旨煮(読み)うまに

日本大百科全書(ニッポニカ)「旨煮」の解説

旨煮
うまに

煮物を大別すると旨煮、含め煮煮しめの3種類になる。旨煮は魚貝類、鳥肉などを主として、これに適する野菜を取り合わせ、照りが出るようにからっと煮あげるもので、弁当、折詰めの煮物はこの方式の煮方をすることになっている。甘辛く味つけをして、汁が少なくなるまで煮てあるので、冷めても味が変わらないのと、早く悪くならないからである。5人前の味つけに用いる分量は、みりん30cc、煮だし汁60cc、しょうゆ45cc、砂糖大さじ1杯とする。野菜(サトイモ、ヤツガシラなどのいも類、シイタケ、蓮根(れんこん)、ニンジン、ゴボウなど)、とり肉などすべての材料は前もってゆでるか、または湯がいておく。初めにみりんを鍋(なべ)に入れて煮きり、次に煮だし汁、しょうゆ、砂糖を加え、沸き上がったら味の出るものから順次鍋に入れ、煮あげる。煮るときは汁のなくなるまで鍋を返して焦げ付かないようにする。

多田鉄之助

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典「旨煮」の解説

うま‐に【旨煮】

〘名〙 料理の一種。肉、野菜などを、しょうゆ、砂糖など、いろいろの調味料で甘く濃い味に煮たもの。
※滑稽本・八笑人(1820‐49)五「こいつは丁度うまくはまった。三杯酢か甘煮(ウマニ)か」

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