専門家を送り込み、徹底的に事前調査!
__今回の交渉にのぞむ前、スリーエー・コーポレーションでは、エイベックス・マネジメント様(以降敬称略)のオフィスに、12名の専門家を派遣して、通信回線から電気系統、配管まで、徹底的に丸3日間かけて調査しました。
ひろみ通常は、ここまで大規模な調査はしないけれど、今回は特別だった。交渉の成り行きで、こちらで原状回復工事まで手掛ける必要がでてくる可能性があると、先読みしたんだ。
__その道のプロと呼べる専門家との強力なネットワークがあるのも、スリーエー・コーポレーションの強みですよね。新人のとき、壁や床をたたいて、その音だけで中の素材や塗料の種類までわかる専門家を見て、本当にびっくりしました。
ひろみ最近のビルは、ネットワークで複雑につながりあい、まさに知能を持っている。だからこそ、オフィスの設備の調査にも、何人もの専門家の力を借りる必要がある。この複雑さも、原状回復費の交渉の難しさにつながっているんだ。
追い込まれた管理会社が、反撃に出る!
__さて、今回の交渉の争点となったのは、照明設備でした。古い白熱灯の設備を、最新の環境対応のLEDの設備に、天井裏の機器からまるごと変えようとしていました。
ひろみ言うならば20年前に2000万円で買ったベンツを、今の最新の4000万円のベンツに買い替えるようなものだ。
__原状回復の域を超えて、完全にバージョンアップのリニューアルってことですよね。
ひろみたかだか照明とあなどるなかれ、今のビルは、複雑にネットワークが絡み合っているから、照明器具をまるごとかえると、他の電気系統や通信設備の工事にも影響を及ぼし、大規模な工事に発展していく。照明の工事を簡素化することで、大幅な減額につながっていくんだ。
__管理会社に、こちらの照明器具いついて見解を投げかけると、痛い部分をつつかれたとばかりに逆上して、「この金額でみとめないなら、アスベスト※の調査や除去も自分たちでやってくれ!」と反撃してきました。
ひろみアスベストの問題は、本来、管理会社が対処すべき問題だから、やるべき義務を放棄した無責任な発言だね。
__さらに、他の原状回復工事についても、こちらの見解を展開していくと、「いっそのこと、そちらで工事をやったらどうですか!?」と、管理会社は開き直ってきました。
ひろみテナントを借りているエイベックス・マネジメントは、契約日までにオフィスから撤収しないと、賃料の倍額の保証金を払わなくてはならない。そん差し迫った中で、「どうせ、あなたたちには工事はできないでしょ」と高をくくった発言だった。
__逆上とは言え、なかなかキツいところを攻めてきましたよね。さあ今週はここまで。次週では、スリーエー・コーポレーションが怒涛の反撃で、劇的なクライマックスに至りますよ。