スリーエーの交渉の裏側を大公開!
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社長、今日は何の日か知っていますか。なんと、僕が入社してから3年目の記念すべき日なんです。このとおり、すっかり一人前になりました。
ひろみ一人前かどうかはさておき、最初は毎日に怒られてばっかりで、どうなることかと思ったけど、頑張ったね。3年ふんばり通せば、どんな業界でも、それなりにやっていける力はつくからな。
__そんなにほめないでくださいw 逆にこわいです。
ひろみ大丈夫、そんなに褒めてない。でも、この業界は、モノ覚えが良くて容量がいいと、仕事に慣れてきた時に金をちょろまかすような輩も出て来るんだよ。その点、お前さんは心配ないな。
__褒めているようで、何か圧力が……w ところで社長、今回から、スリーエー・コーポレーションが取り組んできた、原状回復費削減交渉の裏側を少し紹介していこうかということで。
ひろみそうなの? まあ俺は、後ろめたいことは何もないから、何でも話すけど。それで、何から話そうか?
__大手エンターテインメント企業のエイベックス・マネジメント様(以下敬称略)の案件です。
「これ以上値下げができない」、そんなときの助け舟
ひろみ前段として言わせてもらうと、新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの企業が痛手を被っている。非常事態宣言で不要不急の外出の自粛が要請される中で、エンターテインメント業界は、特に大きなダメージを受けているね。
__コンサートとか、イベントとか、不要不急といわれがちですけど、こんなときこそエンタメは必要だと思うんですけどね。とにかく、そんな状況下で、エイベックス・マネジメントは、移転を決断されたんです。そこでオフィス撤去時に、多額の原状回復費を請求されることになります。
ひろみ請求する側の不動産賃貸業も、この間、多くの店やオフィスの撤退が相次ぎ、かなり財務は厳しい状況だ。原状回復費の請求は、すでに預かっている敷金で行うわけだから、キャッシュフローの厚い企業から、できるかぎりお金を多く取ろうとはしてくるだろう。ハードな交渉が予測できるね。
__まず、敷金は1億2000万円で、ビル側から請求された原状回復費は1億4800万円でした。敷金では足りず、さらに2800万円を上乗せで請求してきたんです。そこで、不動産に詳しい元役員が交渉にあたり、1億2000万円まで、何とか下がったとのことですが、まだ納得されていないようで……。
ひろみなるほど。さらなる値下げ交渉を試みるが、頑として応じてもらえない。そこで、スリーエー・コーポレーションにお声がかかったわけか。
__そうなんです! 次号ではいよいよ、スリーエー・コーポレーションが直接交渉の舞台にあがります。