の説明は理にかなっている、それは嘘だといっても水掛け論にしかなるまい。
それよりは話を進めようと思う。

彩は平静さを取り戻した。

智恵は美紀の機転に救われ、ホッとした。
更に彩へ、
「彩、この前話したけど、私が美紀の為にお仕置きしてると言ったろう?
今回は美紀にお尻叩きのやり方を教えていただけだ。

ただ裸で抱き合っていたのは、私が無理に誘ったからだ。
その事は弁解はしない。」
と答えた。

彩は依然として固い表情である。

二人が痴態に耽っていたのは、どのみち間違いないではないか。
彩は湧き上がる嫉妬心からくる怒りを必死で抑えていた。

暫くして、
彩「とりあえず、服を着てください。

志乃、悪いけど美紀を連れて席外してくれない?

智恵さん、キャプテンとして二人きりでお話があります。
構いませんか?」
と、努めて冷静に言った。

智恵は、
「分かった。」
と答えると、美紀にも服を着るように促して、自分も下着を手にする。

二人が服を着ると、志乃は美紀をつれて部屋を出ていった。

美紀は心配そうに振り返った。

志乃は、不安そうな美紀の肩に手を廻すと、
「美紀、休憩室で私と話しよっか?」
と微笑んだ。

美紀は、志乃が優しげであることに少し安心すると、
「はい。」
と答えた。

休憩室。
志乃と美紀はソファに並んで腰を掛ける。

志乃は美紀の横顔を見て、
「ねえ、智恵さんにはファンがいるって知ってる?」
と聞いてみた。

美紀は志乃の言葉に驚いた。
が、確かにいても当然だと思う。

志乃「そしてね、そのファンの中心にいるのが、彩なのよ。」

美紀「ええっ!?そうなんですか?」

志乃「美紀…、智恵さんの性格、分かるよね?
多分、美紀を庇うのは間違いないと思うの。

そしてそれを彩が嫉妬しながら聞くと、話がこじれそうな気がするの。

よかったらいきさつ、私に話してくれない?」


部屋では彩と智恵が膝をつき合わせるように話をしていた。

彩「すると智恵さんは、美紀にお姉ちゃんと呼ばせて、裸にした挙げ句、悪戯した、という訳ですね?」

智恵「そうだ。
美紀が私を庇って違うこと言ってくるだろうけど、私が強要したことが事実だ。」
智恵としては、事ここに至っては、美紀がお仕置きを免れるようにしてやりたかった。
今回、露顕したのは自分の不用心のせいと思っている。

彩は不機嫌な声で、
「智恵さん、それはそれで問題ですね。
バレー部を引退したあなたは、部外者なんですよ。
それが後輩を裸にして悪戯を強要したことが学園に知れたら厳罰ですね。

軽くて反省文百枚に、教職員全員によるケイン打ち。
悪ければ、停学の上、講堂で全校生徒の前でパドル打ち。

男性教師や男子生徒の前でお尻丸出しにされるのですよ。」
と脅すように言った。

智恵の顔が曇る。
「仕方ない…」

潔い智恵の言葉に、彩は無言で智恵の瞳を見つめている。
内心は、あくまでも美紀を庇う智恵を腹立たしく思っている。

それならいっその事、二人の秘密を暴けたし、弱みを握れた事で智恵を思い通りに弄ってみたいと考える。

彩「智恵さん…

智恵さんを晒し者になんて出来る訳ないじゃないですか。」
と、智恵を安心させようとする。

智恵「…」

彩は智恵の無言に提案を出した。
「智恵さん、この件は私と志乃で止めておきます…

その代わり、私達からのお仕置きを受けて下さい。」

智恵「お前たちからの…お仕置き?」

彩「そうです。
やはりキャプテンとしては、お咎め無しには出来ません。」

智恵は考え込む。
勿論選択の余地で言えば、彩の方がいいに決まっている。

が、何か彩に不穏な気配を感じる。
それに彩の提案に乗ることは、弱みを握られる事になるのではないか、と考える。


自分は来年早々には就職先でバレー漬けの生活が始まる。
あとは卒業式に顔を出すだけだ。

だから約3ヶ月、恥ずかしいのを辛抱すれば学園の人達とは顔を会わせなくなる。
弱みを握られるよりは、後腐れの無いように学園側のお仕置きを受けようかとも考える。

彩は智恵の長考に、自分が不信感を持たれていると感じた。

彩「どうしたんですか智恵さん?

学園中に知れ渡り、異性にお尻見られて叩かれるより、私達二人からのお仕置きがマシじゃないですか…」

それはそうだ、と智恵は思う。
が、どうも気が進まない。
彩の表情に、邪な影が見える。

彩「もし、学園のお仕置きを選ぶなら、美紀もただじゃ済みませんよ。」

智恵はそれも気になっていた。
学園側は、それぞれから話を聞くだろう。
当然、美紀も自分の非を認め、主張するだろう。

とすれば、美紀も罰を受けることになる。

智恵は、彩の提案に乗ることにした。
ただし、条件付きで。
「分かった、彩に従うよ。
その代わり、美紀には手を出さないでくれ。
そしたらどんなお仕置きでも受けるから。」


一方、休憩室では志乃が美紀から話を聞いていた。

志乃「ふ~ん、そうなんだ~。
じゃあ、美紀が智恵さんにお仕置きをお願いして、裸で抱っこもお願いして、今回こうなった、って訳だね。」

美紀「はい、だから智恵さんは悪くないんです。

美紀が我が儘言ったのを、智恵さんが聞いてくれただけなんです。」

志乃は、智恵が美紀に心を許したのが分かる気がした。

この件に関しては智恵と美紀、お互いの同意によるものであろう。
それを自分一人が罪を被り、智恵を救おうとしている。

志乃は、美紀が可愛く思えた。

その時、彩が現れた。
「志乃、話は済んだ。
今日は帰るよ。

美紀、お前は部屋に戻れ。」

美紀は立ち上がると、
「彩さん、志乃さん、どうもすみませんでした。

美紀はどんなお仕置きでも受けますから、智恵さんは許してくださいっ!
お願いします!」
そう言うと深々と頭を下げる。

「学園には報告しない。

心配するな。」
彩はそう答えると、志乃を促して帰っていった。


彩は帰り道、志乃から美紀の言い分を聞いた。
そして、ふと思ったのは、自分と美紀の比較である。

昨年、入部式でお仕置きをされる自分を庇った智恵。
身代わりに、彩が受けるお仕置きを受けてくれた。

彩は、申し訳ないと思いながらも黙って見てた。

対する美紀は、今年同じ状況で自らお仕置きを願い出て、泣きながらも最後まで受けた。

そして今また、志乃から聞いた話ではひたすら智恵を庇い、自分が罰を受けると言っている。

智恵が美紀を可愛がって当たり前じゃないか、と思った。

美紀に嫉妬していたが、自分は到底美紀に及んでいない、と気づく。

結果、先ほどの話し合いでも終始、智恵が美紀を庇ったのも当然だった。


しかしそれは、もうどうでもいい。

智恵は、どんなお仕置きでも受けると言った。
そう、あの憧れの智恵を好きなようにお仕置き出来るのだから…。

彩は酷薄な笑みを浮かべていた。


志乃「ええっ?智恵さんだけをお仕置きするの!?」
志乃は思わず立ち止まり、彩の顔を見つめた。
先ほどの自分の話を聞いていたのか、いないのか。
美紀から聞いた話を彩に伝えた筈なのだが、彼女は智恵だけをお仕置きするという。
その代わり学園には報告をしない、とも言っている。

志乃「学園に報告しないのはマズいよ~。
バレたら私達もお仕置きだよ~!?」

彩は、志乃の物わかりの悪さに、詳細な説明をする。
「智恵さんの自白が正しいに決まってるでしょ。
たとえ美紀がお仕置き等をお願いしても、智恵さんが断ればいいだけなんだから。

それと学園に報告しないのは、智恵さんと美紀の為よ。
大勢の人にレズってたのを知られるよりマシでしょ?
それとも志乃は、全校生徒の前で智恵さんや美紀にお仕置き受けて欲しい?
またそれはバレー部の恥でもあるからね。」

志乃は慌てて頭を振った。
成る程、言われてみればその通り、キャプテンともなると違うな~、と感心した。

彩「当事者と私達しか知らないから、学園にバレることないよ。
そうそう、明日、智恵さんのお仕置きやるから。」

志乃は気が進まない風であったが、
「分かった、じゃ明日ね。」
二人は、それぞれ帰路についた。


寮では、智恵と美紀。

美紀「お姉ちゃん、彩さんにお仕置き受けるの、ダメだよ。

お仕置きは美紀が受けるから。」

智恵は美紀の髪を撫でながら話をする。

まず今回の事は、学園に知られない方がいいこと。
理由として私達のみならず、バレー部の名誉にかかわること。
大勢の異性の前で、裸のお尻を晒され、打たれること。
美紀のリーダー解任、及び部屋替えの処置。
などなど。

ところが彩の提案なら、これらの罰は無く、私一人のお仕置きで済むこと。

智恵「ね、分かるよね?」

美紀も理屈では理解している。
が、智恵が彩にお仕置きされることが嫌なのだ。

しかし、彩に生殺与奪を握られている立場で、此方の主張は通るまい。

美紀は、悲しそうな顔で智恵に抱きついた。

智恵「美紀、だからこの件で彩に口を挟まないようにね…

私は平気だから…。」

二人は夕食を済ますと、シャワーを浴びて、暫しの会話で夜を過ごした。

二人は、明日の事を不安に思いつつ、ベッドに入る。

智恵「でも美紀、卒業までは一緒にいられるから、良しとしとかないとね。

明日、朝はランニングしよっか?」

美紀「うん、いいよ。

…お姉ちゃん…
今夜…一緒に寝ていい?」

智恵はその言葉にちょっと考える仕草をした。

まあ、大丈夫だろう。
彩が何時に来るか知らないが、早朝はあり得まい。
念のため、目覚ましを6時にセットする。

智恵「いいよ。
おいで、美紀。」


翌早朝、5時。
連休二日目である。

不機嫌な顔の志乃と、不敵な笑みを浮かべた彩の二人が、既に学園へと姿を見せていた。

彩は昨日の一部始終で、智恵に対する想いが一変している。

智恵と美紀、二人の為に学園に報告しないというのは建て前で、自分の気持ちを最後まで知らないふりをした智恵を、自分の手で屈辱にまみれさせたいと考えている。

志乃「彩~、こんな朝っぱらから何なのよ~。

ふわあぁぁっ。」
欠伸をしながら、彩に毒づく。

彩は緊張感の欠片もない志乃に一瞥すると、無言で寮へと歩を進める。


まさか彩がすぐそばまで来てるとは思いもしないだろう。
智恵と美紀は、一つベッドで抱き合うようにして眠っていた。

ガチャ…

部屋のドアが開き、彩と志乃が入ってきたが、二人は夢の中にいる。

彩「智恵っ、美紀っ、二人共起きろっ!」

さすがに智恵は、パッと目を覚ます。
その顔には、焦りと驚きが浮かんでいた。
美紀は眠い目をこすりながら、声の方へ顔を向ける。

彩は、憤怒の塊となっていた。
「お前ら、昨日の今日で何の様だ!」

志乃は、彩が智恵に対する暴言に驚いた。
が、彼女の剣幕に声をかけられない。

志乃ですらそうだ。
智恵と美紀は、激しく叱責されて、返す言葉も無くうなだれた。

尚も彩は、怒りも露わに二人を罵った。
「智恵っ、美紀っ、もう言い訳はするなっ!
お前達には、厳しいお仕置きを課す、受けたくなければ今すぐ言え!
学園に報告するっ!」

美紀はベッドの上で正座をすると、
「彩さん、すみません。

お仕置きを受けます…
でもこれは…」

彩「言い訳はするな!

智恵っ!
昨日の失態だけなら、先輩として立てるつもりだった。
しかし反省もなく、後輩を添い寝させるとは、呆れ果てて言葉も無い。
お前はどうするんだ?
お仕置きを受けるのかっ!?」

智恵は唇を噛んだ。
自分の甘さを不甲斐なく思った。
昨日の彩の態度を訝しく思いつつ、事を軽く考えていた。
よもや早朝から来るとは、思いもしない。

そしてその彩が、自分を呼び捨てで叱責する事に屈辱を感じていた。
が、理は彩にある。

智恵は震えながら、彩に頭を下げた。
「すまなかった…

お仕置きを受けるから…」

彩は間髪入れず、
「智恵っ、お仕置きの作法はそうじゃないだろ?

もう一度やり直し!」

智恵は正座し直して、再度頭を下げた。
「すみませんでした…

お仕置きをお願いします…」
と呟くような低い声だ。

彩「聞こえない!

そして誰にお仕置きをしてもらうんだっ?」

智恵は三度頭を下げ、
「彩さん、志乃さん、す、すみませんっ!

宮村智恵に…お仕置き、お願いしますっ!」
その瞳には、悔し涙が光っていた。

智恵の挨拶に、
彩「よし、
もう一度聞くが、どのようなお仕置きでも受けるんだな?」

智恵と美紀は、
『はい…』
と答える。

彩「では、お仕置き部屋へ行くぞ。
ついて来い。」

お仕置き部屋とは、寮にある一室である。
寮自体が住宅街と隣接してる為、お仕置きによる泣き声が外へ漏れないように防音を施してある部屋のことである。
寮監の武田によるお仕置きは、常にここで行われる。

移動中、美紀は昨夜の軽率な一言を悔いていた。
智恵の様子を窺いながら、心の中で詫びていた。


部屋は教室程の広さで、隅に簡易ベッドがあり、壁にはケインやパドルが並べてあった。

彩は、智恵と美紀を振り返り、
「二人とも着てる物を全部脱げ。」
と、高飛車に言い放つ。

美紀は素直に従うが、智恵は唇を噛んで俯いたまま動かない。
後輩である彩の横柄な態度に、怒りを隠せないようだ。

彩は、智恵を一喝した。
「智恵っ、愚図愚図するな!
お仕置きを受けるんじゃなかったのかっ!」

怒鳴られて智恵は、彩を見据える。

その瞳は、今までの温厚な智恵からは、想像も出来ない険しさを持っていた。

『智恵さん、
さぞ屈辱でしょうね、悔しいでしょうね。
でもこれからもっと辛い目に会わせてあげる。
ふふふっ。』
彩は冷笑を浮かべる。

智恵は、一旦目を閉じて深呼吸をすると、勢いよく服を脱ぎだした。
そして美紀より先に全裸となる。

二人が全裸になると、彩は直立の姿勢を命ずる。
アンダーヘアの無い美紀にとって、辛い姿勢の一つである。
もじもじしながら、俯くその表情は辛そうだ。

彩「よしよし、二人とも素直でよろしい。」

彩が表情を和らげたとこで、美紀は昨夜の添い寝は自分が言い出した、と告げる。

彩「智恵が断ればいいだけの話だろ?
お前達は、私を嘗めてるから、そんな真似をする。
そうだろ?
学園に報告しないという此方の温情に、反省もせずに添い寝などするからな。」

彩の言葉に、美紀は口を噤まざるを得ない。

彩「ではお仕置きだが、淫らな行為に耽っていたということで、恥ずかしい罰にしたいと思う。」
彼女は、ここで壁のケインを選び、手に取る。
「先ずは、アンダーヘアの処理。
その後、ケインによる尻叩きを私と志乃で行う。
美紀二十、智恵四十。
最後に浣腸とオムツ。

いいな?」

二人は呆然とする。
それはそうだろう、お尻叩きはともかく、剃毛に浣腸、オムツとは、思春期の女生徒が受けるには屈辱以外何物でもない。

特に智恵は、後輩が宣言した内容に、今にも泣き出さんばかりだ。

彩は、智恵の屈辱に震える様に、得も言えぬ快感に打ち震えた。

持参のバックから、シェービングクリームと安全カミソリを取り出し、
「美紀はパイパンだから必要ないな。
そしたら智恵、ベッドに上がれ。」

彩の言葉は、無毛であることをコンプレックスとする美紀に、悔し涙を催しさせる。

一方智恵は、屈辱に足が止まりベッドに上がることが出来ない。

彩「智恵、早くしろ。」
と智恵の背中を押す。

智恵は、涙ぐんでベッドへ上がる。

彩はM字開脚のポーズを取らせると、智恵の晒け出された股間にクリームを塗る。
そして自ら、ゆっくりとカミソリを当てていく。

自分のヘアが剃られている間、智恵は固く目を閉じている。
そして閉じた瞳から、頬へ一筋の涙が走る。

彩は軽く笑いながら、
「智恵さん、もう泣いてるの?
後輩に大事な毛を剃られて悔しい?」
と智恵の羞恥心を刺激する。

智恵は泣くまいと思ったが、涙が止まらない。
が、剃り終わるまで、微動だにせず屈辱に耐える。

志乃は智恵の惨めな姿に同情し、彩に不信感を持った。
「彩、いくらなんでもやりすぎだよ。
智恵さんが可哀想っ。」

彩は志乃を振り返り、
「なら、学園に報告するか?
私はどちらでもいい。

志乃は可哀想と言うが、二人のした事をどう思っている?
私は顔に泥を塗られた気分だよ。」
と言い放った。

志乃は沈黙した。
学園のお仕置きであれば、この程度で済むまい。
また、彩の言い分も分かる。
結局、彩の言葉に渋々ながらも承諾する。

股間を剃り終えたら、再び直立の姿勢を取らせる。

智恵は声に出さないものの、ずっと泣いている。
バレーで鍛えた美しい裸身に、幼女のような股間は、卑猥なまでにアンバランスだ。

彩は暫くの間、智恵の躰を心地良げに眺めている。
智恵はその視線を、体中桜色に染めて受けている。

彩は智恵の裸身をじっくりと鑑賞し、
「よし、お尻叩きのお仕置きに移る。

先ずは美紀、ベッドに仰向けになって、腰を浮かせろ。
そのまま両足のかかとを頭の横へもってこい。」

美紀は怪訝な表情で彩を見た。
彩は、よく飲み込めていない美紀に、手取り足取りポーズを取らせる。

美紀は羞恥で真っ赤になった。
まんぐり返しの状態で、手で膝の裏を抱えさせられた。

それを彩は、美紀の左右の手足をガムテープで固定した。
そして両足首をベッドの枠へと紐でキツく縛る。

無毛の秘所とお尻の穴は天井を向き、見るからに無様で卑猥な姿だ。
しかも、お尻を振る以外は、体を動かせない。

美紀は今から始まるケイン打ちよりも、屈辱的な姿勢に顔を歪めた。

彩はケインを手に、空を切るように振り始めた。
「美紀、始める前に言っとくな。
叩かれる時は、私の言葉を復唱しな。
声が小さい時はやり直し。
分かった?」

「は、はい、分かりました…」
美紀は返事をしたものの、今度は、目の前のケインの快音に恐怖で怯えている。