フェイス・トゥ・フェイスで、直接交渉!
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エイベックス・マネジメント様(以降敬称略)の依頼を受けて、スリーエー・コーポレーションが交渉に立ち会うことになりました。ところで最近は、打ち合わせや交渉って、オンラインでやること増えましたよね?
ひろみそうだね。これまで営業は直接会わないとできないと言われていたけど、新型コロナの影響で、良くも悪くも、オンラインでも何とかなることが証明されてしまった。
__なんでもメールやオンラインで済ませてしまうと、人と会う必要がなくなって、それはそれで寂しいですね。
ひろみまあね。人生の醍醐味は、誰かと一緒に何かを成し遂げることだよ。恋愛だって、オンランだけじゃできないだろ。今は、会う機会が制限されるからこそ、人と直接会う時は、しっかりバリュー(価値)に変えなきゃな。
__僕も、人と人とで、最高のバリューを作れるよう、がんばります! 今回の案件でも、管理会社との最初の交渉は、フェイス・トゥ・フェイスの直接交渉でした。
管理会社は頑強な姿勢で、一歩も引かない!
ひろみ最初の顔合わせは、相撲や武道で言うところの“立合い”だ。
__交渉の始まりって、いつも緊張してしまいます。なんか、殺気立っていますしね。
ひろみヒロミ 俗に「勝負は、立合いで八割決まる」なんて言われている。今回は、管理会社の担当者の顔を見たとき、ピンと来た。以前、原状回復の裁判でやり合って負かした相手だったんだ(笑)。
__担当者の顔から、血の気が引いたのには、そんな理由が……。社長、いきなり立合いを制しましたね。
ひろみ管理会社の態度は、最初の見積もり額1億4800万円から1億2000万円まで減額しているんだから、黙ってサインをしてほしい、という威圧的なものだったね。
__ほとんど合意寸前のところでスリーエー・コーポレーションが出て行った形なので、意地になっている感じもありました。
ひろみ今回は、防音工事をほどこした特殊仕様の部屋がたくさんある特殊仕様のオフィス兼スタジオで、確かに通常よりは原状回復に費用がかかる。しかし、その点を差し引いても、1億2000万円は高すぎた。
__こちらも揺さぶりはかけましたが、管理会社は一環として、これ以上全く引かないぞ、という強硬な姿勢でした。エイベックス・マネジメントも、それでらちがあかなくなって、我々に依頼したわけですが……。
ひろみ原状回復費の交渉のポイントは、費用が高いから減額してよ、というざっくりとした交渉では通らない。範囲を絞り込んで、切れ味鋭く具体的に指摘していくこと重要。だから、管理会社の見積もりをもとにした、事前の綿密な調査が大事になるんだ。
__今回はここまで。次回は、スリーエー・コーポレーションが行った事前準備や、それをもとにした激しい交渉合戦を紹介していきます。