精選版 日本国語大辞典「略」の解説
りゃく‐・する【略】
〘他サ変〙 りゃく・す 〘他サ変〙
※玉葉‐仁安二年(1167)正月二八日「呂〈略〉五常楽、兼人々云、未レ及二昏黒一、何被レ略哉」
※太平記(14C後)一三「然ども此曲に不吉の声有とて、一手を略(リャク)せる所あり」
② かどわかす。かどわす。誘拐する。
※律(718)名例「略レ人。受レ財枉レ法者、不レ用二此律一」
③ かすめとる。攻めとる。攻略する。
※続日本紀‐大宝三年(703)三月戊午「安芸国被レ畧為二奴婢一者二百余人」
※太平記(14C後)七「其勢已に三千余騎、京を縮め地を略(リャク)して勢近国に振ひ候也」
りゃく【略】
〘名〙
① 知恵。はかりごと。才略。謀略。〔色葉字類抄(1177‐81)〕 〔呉志注‐魯粛伝〕
② かどわかすこと。かすめとること。うばうこと。〔春秋左伝‐宣公一五年〕
③ はぶくこと。省略。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※小学読本(1874)〈榊原・那珂・稲垣〉二「浅くして平なるを平と称ふ、平皿の略なり」 〔春秋公羊伝‐哀公五年〕
④ あらまし。大概。大略。おおよそ。
※天草本伊曾保(1593)イソポの生涯の事「Esopo ガ シャウガイノ モノガタリ riacu(リャク)」 〔孟子‐万章・下〕
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