「男らしさ」についてのアンケート調査で、約半数が「最近は男性
の方が女性よりも生きづらい」と回答したという記事…。
● 「最近は女性より生きづらい」と5割が回答
電通総研の男性意識調査 (朝日)
https://www.asahi.com/articles/ASPCJ3F2CPCHULFA02F.html
女性が差別への怒りを表明すると「男だって生きづらい!」という
罵りが飛んでくることが、ままあります。性差別があるという事実
から目をそらさせ論点をずらす、あるあるな手法ですね。
それはともかく、「男性の方が女性よりも生きづらい」という回答
について、記事では「半数の男性が生きづらさの高まりを感じているの
は、ジェンダー平等への意識の高まりとともに男性優位の状況が変わり、
男性自身も変化しなければならないという不安が背景にあるのだろう」
と“配慮ある”表現で分析が語られています。
たしかに、差別が構造化された社会で居心地良く生きてきたマジョリ
ティが、「それはセクハラです」「それは差別的ですよ」、と指摘・批判
され、意識のアップデートを要求されるのはさぞかし不快で居心地悪い
でしょう。しかしその居心地悪さを、「女性より生きづらい」などと語る
のは驕り過ぎなのではないでしょうか。差別で心身を傷つけられたり、
学業やキャリアを挫かれる苦しみとはまるで比較になりません。
性差別のみならず、人種差別や民族差別…あらゆる差別に通底すること
ですが、差別の解消の道は、マジョリティが自分の加害者性と向き合う、
とても居心地悪く逃げ出したくなる道です。それを避けて通ることはでき
ません。
マジョリティ側に生きる者たちが、「この居心地悪さに配慮がほしい。
同情してもらいたい。」と思うことが、どれだけお門違いなものか、
学び合いたいものです。